わたしの外国語漂流記: 未知なる言葉と格闘した25人の物語 (14歳の世渡り術)

  • 河出書房新社
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309617213

感想・レビュー・書評

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  • 人生を変えた!わたしの外国語大陸周遊記(仮)(14歳の世渡り術)
    著作者:松村圭一郎
    河出書房新社
    松村圭一郎は、エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを続け、富の所有と分配、開発援助の研究を行っている。
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • ふむ

  • 2020.10.24市立図書館
    さまざまな言葉のある世界を描いた25人の文章をつないだ世界一周アンソロジー。

  • [NDC] 804
    [情報入手先]
    [テーマ] でーれーBOOKS2021/エントリー作品

  • 当町は外国からの移住者が多いので、その方々にサービスを実施する上で何か役に立てばいいな、と思って読みました。
    『知らない言語世界に移住する上で、言語は灯りのように人を温め、今いる場所を示し、進む道を照らしてくれるものである』という一文が印象深い本です。

    (日高町T)

  • 25人の著者が約20ヵ国・約20言語にまつわる経験や考えなどつづったエッセイ集。
    岡山県にある絵本と暮らしの本を揃えた「スロウな本屋」のWEBサイトの紹介を見て,手に取りました。

    「14歳の世渡り術」というシリーズのため,対象年齢が中学生くらいで文章はライトめですが,初っ端から丸山ゴンザレスが載っていてパンチも効いています。
    「プナン語には東西南北といった方位の概念がない」という衝撃の事実や,「ひとりで風に吹かれながら歩いて,頭を整理する」を意味するオランダ語Uitwaaien(アウトワーイエン)や,「犬の声が聞こえるほどの距離(約10km)」を意味するサーミ語beanatgullan(ベアナフクッラン)などの状況や環境を表すユニークな語彙について書かれた箇所を読めば,「語学は世界を広げるよ」とざっくり勧められるより,ずっと勉強してみたくなる気がします。
    もちろん,感じのいいことばかりではなく,苦労話や言語の奪取,方言の消滅や差別などについて言及している著者もいます。母国語ではない言語を学び話すことは,異なる文化や価値観を自分の中に取り込むことであり,そのようなネガティヴな部分を知り,引き受けることでもあるのだろうと考えました。

    英語の勉強を挫折し続けているので,モチベーションアップにつなげたく読んでみましたが,「近道はない」「目標設定すべき」「身体で覚える」「自分にとって身近もしくは興味のある分野の単語から覚えるよう工夫する」などの語学学習に関する決まり文句がそのまま出てくるので,やっぱりこれが王道だよねと思い知ったり。
    この感想を書いている現在は新型コロナウイルスの影響で海外への渡航は難しい状況ですが,今はオンラインで世界中のひとたちと交流できる時代ですし,いつか海外へ行く日に向けてまた勉強を再開してみようかな(どうなることやら)。

  • 25人の人生のチャレンジャーの方たちが、自身が取っ組み合った言語を語る。
    冒頭から、命のやり取り。いずれの人もパワフルで、今まで読んだ外国語エッセイとは一線を画していた。

    ジャーナリスト、翻訳家、シェフ、スポーツ選手、旅コーディネーター、など。
    なかでも、言語学者と文化人類学者のフットワークが軽い。フィールドワークが、研究を支えているのか。

    身体的感覚と現地の言葉が重なったときに、言語が身についていく。
    学ぼうとする言語の背景にある文化や習慣を知ることで、覚えやすくなる。

    知りたい・伝えたい・触れたいという欲望(夢では、生温い)が熱い。

    日本の方言が絶滅寸前。この本を読んできて、その土地のその言語でしか言い表せないものもあることが分かった。方言を、失ってはいけない。

  • 英語・プナン語、ロシア語、サーミ語…。体当たりでそれらの言語を習得した人たちの記録です。言語を勉強中の人、ちょっと疲れちゃった人、違う世界を知りたい人! 先輩方の世界を少しだけのぞいてみませんか?
    (YA担当/95line)

  • 河出書房新社の「14歳の世渡り術」というシリーズで、中学生を開かれた場所に連れていってくれるような本です。ですが、若手の社会人の心にも響くと思いました。なぜなら二、三十代になって新しい外国語に出会い、学んでいる方も数多くいらっしゃるからです。職業は翻訳家や言語学者をはじめ、料理人やウルトラランナー、牧師など。勉強法も十人十色でした。長い在宅期間を楽しむひとつの方法として、他言語を学び、複数の世界観を自分の中に獲得するのもいいかもしれません。

    p39
    アムハラ語を話すと、自分の性格まで変わる感じがする。それは、たくさんのエチオピア人との言葉を介してやりとりした動きやリズムが体に刻まれているからだ。土地の言葉を発するとき、そこで生きてきた人たちの息づかいが私の体をとおして再現される。
    異なる言語を学ぶおもしろさは、別の自分と出会えることにある。心と体は一つの固定したものではない。複数の言葉を話すことで、ぼくらはいろんな体を出入りすることができるのだ。

