生きのびるための「失敗」入門 (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309617374

感想・レビュー・書評

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  • 生きのびるための「失敗」入門 (14歳の世渡り術) | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4309617379/

    第626回:愛猫・ぱぴちゃん、18歳7ヶ月で逝く。の巻(雨宮処凛) | マガジン9
    https://maga9.jp/230222-2/

    生きのびるための「失敗」入門 :雨宮 処凛|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309617374/

  • 自分のことのようでもあり、テレビから流れる特番のようでもある。

    現代はカウンセラーが道案内するのかも知れないなと思う部分、昔はお節介なご近所さんや、世話好きな先輩が何かと手を差し伸べた。

    人間関係の希薄は、文章と会話の違いから時として小さな爆発物を孕んでいるよう。
    皆、つまづいたり、転んだり、色々あっていい。
    起き上がるのが辛いと言っていい、そう自分にも優しくいいたくなる本だった。

  • 失敗するのが怖い、乗り越え方がわからない。失敗するくらいなら、何もしない方が傷つかないからマシだ。そう思ったときに出会った本がこの本でした。

    作者の方が、この本を出版しようと思った経緯が、まさに今の私が思っていることだ…!と共感して、同じ思いを持った方がいるんだと嬉しさを感じながら読み進めていました。

    短編集のような、ときにインタビュー形式の形で、様々な職業の「大人」の失敗や、失敗に対する思いを感じることができます。
    この本に出てくる方々のような思い切って失敗をさらけ出せるような自分でいられたら、という理想もありつつ。
    今の自分は、失敗をさらけ出すのはとてもできないよなぁ…と思う私です。
    いろいろな大人のサンプルに心を救われます。

    今後失敗して、気持ちを切り替えられなくなったとき、気持ちに余裕がなくなったときにまた読みたいです。

  • 弱さを見せること苦手なのでもっとやっていきたい

    弱い部分見せてくれる人好きだし

  • 読んでよかった…
    若い頃にこういう話を聞けていたら、もしかしたら、もう少し生きやすかったかもしれないし、何も変化なかったかもしれない。今だから響くということもあるかなと思ったりもした。
    心がキツイときに読むと少し落ち着ける本だと私は思った。

  • 著者の雨宮さんの体験が、いま中学生の娘を育てている真っ最中の私に戒めを与えてくれました。長女のためを思って心配ばかりして色々と求めすぎもしかしてとてつもない重圧をかけてしまってはいないか。母として、手をかけずに目をかけるように関わっていきたいと思えた。たくさんの方へのインタビューには人はそんなにきれいごとばかりでは生きられない、たくさんの失敗はたくさんの成功のもと、失敗しても大丈夫!とこの年でも前向きになれます。

  • 著者がいろいろな人物(作家、元ひきこもりやホームレス、研究者など)へのインタビューを通じ、「失敗」や「弱さ」とは?それらをどうしていけば良いのか?を探っていく本。

    ●ヘルプを求める際のハードルとして、「自分自身が助けられる/生きるに値する人間であるという自己肯定感」と「他人や社会への最低限の信頼感」。貧困やいじめなどは特にこのふたつのハードルを越えるのが難しい。
    ●(コロナ禍含めて)積極的に社会のせいにする。自分ではなく社会の構造などに問題があるのかもしれない。
    ●死なない程度に安心して失敗できる場所があること、優秀な支援者がそれを奪わないことも大事。

    今の日本社会は“レールを外れたらおしまい”“異分子はアウト”などと10代の頃からあちこちで植えつけられる&学校でも会社でも“成果”をとにかく求められるので、“積極的”に失敗する機会がほとんどない・完璧主義な性格の人間ほど“失敗してはいけない”という思い込みがあるのが難しいと感じます(もちろん会社や人に大損害を与えるレベルのものは別ですが……)。

