- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309616834
感想・レビュー・書評
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10代の頃は今よりも、偽善と言うキーワードにフラグが立っていた気がする。学校で見た道徳動画教材に対する感想は、みんな教科書通りのことを言っていたが、そんなことはできるはずがないと、全員が全員思っていたに違いない。私は感想で、そんな様子を偽善と批判した記憶がある。
偽善は、自分には裏があると理解した上で良いことをする。(本当は嫌だけど電車で席を譲る)それは裏がないと思って良いことをするより、正直で、謙虚。また、裏があるから良いことはしない、とするより社会にちょっとだけ役立っている。
それを理解した上で、10代の頃に感じた違和感と比較してみるが、うまく差を抽出できない。
・本当の気持ち
席に座っていたい
道徳なんてクソ
・良いことをする理由
電車の周りの人からの目線
先生に納得してもらうため
・役立っていること
必要な人が座る
先生の、教育の目的達成感??
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偽善って悪いこと?
倫理学と社会学を通して、中学生目線で考える『偽善』。
まあ偽善者と言われて喜ぶ人はほとんどいないでしょう。特に若者ほど嫌う傾向があるような気がします。
でも、そもそも偽善って何なんでしょうね。辞書によれば、「うわべだけ善人のようにみせかけること」「見せかけだけの善行」となっているそうです。が、一般によく言う『偽善者』は、ちょっと意味合いが違うような気がします。気に食わない相手を批判するための便利な悪口として使われていると書かれてますが、まさにその通りだと思います。主にやっかみ要素が強いような。できない(やらない)人がやった人に文句を言う…これっておかしくないですか?それが受けた人にっとって助けになっているのであれば、動機がどうあれ善じゃないんですかね。感謝されたら嬉しいという気持ちも持っちゃダメなんですかね。ちなみに『善人』も辞書で引いてみたところ、「正しくて良い人」「お人好し」とありました。
本書の後半では、時代によって『偽善』がどう受け止められてきたかを中心として書かれていたのがちょっと物足りなかったです。 -
偽善について、そこまで深く考えたことはなかった。そして、偽善というのは悪だという先入観念はあった。そういえば、就活のときに、就活の結果を良くするためにボランティアしてる人たちを侮蔑の目で見ていたなあとおもいだしたので、自分の中では、偽善は悪だったのだろう。
しかし、この本を読んで、しない善よりもやる偽善、そして、善行に関して、そんな切り詰めて考える必要はないという考えに、感銘を受けた。
確かに、腹の中にどれだけ打算的なことを考えていても、善行を実践しているのだから、相手にとっては、善行をしてもらったという結果は変わらないのである。それならば、腹の中がどうであろうが、善行をした方がいい。これからは、もっと善行について軽く考え、自分が善行を行いたくなったときに、行うことにしよう。 -
すべての人間は偽善者である
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http://naokis.doorblog.jp/archives/to_be_hypocritical.html【書評】『偽善のすすめ: 10代からの倫理学講座』〜善行は気が向いた時だけでいいんじゃないか?
「偽善」の概念は、もともとキリスト教とともに幕末から明治維新のころにかけて入ってきた。
「気が向いたときだけ善行をしよう。偽善者になろう。」 でいいんじゃないか?たとえ何がしかの魂胆があったとしても、偽善は人を救うことがある。よくないのは、自分が正しいという思い込み。自分の意見とは異なる正義を認められないために、他人を攻撃することになる。
<目次>
第1章 偽善って、なんだろう
第2章 偽善の実態を見てみよう
第3章 偽善くん波瀾万丈下積み艱難辛苦編
第4章 偽善くん波瀾万丈成り上がり絶頂編
第5章 偽善くん波瀾万丈暗雲凋落編
第6章 偽善ぐん波乱万丈不死鳥編ー偽善者になろう
2015.02.05 著者のブログ「反社会学講座ブログ」より。
2015.03.15 読書開始
2015.03.17 読了 -
自分は24時間テレビを「障害を持つ方を見世物にして、同情を募り、募金意欲を煽る狡猾なコンテンツである、偽善である」と信じていた人間だが、何の募金もせず、ただ偽善を紛糾していた自分はやはり違うのかなと今は感じる。そして”偽善”を悪だと考えすぎていたように思う。偽善でもしないよりマシ、ただし過度の偽善はよくない、ここに集約されていると思う。
自分の24時間テレビに対する批判も偽善は悪であるという面では認識を改めないとならないが、やりすぎという面に引っかかっていたのであればこれは正しい紛糾なのかなとも感じた。 -
結論としては平凡だけど、偽善に対するスタンスのマッピングは新しくて面白い。
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興味深く読みました。
「偽善」の考察が丁寧に紹介されています。
「しない善よりする偽善」には同意します。
行動の結果が誰かの役に立つなら、それは為したほうがいいと思います。
さくさく読める内容でした。 -
「愛は地球を救えないかもしれないが、偽善は誰かを救っています」。ほんま、そうですね。
--- 偽善でも、少なくともいいことをやってるなら、それを批判することこそ偽善。善行の動機が売名や気まぐれであったとしても、いいことはいいことなんだし、結果がいいならそれでいい。
むしろ、純粋な善意に満ちた迷惑な行為のほうが余程たちが悪いんじゃないか。
人間はもともと無理して善行するようにはできていないんだから、ふだんから思ってもないような善行を気まぐれにやるってのは、自然なことなのだ。---
てなことが、本書の主張です。「偽善」の意味や用法について、時代による変遷などもかいつまんで検証し、巻末に参考文献もついている。
私のような浅学な者には、たいへんお手軽に学べる良い本でありました。14歳で読みたかったなあ -
たとえ売名行為でも、一部の人しか救えなくても、何にもしないよりした方がいいじゃん。完璧な「善」を行える人なんかいないんだから、という著者の主張に大きく頷く。
「偽善」という言葉が日本でどのように使われだしたかを多数の文献にあたって確認したところにも誠意を感じる。
中学生向けで、こんなふざけた感じの装丁でも(これは褒めている。真面目すぎる表紙では中学生が手に取らないから)、内容はしっかりしている上、大変読みやすい。
ある言葉がどうしてできあがったのか、どういう意味でつかわれてきたのか、そして自分はどうとらえるのかを世間の情報を鵜呑みにしないで調べ、そして考えてみると言う姿勢はすごく大事だと思う。
若い人だけでなく、大人にとっても。