学校では教えてくれない 人生を変える音楽 (14歳の世渡り術)
- 河出書房新社 (2013年5月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309616797
感想・レビュー・書評
-
【14歳の世渡り術シリーズ】の一冊。
「自分だけの音楽」を、著名人26名が語ってくれています。
どの年齢でどの音楽に出会い、どう感じたかなんて個別の体験以外の何者でもないのに、それを薦められるってどうよ、と侮っていると失敗します。
その個別の体験が結構な訴求力を持っていて、読むと面白いのですよ。
あまり知らない著者さんでも、その文章に共感して、その方の作品を読んでみようという気にさえなります。
残念ながらお薦めされた曲を検索してもヒットしないものもあり、よって☆4つです。
以上、ですます体終わり。
男子はBOOWY、女子はREBECCAという頃があって、私もずいぶんLIVEに行きまくった。
(若い人にそれを話すとそもそもREBECCAを誰一人知らない。
でもそれで良いのだと思う。
彼ら・彼女たちの音楽をこちらも知らないのだし、私の心の中では今も
REBECCAは不変なのだから)
そんなわけで、山田ズーニーさんの「骨になれ、音に身投げしろ!」にはとても共感した。
町田康さんには笑わせられた。あの方、パンクロッカーさんだったのね。
高嶋ちさ子さん、辛酸なめ子さん、浦沢直樹さん、音楽とは程遠い印象の角田光代さんもとても良かった。
彼女の文章を読んで、私もブルーハーツが大好きだったことを思い出した。
ああ、もう一度聞いてみようと、真剣にそう思った。
あの頃の自分が少しは持っていた自分自身とこの世への懐疑心や不安感を、おさらいしてみようと。
ファンの多い雨宮処凛さんの推す【PUZZLE】という曲は中原中也の詩に似ていることを発見し、近藤良平さんの推す【チャン・チャン】では「あー!同じ同じ!」と大喜びしてしまい、【毎晩、毎晩、あの曲を求めて、ひたすら待っていた。】という今日マチ子さんの一行には、キュンとやられてしまった。
音楽の好みは人それぞれだし、紹介された音楽が必ずしも読み手の心に響くわけではない。
それでも、好きな音楽に向かい合うときの気持ちには誰しも深く頷けるのではないだろうか。 -
「14歳の世渡り術」シリーズの1冊で、各界の著名人26人が“自分の人生を変えた音楽(名曲または名盤)”について綴ったオムニバス・エッセイ集だ。
「教科書には載らないけど、絶対にこれは聴いておけという音楽」が選定基準なのだそうで、企画がいいと思う。
26人の執筆者の中には作曲家や演奏家もいるが、教科書的な無味乾燥には陥っておらず、思いっきり「自分語り」な内容になっている。
内容は、玉石混交。箸にも棒にもかからない駄文もあれば、筆者の思いがほとばしる名文もある。
このシリーズの主要対象読者は中・高生なのだろうが、どの筆者もことさら言葉を平易にしたりはしていない。そこが好ましいし、だからこそ大人が読んでも面白い本になっている。
だいたい、10代中盤というのは全身全霊を傾けて大人ぶりたい年頃なのだから、ヘンに子供扱いする書き方をされたら反発するに違いないのだ。
26編のうち、私がとくに気に入った文章を挙げておく。
山田ズーニー「骨になれ、音に身投げしろ!」
――若いうちはどんどんライヴに行け。ライヴでアーティストに対して自分をさらけ出せ、とアジる熱い文章。
町田康「音と意味の合一」
――パンクロッカーでもあった町田が、河内音頭系歌謡曲にみなぎるパンク性を称揚している。「河内十人斬り」事件を題材にした町田の代表作『告白』が、幼少期から聴いて血肉化した河内音頭から生まれたことがわかる。
高嶋ちさ子「自分の道を歩く」
――人気ヴァイオリニストの高嶋は文章もうまい。子どものころ女だてらにガキ大将であった彼女が、ヴァイオリンを習い始めたころにガキ大将仲間に言われたという言葉(「お前、ジャイアンのくせにしずかちゃんみたいなことやってんじゃねーよ」)がサイコー。
浦沢直樹「膝を抱えて25分間聴く音楽」
――当代きっての人気マンガ家が挙げる「人生の1枚」は、マイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』。セレクトの意外性もさることながら、次の一節にシビレた。
《「この音楽、俺のストライクですよ」みたいな言葉をよく聞く。でもそのストライクゾーンって、真ん中にミットを構えてそこに入ってきた球を取っているだけではないのか。音楽にかぎらず、小説、映画、漫画すべてに言えることだが、悪球を全力で取りにいくことである日その悪球すら自分のストライクにした時、初めてその面白さに気づくというもの。》
池谷裕二「あまりに美しいドビュッシーの透明な和音」
