- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309616728
作品紹介・あらすじ
3.11で何が問われ、何を学ぶべきか。今とこれからの生き方を考えるために-。豪華教授陣による全9教科、紙上特別授業。
感想・レビュー・書評
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「3.11で何が問われ、何を学ぶべきか。
今とこれからの生き方を考えるためにーー。」
国語・歴史・倫理・地理・政治・理科・経済・保健・課外授業という項目に分かれていて、それぞれ専門家が3.11について、これからについて書いている。
「14歳の世渡り術」というシリーズの番外編のような立ち位置で出版されたもののようで、対象は「中学生以上、大人まで。」とある通り、子供にも大人にも分かりやすい言葉で書かれていた。
この中で印象的だったのは、あさのあつこさんの国語と鎌田浩毅さんの地理、田中優さんの課外授業。
◆あさのあつこさん 国語
・人生の辛いことを乗り越えていくためには、自分を表現できる手段を確保しておくのが大事
・現実ではない何か別のことを書いてみるのは、眼に見えている、今自分に迫っている困難や苦しみから一時的に避難することにもなるし、そこから先を見通すことにもつながる
◆鎌田浩毅さん 地理
分かりやすい図解入りで日本の成り立ちや地震のメカニズム、3.11の余震、過去の地震、活火山について説明されていてとてもよかった。これを読んで2030年代までに南海トラフでほぼ確実に起こるという「西日本大震災」への危機意識を高められただけでも、この本を読んだ価値が大いにあると思う。
そして先日読んだ東海・東南海・南海地震をモチーフにした高嶋哲夫さんの「TSUNAMI」がより現実的に想起されて恐い…
◆田中優さん 課外授業・ボランティア
被災地でのエピソードを色々挙げながら、ボランティアというのは、緊急支援の時期を過ぎれば「してあげる」ではなくて、被災者自身でやろうとすることの手伝いをすること、と説明していたのが納得感があった。
3.11から10年。
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〖本から〗
「人間の弱さは、それを知っている人たちよりは、それを知らない人たちにおいて、ずっとよく現れている」
巨大地震の起きる時期について、(略)地震学者たちは西暦2030年代には起きると予測しています。
2030年代に予想されている巨大地震は、三連動地震に震源域が二つ加わった「五連動地震」となる恐れが出てきました。この場合には、震源域の全長は七〇0キロメートルに達し、(略)東日本大震災に匹敵するM9クラスの巨大地震が、次は西日本で起きる
「災いは短く、恵みは長い」というのが、火山から受け取る大事なメッセージです。 -
「知ることは、生き延びること、14歳の世渡り術」シリーズの一冊。私の勤務する自治体の中学生向けの推薦図書。
今、「安全教育」の為の図書リストを作成中で、そに中の1冊。
章は教科毎になっており、著名人が各章を執筆している。国語はあさのあつこ、歴史は池澤夏樹、倫理は鷲田清一、保健は斎藤環など。
東日本大震災に端を発して、または東日本日本大震災に関わった経験を基に書かれているが、人間としての考え方生き方が書かれ一般化普遍化されたものになっている。
私は、鷲田清一の現代人が「存在の値踏み」をされる世に中、「自分がここにいる理由、自分がここにいて良い理由を問わなければならない社会がなんとも寂しい」の言葉を実感するとともに共感した。
それから、最相葉月の本が好きで読んでいるので、著書を例に出しての理科の話も面白かった。
最終章の課外授業の田中優のボランティアの心得が、先の鷲田の話とより一層考えさせられて良かった。 -
各教科ごとにその分野に詳しい方々が、3.11という大震災をその分野ごとに解説する。何が問われ、何を学び、これからどう生きていくのか、考えるヒントを与えてくれる。14歳の世渡り術シリーズの一冊なので、中高生向けで読みやすく、優しいけど深い内容。大人も読んで理解を深めると良いと思う。読んで初めて知った現実もあるし、どの教科にも必ず響く言葉があると思う。西日本大震災の予見、支えあいながら自立して生きる大切さ、ボランティアから見えてくること、3.11を通して見えてくる社会のしくみについて、特に興味深かった。
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個人的に、鷲田さんのページが非常に興味深かった。
経済成長に対し、自分と同じような考え方を持っていたからだ。
これまで私は、自分の思う経済成長は机上の空論であり世間では相手にされない綺麗事なのだと認識していた。
しかし、れっきとした学者が似たような考えを持っていると知り、とても励まされた。
これまで鷲田さんのことを存じ上げていなかったが、
これを機に他の著書も読んでみようと思う。 -
各分野の専門家から捉えた3.11は物事の多面的な見方、多角的な考え方を教えてくれます。14歳向けなので、専門的な用語で語るというよりとその人自身の3.11に、研究してきた学術をつけ加えて、これからどう生きていくのかというヒントや勇気を与えてくれます。人間は忘れる生き物だと誰もがいいますが、忘れることができることは良いことでもあります。ただ忘れていいことと、忘れてはいけないことをしっかりの理解して、忘れそうになった時にお互いに忘れないような心がけ、工夫をしていくことがより良い生き、より良い社会をつくっていくことに繋がっていくのだと思います。
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少しずつ薄れてきているからこそ読む、3.11の本。
今読んでも、全然まだ通用する。
もう一度、胸に刻み、そしてまた日常に戻る。
図書館で借りた本。 -
{作品紹介]
3.11で何が問われ、何を学ぶべきか。
今とこれからの生き方を考えるために。
3.11で起きた事実や考えを9教科に分けて書かれており、分かりやすい。10年かそれ以上経った時にまた同じ著者の方々や視点から書いて欲しい。 -
「子どもを本好きにする10の秘訣」>「命・生き方」で紹介された本。
著者プロフィール
あさのあつこの作品





