夏目漱石、読んじゃえば? (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309616926

感想・レビュー・書評

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  • 文庫も同じマンガ家さんの挿絵だよね?

    夏目漱石、読んじゃえば? :奥泉 光,香日 ゆら|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309616926/

  • 夏目漱石を読むポイントというか、文学作品として堅苦しく考えなくていいんだよーということを教えてくれている本。
    割と漱石以外の小説の読み方にも応用できそうなことを言っていて、興味深く読めた。

    今からでも実践できるけど、高校時代にこの本があったら、かなり読書経験が豊かになったと思う。
    大学時代に夏目漱石の講義で言われたことがこの本を読んで今更ながら腑に落ちた部分があって、個人的に反省。勉強が足りてなかった。

    奥泉さんの解釈の仕方がいちいち面白くて、(坊ちゃんは中二病のコミュ症とか。)
    読んだことのあるものはもう一度読み返したくなったし、読んでないものも気になった。

    夏目漱石に興味が湧く一冊でした。

  • 思いもよらぬ掘り出し物をした。これは良書だ。シリーズ名通り14歳を対象にしているものとするが、全く成人向けいやむしろ五十歳代以降が読むべきだ。
    なぜなら時間と金となにより人間関係がシンプルになっている年代だからこそ夏目漱石を読むべきだから。

    実際草枕を読み返してみたら当時はただ乱読の中に埋もれさせてしまっていたこの歴史的傑作が明確に真の傑作として浮かび上がってきた。

    いや待てよ。この読書体験あらばこその評価であるとすれば当然中高生の難読の中に漱石はやはり必要なのだ。

    物語を追わなくてもいい。最後まで読まなくてもいい。途中から読んでもいい。文章そのものを味わう読み方がある。なるほどと思った。
    特に目から鱗を剥がしてくれたのは、難解な言葉を調べずにその文字の形をこそ味わうという読書法。

    草枕は漱石が思いっきり意図的に難解な言語を、それでも衒学の皮肉を込めて頻用しているという。
    文章の視覚的なデザイン指定まで考慮しているというのだ。草枕を十全に味わうためには旧仮名遣いこそ正しい読み方だと。

    青空文庫を漁ってみても旧仮名遣いの草枕はない。苦労して調べた結果「鶉籠」の復刻版というのが存在することがわかり即購入。

  • 漱石好きの著者による漱石解説本。
    難しい本を、一字一句理解しなくていいんだよ!というアプローチが新鮮だった。
    一枚の絵画を遠くから眺めるように。漢語の持つ雰囲気を楽しむように。
    中学生くらいの子に向けて、ちょっと「厨二心」を刺激するような感じでも書かれているような感じがするけど、正直大人も興味をそそられる。この雰囲気は14歳向けだからなのか、奥泉氏の持ち味なのか?
    漱石も読み返したいけど、奥泉氏の著書も読んでみたくなった。

  •  『14歳の』なので、中学生くらい向け、と言ったところですかね。
     夏目漱石の書籍をより身近に感じてもらうことに重点が置かれているから、書き方も口語で、子どもに向けて話している感じで書かれてます。
     そういう書き方が苦手だと、その時点で読むのが嫌になるかもしれないけれど、でなければ、内容は分かりやすいし、すごくいいと思う。
     正直、私も中学だか高校のころに、「こころ」を読んだけれど(教科書に載ってたような気がする)、はっきり言って全然意味分かんなかったから、そのころにこの本があったらなぁ、と思いました。

  • すっごいおもしろかったー!やっぱり文豪の書いた作品ってとっつきにくい印象があるけど、この本のおかげで漱石作品が身近なものに感じた!改めて坊ちゃんとか読みたいなーと思います。プロの読書家、っていう言葉がいいなあと思いました。漱石作品だけでなく、読書の仕方についても書かれてました。全て読み切らなくても少しでも好きな言葉があったりとか、例えば旧字体がかっこいい!とか、それだけでも読んだことになるし、無理して全ページを読まなくてもいい。っていう考えが良いなあと。この言葉で名作へのハードルが低くなったのでもっとたくさん読みたい!

  • 若年層向けに書かれた夏目漱石の読書指南書……と思ってはいけない。砕けた文章で書かれてはいるが、これ、かなり深いことを書いている。
    例えば『小説が面白く読めるかどうかというのは、君自身にかかっている』。文章を読んで、どれだけのものを受け取って、イマジネーションを膨らませることが出来るのか? 少なくとも筋立てだけを追っていてはこういう読み方は出来ない。伊藤計劃も映画絡みで似たようなことをblogに書いていたが、『自分が読めていないだけかもしれない』ということは念頭に置いた方がいい。
    『細部に拘る』というのはナボコフも書いていたが、基本的に文章を読むというのは細かいことをニヤニヤ笑いながら読むことだ。要するに読書というのは快楽であって、教養をつけようとか人生の役に立てようとか考えて読んでもつまらないでしょう……というのは吉田健一の受け売りだが、ホントそうw 澁澤龍彦だったか生田耕作だったか、『お勉強で本を読む人はいないでしょう』という素晴らしいお言葉もある。

    個人的には漱石だと圧倒的に『夢十夜』が好きだ。長編も面白いけどねぇ(しかし、『こころ』が実はパッとしない……なんて本当のことは(ry)。

  • 小説の楽しみ方の幅が広がる本。
    小説を読むことの敷居を下げてくれた。
    例えば、「全部読む」が一番大切なことではない。「ストーリー至上主義」を捨てる。
    小説は「アート」だと思うといい。
    もちろん、その小説の特徴によるが、複数の読み方を持っておくことで作品をより豊かに楽しめることは確かだ。
    夏目漱石に関わらず、小説の楽しみ方の幅が広がる良本。

  • 最近夏目漱石の本に興味が湧いてきたが、何から読んだらいいのかわからないので、本書に手を伸ばした。14歳に向けた本ということでかなり噛み砕いて口語調で説明されているので、軽くすらすら読める。

    本は読者が自分で面白がるものであること、物語ではなく絵画を鑑賞するように字面を楽しむこと。夏目漱石の本だけでなく、どんな本を読むときにも当てはまる心がけだといえるだろう。いままで本を読むときは初めから終わりまできっちり読まないと読んだことにならないと思っていたが、こんな風に自由に楽しむ方法を知って、本へのハードルが下がった。

    また、一見明るく描かれているように見える『坊っちゃん』や『吾輩は猫である』にも根底に孤独さが描かれていると知り、そういうところに目を向けて今度読み直してみたいと思った。

    夏目漱石の作品の基本情報や読み方を知ることができ、とても満足した。一つ減点するとすれば、フルートのくだりが少しくどいということ。

  • 漱石の小説の読み方が分かる。
    物語として読むではなく、文章の美しさに目を向けるというのは、納得。

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著者プロフィール

1956年山形県生まれ。1986年に『地の鳥 天の魚群』でデビュー。1993年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞、1994年『石の来歴』で芥川賞、2009年『神器』で野間文芸賞を受賞。

「2022年 『この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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