――脳科学者の池谷さんは、音楽(クラシック)にもたいへん造詣が深い。音楽についての文章だけを集めたエッセイ集を出したらよいと思う。
ちなみに、私自身が「人生を変えた1枚」を挙げるとしたら、ストラングラーズの『ブラック・アンド・ホワイト』かなあ。 -
見た目とタイトルは少し安っぽい気がするけど、中身がとっても良かった。
音楽を語るとは、について考えさせられた。
知識や理論をつかったレビューが良いとつい思ってしまうけど、
こういう個人的な話のほうが、根拠がなくてもグッとくる。 -
4〜5
-
14歳の世渡り術シリーズ。
各界の26人が、それぞれ自分の人生を変えた楽曲やアルバムを、エピソードやメッセージと共に紹介。
伝えるターゲットは14歳・・という前提で語られています。
楽曲のジャンルは偏ることなく様々。クラッシックあり、ロックあり。
楽曲を紹介する筆者も、各界多方面にわたっていてバランス良かった。
それぞれ紹介されている音楽を、(可能な限り)聴きながら読んでみました。
紹介されていた楽曲。紹介者と楽曲との出合いエピソード。紹介者自身。・・と、いろんな角度から楽しめました。
ピースの又吉の文章表現が綺麗だったのに驚く。
桜井進氏の数学と音楽の出合いが素敵。
伊福部昭 作曲の「ゴジラ」、最後まで聞き、今更ながらに凄い曲だと感動。
AKIRA氏の「PUZZLE」、素敵な曲と出合えた。
などなど
読者ターゲットは、思春期真っ只中、青春の入口、14歳!・・ですが、大人も、あの頃の純粋な感受性が呼び覚まされ、何らかの感動や新しい出合いがもらえる本だと思います。
現在14歳、かつて14歳だった全ての方にお勧めの一冊。 -
「14歳の世渡り術」シリーズ。たまたま目について読んでみた。ついクラシック曲のところ優先で読んでしまったけど、どの執筆者の文章にも、心揺さぶる「何か」を感じた。こういう本を14歳の息子・娘と読んで言葉を交わすのは、とても楽しいだろうなぁと思った。
-
私のような成人であれば本書をよんで昔を思い出すことができる素敵な本である。あの時私の心を掴んだあの歌は今はもう昔のそれではないけれど、あのときはいきる上での呼吸のように必要不可欠であったというどなたかの記述に心動かされた。ありがたい!
コメントありがとうございます!
うはは、ワタクシとは思えませんでしたか。
夕べさっくり読んで、今朝出かけ...
コメントありがとうございます!
うはは、ワタクシとは思えませんでしたか。
夕べさっくり読んで、今朝出かける前に載せたレビューです。
読み返してみて自分でも「何コレ」でしたが、笑えるのでこのままにします(笑)
わぁお、vilureefさんもREBECCAをご存知なのですね?!
とってもとっても嬉しいです。カラオケでも良く歌いますよ!
角田さんのことは、ただイメージだけでこう書きましたので、
どうぞ気分を害さないでくださいね。
いやぁ、音楽好きな方とはまことに意外です。
ジミーペイジをタイトルに?!
満へぇ~ですね(古い!)ちょっと認識を改めました。
ハイロウズよりも、ブルーハーツがいいですね。
今聞いても色あせないものがありましたよ。
今日すでに車の中で聞いてきました。
【いつの間に世間と折り合いをつけるようになってしまったんでしょう】
それは、折り合いを付けられるところを見つけた賢さの証拠でしょう。
自分らしさなんてものの幻想のために、周りに迷惑をかけるよりは
よほどマシです。
なんて・・・このコメントもまだまだ青いですねぇ(笑)。
76th Starとかボトムラインとか、聞くだけで10代の頃にタイムスリップですよ(≧∇≦)
nejidonさんは...
76th Starとかボトムラインとか、聞くだけで10代の頃にタイムスリップですよ(≧∇≦)
nejidonさんはカラオケで歌っちゃうんですか!!
すごいです、レベッカの曲息切れしそう・・・
楽しそうですね♪
角田さん苦手なnejidonさんですが「予定日はジミーペイジ」、とってもオススメです。
ぶっ飛んでいるけど切なくて。
ロック全開ですよ(^_-)
わぁお、具合的に出てきましたね~!いいないいな。
はい、カラオケでは定番のREBECCAですよ。
たぶん...
わぁお、具合的に出てきましたね~!いいないいな。
はい、カラオケでは定番のREBECCAですよ。
たぶん、ほとんど歌えると思います。
お恥ずかしいことに、私は立たないと歌えないのです。
しかも、トリの曲は毎回「天城越え」なのです。
なんだかすごい選曲ですよねぇ(笑)
角田さんのこと、よく知りもしないで本当にごめんなさいね。
【ぶっ飛んでいるけど切なくて。
ロック全開ですよ(^_-)】
おお、そうなんですか?!
ぶっ飛んでて切ないのはまさにロックですね。
ではでは、読みたい本リストに入れさせていただきます!