- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309617152
感想・レビュー・書評
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死から生をかんがえる。
元々「死ぬ」ということに興味が強い私。
10代向けの棚に置いてあったが、勝手に手が伸びた。
読み進めるにつれて、上野先生の経験談にどんどん引き込まれていく。
90歳の著者が語る戦争体験や子ども時代の話は、現在30代の私にとって刺激的なものばかりだ。
監察医という職業も恥ずかしながら初めて知った。
東京大阪名古屋などの都市圏にしか存在しない希少なお医者さんということも。
だーーーっと一気に読んだ。
人にはいろんな死に方がある。
病死、変死、老衰、、いろいろだ。
わたしはどれになるんだろう?
上野先生が診てこられた様々な事件、事故。
読んでいるのも辛い例もあった。
しかし、そういった、なるべく関わりたくないような案件であっても、その人の死に向き合い、事実を正確に把握することの大切さ。それを勉強させてもらった。
この人の世の中で皆が平等に命の尊厳を持ち、生きていくために明らかにするべきことなのだ。
私はすぐ感情移入して泣くことが多いので、次々に現場で遺体やその遺族と関わる仕事なんて、考えられない。
上野先生は生きている人も死んでいる人とも、徹底的に向き合う信念をもった、強い人だなと思った。
人はいつどんな形で命が絶えるか分からない。
当たり前だけど、そうなんだ。
1歳の息子がいつか大きくなったら、この本をおすすめしたいな。
私はもっと早くこの本と出会えたら人生変わっていたかなと思う。いや、30代の今だから沁みるのか?
とにかく、読んでみて本当に良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2階書架 : W 700/UEN : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167628
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2023.11.11 朝活読書サロンで紹介を受ける。
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ティーンエイジャーに向けて書かれたものですが、成人にも刺さる素晴らしい内容でした。著者の仕事にからめて、人が死ぬとは生きるとはどういうことか、率直かつ平易な言葉で書かれています。
特に、第四章「人が死ぬということ」は必読。いじめによる自殺に触れ、「いじめは狭い井戸の中にいるからこそ起こる。世界はもっと広い。世の中に善意のある人々はたくさんいる。あきらめてはいけない。ひたすらに生きてほしい」と強く訴えている。本当にこの話は教科書に載せてほしいほど素晴らしい章だと思う。
第五章では、著者の人生や家族、死生観について語っている。人の死に数多く触れ「死とはnothingだと思う」という死生観を持っていた著者が、実際のご家族の死(ペットの死)を経験して「あの世に行ったら私の親を訪ねていきなさい」と自然に心に浮かんでき他というくだりは興味深い。たえず死と生を考える仕事をしていた著者でも、自分の身に起きた家族の死によって180度、その考え方を変えた。実際に経験してみなければわからないことはやはりあるのだなと思った。
若い頃に読んでいればきっと励まされ指針になったと思う。終始、子どもたちに向け、自分の人生で感じたことを誠実に暖かい目線で語っている。正しいことを語ったり成すことが難しい今、若い人には特に読んでもらいたい。著者に励まされ見守られているかのように元気づけられる、とてもいい本だ。 -
死体を見る仕事と言うと、何か変な偏見を持っていた自分であるが、その人の人生 心情などを汲み取り、心から祈ってくれる人であると言うことがわかり、感動しました
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監察医の著者がYA向けに書いたもの。見るのが辛かったご遺体、監察医の仕事についてなど。
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上野先生の文章を通して、強く、優しく、穏やかな方であることが知れます。厳しい環境の中、常に社会の役に立っていようとするご両親の背中をみて、ご自身もそう生きてこられたことが知れます。
先生の体験されたたくさんの出来事のほんの一部を通して、私も正しく、強く生きることの尊さを改めて考えました。お金では買えないものを守らないといけないと。
世の中には、たくさん死にたいや死ねなどの言葉を見ます。死は、生です。つらくてしんどい時に、どう生きたいかを考えるようにしようと思いました。
子供の為に購入した本ですが、本当に学び深いものとなりました。
私も人生の折り返しが差し掛かっておりますが、先生のような生き方には及びませんが、恥じないよう、生きたいと思います。