妖怪と楽しく遊ぶ本: 日本人と妖怪の意外な関係を探る (KAWADE夢新書 245)
- 河出書房新社 (2002年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309502458
作品紹介・あらすじ
古くより現代に伝わる妖怪話の数々。絵巻、版本、錦絵などにも描かれ、子々孫々、私たちの近くにいる妖怪たちは、なぜ闇夜に生き残り続けたのか?畏怖の対象として、また愛らしい友達として跳梁跋扈を繰り返す彼らの正体とは?我々の祖先とは、いかに折り合いをつけてきたのか?多数の貴重な図版を示しながら、日本人と妖怪の"交流"を浮き彫りにする。
感想・レビュー・書評
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所どころ、どこから引っ張てきたかよくわからない絵があるものの、図版が豊富でまず嬉しい。
また、河童や天狗といったメジャーな妖怪を紹介しつつ、件・アマビコといったちょいとマイナーなものも掲載されているのが心憎い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古本で購入。
「妖怪“を”楽しむ」のではなく「妖怪“と”遊ぶ」というタイトルがいい。
言ってみれば、妖怪との付き合い方についての本なのだ。
英雄豪傑による化物退治譚から一転、妖怪だけを描く百鬼夜行絵巻は妖怪史のエポックメイキングとなり、そこから江戸時代への一種の妖怪ブームへと繋がっていくと著者は言う。
さてその江戸時代、世間では百物語が流行し妖怪モノの黄表紙が出版され、妖怪双六に興じて妖怪狂歌を募集する…江戸人、妖怪好きすぎだろう。
本来恐ろしいはずの存在を楽しみ愛好するっていうのは、文化としては割と高度なんじゃなかろうか。
パックス・トクガワーナなんて称される泰平の、ゆとりとでも言える雰囲気はいい。
個人的には、「予言獣」についての章がおもしろい。
件(くだん)やアマビコといった社会的不安を背景にした妖怪たちは、人々に災厄を避ける術を教える一種の益獣のような存在。だけどどことなく漂う不穏さ・不気味さが実にたまらんのである。
全然関係ないが、『もっけ』という妖怪漫画でも、件の回は何やら妖しくてよかった。
著者は川崎市市民ミュージアムの学芸員。
そういえば何年か前、市民ミュージアムで「幻獣」をテーマにした特別展が開催されていたのを見逃して大いに悔やんだものだけど、あれを手がけたのがこの湯本氏だったのか。 -
説明ができない事象や概念にラベルを貼ることで、安心感を得る。きっとそのひとつが妖怪というラベルだったんだろう。不可思議な事象が科学的に説明できるようになり、それでもわからないことは心霊、怪奇に結びつける現代に於いては、もうキュートでファニーな妖怪は生まれない。
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大学の生協でうろうろしてたら発見!
即購入!帰りに読破!
妖怪のこういう本はなかなかないです。
嬉しかったーそしてっ楽しかったー
絵が入ってたりしてるのと、情報が確かなところが好き。