右翼と左翼はどうちがう? (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 315
レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309616438

作品紹介・あらすじ

ウヨクとサヨク。命がけで闘い、求めているのはどちらも平和な社会。なのに仲良くできないのはなぜ?両方の活動を経験した著者が、学校では教わらない右翼・左翼のテロ、革命の歴史や現状をとことんかみ砕く。現役活動家6人への取材も収録。中学生以上、大人まで。

感想・レビュー・書評

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  • 左とか右とか、
    本当はどうでもよいのではないのか?

    ようは、自分でものを考えられるか、どうか。
    意見を持って言えるか、どうか。
    だと思う。

  •  ざっくりと右翼と左翼のイメージをつかむにはよい入門書と思う。
     作家本人の体験談も織り込まれていて、読みやすい。


    右翼と左翼
    ・天皇制
    右:大事に思っている
    左:廃止すべし

    ・戦争
    右:日本は被害者
    左:日本は加害者

    ・9条
    右:廃止して、自国軍をもつべき
    左:反戦

    ・共産主義
    右:資本主義のほうがマシ
    左:共産革命を

    <右翼>
    日本は戦争の被害者だ→アメリカは敵・資本主義も敵
    だが、その後「親米右翼」として復活。
    理由は、冷戦時代で、左翼の台頭で政府が革命を恐れたため。

    <左翼>
    3つの潮流
    ・アナキズム
    ・党を重視する共産党
    ・労働者、農民の現場を重視する社会党

     幸徳秋水の大逆事件でやや低迷→戦後、アメリカによる共産党解放→ソ連への幻滅から新左翼の登場:日米安保に反対し過激な行動に出る→ベトナム反戦運動で華やかに・赤軍の登場、内部闘争の激化(内ゲバなど)→世間どんびき→ソ連崩壊→再び下火、しかし、弱者救済、エコロジーなど間口が広くなる

  • 過激はエスカレートし、さらなる過激を生む。主義や主張が何のためにあるのかということが置き去りにされ、過激であることを求める性向があるのではないか。

    赤軍などの、過激左翼運動が分かりやすい解説で描かれている。筆者の視点も、客観的な部分と、主観が強い部分を行ったり来たりする感はあるが、わかりやすさという点では評価できる作品だ。

    後半は6人の左翼、右翼の思想活動家たちのインタビューが収録される。右翼にしろ、左翼にしろ、考え方や立場は異なれど、世の中のことを、真剣に考えている人たちなのだ、というのがそれぞれの組織に所属した経験を持つ筆者の基本的な考え方であり、腑に落ちる。

  •  一読して,この手の本としては,良くまとまっているなと思いました。
     私自身は,左翼的な考え方の本を追っかけてきたので,自分の思想的な立場も,そちらのほうです。が,一水会の本も読んだことがあるし,統一戦線を組める問題は,組んだ方がいいという中道的考え方も持っています。
     さて,著者の女性は,右翼にも左翼にも関わったことがある人です。彼女は,『ゴーマニズム宣言』に影響されて,右翼と接触を持つようになったといいます。おそらく,たくさんの若者が,『ゴーマニズム』だけを読んで,保守的な思想を作っているんじゃないかと思います(違っていたらごめんなさい)。また,右翼の集会へ行ったら,とても分かりやすい言葉で話していたけど,左翼の集会は,難しい言葉ばかりで,私の来る場所ではないと思ったとかも書いています。確かに,右翼の言っていることはわかりやすいですよねえ。「伝統を守れ」「私たちのために亡くなっていった英霊に手を合わせよう」ですから。

     現実の矛盾を,そのまま「仕方ない」と肯定するのではなく,「なんとか,自分にできることはないのか…」と考える時に,行動の指針が必要になってきます。そのとき,どんな運動をして,社会に働きかけていくのか。フクシマ以来の原発反対デモなどでは,新しい形の(従来の右翼・左翼に支配されない)運動形態が生まれてきているような気もします。
     右翼・左翼という言葉よりも,自分の意見をしっかりもって,社会を見ていくことが大切です。そのときに,人の意見にもちゃんと耳をかたむけることです。靖国神社に参拝するのはなぜか,靖国神社参拝に反対するのはなぜか。相手も「善意」で動いているはずなので,まずは,その善意をじっくり聞いてあげる。その上で,自分の意見をしっかり伝える。そんなことが大切なんだと思いました。
     14歳が読んだら,どんな感想を持つのかなあ。知りたいものです。
     

  •  現在活動中の右派・左派各3名の方にインタビューをしている。それぞれの立場の人がちゃんと立脚するところがあって活動をしているというのがわかりやすくていい。

     雨宮処凛本人に対する評価はもっと詳しく関わっている方にお任せするとして、本文に書いてある通り、この本はあくまでも<知るためのイントロ>です。14歳が(そして筆者のような無学なおっさんが)右翼や左翼のことに興味を持ったときに、どっちにも進めるように細心の注意を払って書かれているのが非常に好感でした。

     なぜなら、どちらかのイデオロギーに与する(させる)ことが最終的な目的ではなくて、今の日本の現状について把握して、日本国民各自がそれぞれなりに考えることが目的だからです。

     お読みいただければわかるけれども、少なくともどっちが正しくてどっちが間違っている、という問題ではないのです。ただ、自分の実感に近いアプローチの仕方をしていくしかないというのがわかるわけです。

     結論。まぁ、怖くないから読んでご覧なさい。

  • 若い頃にこれを読んだら「ここが違う」「あそこはでたらめ」と批判しまくったろうが、オッサンになった今、「こういう切り口もありかな」とは思う。雨宮は「右翼出身」と言うことを売りにしているようにも読めるが彼女は「反米右翼」という現代右翼のなかではかなり「特殊な立場」だった故にこのような著書を上梓できたのだろう。
    この本に書かれている「反米右翼」は日本の現代右翼の主流ではないし、その主流が「親米右翼」「新自由主義のポチ」という現状と彼女が描く右翼には絶望的な乖離がある。其の点だけは補足しておきたい。

  • 実際の右翼左翼活動家のインタビューがよかった

  • 市原中央図書館でレンタル

    常日頃から、国粋右翼を名乗っておきながら右翼・左翼などの思想の概要についていまいちよくわかっていなかった私。
    あからさまに易しい入門書的なオーラが出ていたので、借りてみました。両者の概要もよくわかり、自分の思想がどうやら「新右翼」に近いということが分かり、満足です。

  • 文字通り
    「右も左もわからない」まま大人になった僕ですが

    雨宮さんの説明はとっても分かりやすかった。

  • この本を14歳向けのシリーズに出したことがまず凄いなあと。

    右翼も左翼もことばでは知っていて、どちらに寄ってもよくないと言われるけれど、でも実はちゃんと意味を教えてもらったことってないし、今の自分も知らないなあと思い、読むことに。

    右翼の人も左翼の人も国や自衛隊、天皇、領土など普通の人なら「避けて通りたい、立場を表明したくない」話題についてしっかりと自分の意見を述べているのが印象的で、自分が恥ずかしくなる本でした。

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著者プロフィール

作家・活動家。1975年北海道生まれ。愛国パンクバンドなどを経て、自伝的エッセイ『生き地獄天国』で作家デビュー。2007年『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。格差・貧困問題に取り組み、生きづらさや自己責任論に対抗する発言・執筆活動を続ける。反貧困ネットワーク世話人、週刊金曜日編集委員。共著に『1995年 未了の問題圏』(大月書店、2008年)。

「2019年 『この国の不寛容の果てに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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