    p43
    私達は「伝えたい思い」を相手に届けるために、言語を学ぶのです。

    「伝えたい」という気持ちは、自分で学び、温め、育てることが肝要です。

    p45
    例えば、皆さんの多くは、現在学校で英語を学んでいると思いますが、全世界で英語を話す人は現在およそ十五億人いると言われています。そのうち、母語として英語を使う人はわずか二〇パーセント強です。つまり、母語としてではなく「共通語」としての英語の役割がとても大きいのです。例えば、英語で書かれたものが読めると、あなたの情報源は格段に広くなります。また、英語で発信することで、より多くの人にあなたの考えや思いを伝えることができます。

    p47
    オランダの海辺の街に住んでいた頃、ある友人が自分の気に入りの散歩道を案内してくれました。それは、海辺の砂丘の中の、うつくしい遊歩道でした。その時彼女は「ひとりで風に吹かれながらここを歩いて頭を整理したりするんだ」と言ったのですが、それはオランダ語ではたった一つの単語“Uitwaaien”で表現することができるのです。他の言語には端的に翻訳し得ないらなんとも深みのある言葉です。

    このように、言葉と文化は密接に結びついていて互いに不可分です。言語を学ぶことは、そんな複数の世界観を、自分の中に獲得することです。


    p77
    スペイン語の母音は日本語と同じa、e、i、o、uの五つで、発音がしやすいのは有り難かった。

    p101
    私の血となり肉となったと言えるのは、アメリカの言語学の教授であるRobert Day氏の書いた『Scientific English』という本だ。これは、シンプルでわかりやすい化学論文の英文の書き方を解説した本で、「過去形(was)と過去分詞形(has been)は意味が同じだから、語数の少ない過去形のほうがいい」とか、「名詞と動詞(たとえばinvestigationとinvestigate)だったら、動詞のほうが文字数が少ないぶん偉い」とか、受験英語が染みついた私には衝撃的な内容が多数含まれていた。

    p102
    最近強く感じるのだけど、英語という言語には、できる限り簡潔に話され、簡潔に書かれなければならないという強い圧力がかかっている。科学雑誌の投稿規定を読むと、英文ははっきりと(clear)、簡潔(concise)に書きなさいと強調されているし、パソコンで英文を入力していると、複雑な文句には「もっと簡潔に書けないか」とご丁寧な指摘が自動で入る。これは「世界語」たる英語の宿命なのだろう。非英語圏の人たちにもわかるように、難解な語彙や複雑な構文を避けることが半ば強要されているのである。

    p111
    けれど、人間やれるかやれないかは自分が決めることなのだ。自分に制限を設けてはいけない。人間、生きていく中で様々な壁にぶつかり、悩み、落ち込み、もうダメだと諦める。ダメだと決めているのは自分自身なのだ。もし、あなたが語学の勉強をしていて逃げ出したいような気持ちになったら、次の言葉を思い出して欲しい。

    “Det gar bra.”

    これは「大丈夫。なんとかなるさ」という意味である。何かトラブルや心配事が発生した時にノルウェー人が本当によく使う言葉なのだ。

    p118
    自分たちの暮らす大切な環境を必要以上に傷つけることなく共に生きていくためには、その環境を十分に理解することが欠かせません。そして、そのような理解の結果は言語によって表現され、言語の力を借りて次の世代へと伝えられていきます。ですから、環境に関する知識が詰まった言語が消え去れば、環境と共生するための重要な基盤が消滅することになり、結果的には環境破壊につながる可能性が高いということになります。そのような理由から、「環境を守り、あるいは生き返らせるためには、それぞれの土地に根差した文化と言語を守らなければならない」という主張が国際的にも広く受け入れられるようになっています。

    p199
    どんなに勉強しても、自分の心で話さないと、相手の心に響く言葉が出て来ないんです。だからいつも、色々なことを感じて生きてほしいです。

  • 14歳の世渡りシリーズとのことですが、小学生のお子さんをお持ちの方にもおすすめです。一人数ページほどで簡潔にまとめられており、学者、タレント、料理人、ジャーナリスト、翻訳家等々、様々な職種の方がそれぞれの視点から、各国の言語にまつわるお話を書かれています。地図を広げて、どこの国の話か調べたり、筆者の職業について話し合ったり、親子の会話を広げる一冊になると思います。

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著者プロフィール

松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)
1975年、熊本生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科/岡山大学文学部准教授を務める。専門は文化人類学。
代表作に、2018年毎日出版文化賞受賞作にして、「キノベス!2018」第6位&「紀伊國屋じんぶん大賞2018」第3位となった『うしろめたさの人類学』。ほかの著書として『所有と分配の人類学』、『文化人類学 ブックガイドシリーズ基本の30冊』がある。

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