恐怖の谷 (河出文庫 ト 10-7 シャーロック・ホームズ全集 7)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309466170

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりにホームズを読んでみました。
    記憶の中のホームズの冒険より大分あっさりしているなと思いました。なんとなく展開が読める。
    後半の過去話は正直何を読まされてるんだ、、という気持ち。

  • シャーロック・ホームズものは、学生時代にすべて読んだと思っていましたが、この作品は読んでなかった気がします。なんでだろ?

    実際にアメリカで起きた労働争議事件?を参考にしつつ、シャーロック・ホームズが関わる刑事事件の話に仕立てられています。ですが、解説にも書いてありましたが、他のホームズ作品と比べると推理と言う要素は少ないですね。むしろ、アメリカの炭鉱における労働争議の話を描いた作品と言っても、過言では無いかも。

    他のホームズ作品とかなり雰囲気が異なります。不思議な感じです。

  • ホームズの長編四作目にして最後の長編。タイトル通り暗かった。構成は第一部の現代での事件発生と解決、第二部の事件の原因となる背景は、緋色の習作と同じ。第二部の暴力世界が読むのに辛く、またラストもハッピーエンドとは言い難かった。モリアーティ教授一味のせいとのことだったから、突然現れたこの敵役をもっと説明するのかと思ったら肩透かしだった

  • とにかく「解説」が難解である。
    本の後半1/4くらいを解説やらあとがきやら訳者解説やらが占めている。
    シャーロック・ホームズという世界的ベストセラーにいったいどれだけのコバンザメみたいな寄生虫が取り付いていることやら。
    で、その解説を読み解くには更に解説が必要。
    ”解説の解説”って茶番だな。
    特に気になるのは、英版ではこうだけど米版はこうで、としつこく云うやつ。
    どっちだって英語なんだからおれたち日本人にはどっちでもいいってことよ。
    しかもドイツ系アメリカ人ならここわこういう言い方をする、とかも勝手にしやがれ!
    ありゃなんだか語り口がなまって来ちまったい。
    すまぬ。すまぬ。

  •  「ライヘンバッハの滝」でホームズを殺してしまったドイルは、そのあと、何事もなかったかのように、「ライヘンバッハの滝」以前の話として長編『バスカヴィルの犬』を発表する。そして今度はホームズを引退させてしまったあと、やはり引退以前の出来事として長編『恐怖の谷』を書く。
     ただ彼には長編探偵小説の作法がまだわかっていなかった。いや、少なくとも長編ホームズ譚の書き方はわからないままだった。名探偵ホームズは喩えるなら切れすぎる短刀であった。まあ長刀でもいいのだが、切れすぎるために彼が登場すると謎が解けて話は終わってしまうのだ。だから短編は書けても長編が書けない。そこで『緋色の習作』と『四つのサイン』ではいったん事件を解決してからその事件にまつわる因縁をそのあと長々と付加するという策を取った。いわばホームズ短編と歴史長編小説のハイブリッド。
     『恐怖の谷』では殺人事件が起こり、ホームズが謎を解く。そこから因縁話がはじまって過去に遡り舞台は「恐怖の谷」と言われるアメリカのある谷間の町に移る。これは「恐怖の谷」を支配する犯罪結社にはいった男の話であり、悪漢小説のようなものだが、ここだけでも十分独立した作品になりうる点が進歩したところである。そこにホームズ譚の枠構造が付け加えられ、さらにホームズ譚には宿敵モリアーティ教授の影が刻印されている。
     ドイルはモリアーティ教授という魅力的な敵を登場させておきながら、その短編でホームズもろとも殺してしまうという失策をしてしまったので、あとになってこんな風に蒸し返すしかなくなってしまったのも不具合ではある。
     長編作法として『バスカヴィルの犬』では途中でホームズを退場させ、ワトスン先生に任せて間を持たせている。おかげで話は複線を取らずにホームズ譚として一貫した流れになっているのが、この作品の人気が高い所以であろうか。さて評者は現代の長編推理小説はどのようにプロットを組み立てるかと論じられるほどの推理小説読者ではないが、よくあるのが、第二第三の殺人が起こるってえやつか。あるいは登場人物の人間関係がやたらと複雑でそれを暴いていくのに時間がかかるとか。少年探偵団なんてのも明智先生をすぐに出さないための工夫ではないだろうか。いずれにせよ、強すぎるヒーローとともに切れすぎる探偵は人気は高まるだろうが作者泣かせなのだろう。

  • 第1部「バールストンの悲劇」は子供の頃に読んだ記憶があるが、なぜか第2部の「スコウラーズ」の記憶がない。ホームズが登場せず、知らず知らずのうちに記憶から切り離してしまったのかもしれない。ホームズらしくないとはいえ、コナンドイルらしい驚きの展開があり、この第2部こそタイトル「恐怖の谷」のまさしく本編であった。ただ河出文庫のこの本のミソは、作品の後ろにある注釈と解説の豊かさにある。きっとホームズファン、コナンドイルファンにはたまらないのだろう。残念ながら私にはそこまでの思い入れはないので軽く斜めに読んだだけだったが。

  • 読みやすい訳。
    1から集めたい

  • 河出文庫版シャーロック・ホームズ全集の第7巻は、最後の長編となった『恐怖の谷』。
    ホームズものの中では割と印象的だった長編で、個人的には思い入れがある。が、その理由をすっかり忘れてしまった……。多分、英米にまたがるスケールの大きさが気に入ってたのかなぁ。

  • ある日ホームズに届いた暗号の手紙。解読するも殺人は既に行われていた。奇妙な犯行現場と背後に潜む宿敵モリアーティ教授。そして事件は残酷な悪の歴史をひもといてゆく……。ホームズ物語最後の長編作。

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