南方熊楠コレクション〈第3巻〉浄のセクソロジー (河出文庫) (河出文庫 827C)

著者 :
制作 : 中沢 新一 
  • 河出書房新社
3.42
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本棚登録 : 75
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (548ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309472089

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • 「性」のテーマで集められたアンソロジーだが、ふつうに民俗学/人類学の論文集である。
    近親相姦、アナルセックス、ホモセクシュアルなどなど、性の博覧会的な本で、各国文献から渉猟された話が続々と出てくる。
    意外にも熊楠は「こんな話はうんざりする」とか、春本はつまらないとか言っているし、彼自身にどうやらホモっ気も何もないばかりか、40代で結婚するまで女と縁もなかったようで、どうやら「純粋な興味」から、こうした話を集めたらしい。
    世の中には多種多様な「変態」さんたちがいるようだが、ごく「普通」な私も「異常」な話を好んで読んでいるので、学問的好奇心にせよ単なる野次馬根性にせよ、とにかく「好奇心」はパワーを秘めているのだ。行動や実際の生活様式と「好奇心」パワーとは、全然別の話なのかもしれない。
    そういう「パワー」はやはり熊楠的なところと言ってよいのだろう。強靱なバイタリティの中にすべてを引き込み、おおらかでたくましい「コンテクスト」を作り上げている。

    なお、相変わらず巻頭の解題で中沢新一氏が、自身のコンテクストに強引に結びつけた牽強付会な「解説」を展開しているが、気にしなくて良いと思う。

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著者プロフィール

1867年、紀伊国(現在の和歌山県)に生まれ、1941年に同地にて没する。在野の民俗学者、博物学者、生物学者として知られる。
著書に、『南方閑話』(坂本書店、1926)、『南方随筆』(岡書院、1926)、『続南方随筆』(岡書院、1926)などのほか、全集や選集、書簡集など多くの文業が刊行されている。

「2018年 『熊楠と猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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