- Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309471679
感想・レビュー・書評
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20年ぶりぐらいに再読。読めば読むほど、興味深いトピックが次々と。イスラム世界を語るのに、前段のササン朝ペルシアから語るの、今となっては斬新。ムハンマド、正統カリフ時代、ウマイヤ朝、アッバース朝、後ウマイヤ朝とアンダルスの輝き、ファーティマ朝、ブワイフ朝、セルジューク朝などの諸王朝が編年で、エピソードを交えて語られ、最後はコンスタンティノープルの陥落、エピローグは、グラナダ陥落が語られる。気になったトピックは、ササン朝ペルシアの風雲児バハラーム・チュービーナ、正統カリフ時代の堯将イブヌル・ワリード、カアバに数十の神像があったがアッラーはその中の一つだった、ムハンマドがアッラーの教えに帰依したために迫害を受けたものを一時アビシニアに避難させていた、オスマーンの功績は聖典の統一、ウマイヤ朝のワリード一世時がカリフ帝国の最大版図、アラブの部族に先進文化諸民族を対比させ優位に位置付けるシュウビーヤ思想、アッバース朝の功臣アブー・ムスリム、マンスールを兇漢から救ったマアン・ブヌ・ザーイダ、マンスールは扇風機の発明者、ウマイヤ朝を立て直したアブドル・マリク、アッバース朝のマンスールが、イスラーム史上二大吝嗇漢、名君とされるアッバース朝のラシードは23年間の治世中17年間母とバルマク家に実権を握られていた、アッバース朝のアル・ハッジャージは東方の総督として厳しいながらも治績、ウマイヤ朝のムーサー・ブヌ・ヌサイル、配下のターリク・ブン・ジヤードがアンダルスを攻略、後ウマイヤ朝の創建者にて英主のアブドル・ラフマーン、コルドバはジルヤーブの頃から風俗がガラッとあらたまる、コルドバのカリフの謁見の間の豪奢さ、ファーティマ朝の奇人カリフたるアル・ハーキムの原理主義的すぎる矢継ぎ早の諸政策は治下の人々は大いに困惑したと想像、インドの奴隷王朝第5代ラディーヤ(在位1236−40)がシャジャル・アッドゥルと並んでイスラム世界の女王。多岐にわたりそれぞれ調べてみたいトピックス。特にラシード、後ウマイヤ朝を調べたい。
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2017/3/10
中東の歴史はやはり面白い。東から西からさまざまな勢力が興亡する。中東から逃れイベリア半島で興った「後ウマイヤ朝」があったり、モンゴルの蹂躙があったり。ダイナミックだな。