    社会そのものや環境・立場を変えるのはなかなか難しいですが、失敗を引きずることで注意を無駄に使わないこと・学びに変えて未来に注意を向けること(飯野謙次・宇都出雅巳「ミスしない大百科」より)や、本書のインタビュー中にもありますが「失敗したからこういう出会いがあった!」と逆転の発想で捉えてみるのが自分自身でできる事かなと思います。

    「死ぬ気でやれ、死なないから」みたいな言葉は好きではないけれど(実体験として心身が死ぬ寸前の思いをしたので)、ちょっと人間関係で失敗しちゃった、とかでは即人生おしまい/それが延々と続くことはないし、失敗して逃げてもなんとか継ぎ接ぎで生きてる人間もいるよ、失敗したことで生まれる人間関係や気づきなどもあるよ、と10代の子には言いたいです。親や先生、支援者が「失敗しても弱くてもいいんだよ」と伝えて見守っていく環境などを作っていくことも大事かなと思います。

  • 私もたくさん失敗して、その話を子どもに聞かせようと思った

    弱いロボット
    見通しが甘い冒険家

  • 2022 14歳の世渡り術

    ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

    「大人の失敗談」なんだけど、
    「失敗」というのはないんだよなぁ〜
    と、しみじみ思う。

    日本「人に迷惑をかけるな」
    インド「あなたが大人になる過程で多くの人に迷惑をかけているのだから、人の迷惑に寛容になりなさい」


    まさに
    『失敗すればするほど、
    我々は成功に近づいている』エジソン

    「失敗」しない方が心配なくらい

    第一章 失敗や挫折は一生の仕事のエネルギー
    あさのあつこ

    「書く」ことで自分の気持ちを整理してるんです。書くことで自分の気持ちを客観視できる。書きながら思考の力を高める」p40

    「あつこな、みんなが同じこと言い出したら怖いんで」p42

    「失敗をどのようにも変容できるのが、若さの特権です。そのことを覚えておいてほしいと思います。」p43

    「失敗」はエネルギーで
    「失敗」は「場数」で「慣れ」る
    人生の経験値が上がる

    第二章 人生の経験値は、
    失敗することで上がっていく
    月乃光司「失敗を味方につけた男」

    自分の中の鬱屈した感情を漫画やイラストにすることにより、自分という犯罪者予備軍を「表現者」に高めた瞬間だった。そう、自殺願望や通り魔願望は、絵や文にして吐き出せば、その途端、汚物だったものは表現物となる。場合によっては自分と社会との接点にもなるし、誰かとつながるツールにもなる。p52

    人生の問題解決に必要なのは「場数」と「慣れ」
    慣れるほど、傷ついたり失敗したり恥をかくこのへのハードルは下がっていくp63
    「こわれ者の祭典」

    「どれだけ失敗したかが人生の醍醐味ですよね」p65
    「恥かいてこそ俺、失敗してこそ俺」


    第三章 弱さを
    さらけ出すことで
    幸せになれる
    岡田美智男 弱いロボットの研究者

    「可愛い」って、権力だ。
    「可愛いって、絶大な権力だ」
    幼く、無力で、可愛い。
    何もできない。

    「役に立たない」のに、人の心を動かすものについて考えている。
    「弱いロボット」を知ったこと。
    「ひとりでてきないもん」「他力本願なロボットがひらく 弱いという希望、できないという可能性」p69

    昨今の世の中は「ウィークネス・フォビア(弱さ嫌悪)に満ちている。これほど血弱さが忌避される時代」

    役に立つんじゃなく、「手間がかかるくらいのロボット」p74

    ロボットと言えば、人間の生活を便利にしてくれたり、合理的で効率的に動いてくれたりするものだとばかり思っていた。が、「弱いロボット」はそんな概念を鮮やかにひっくり返す。
    p76

    「役に立たない」ことで「役に立つ」
    便利さや効率がすべて、ではない
    「助け」を引き出す
    人は「一人でできる」ことは何もない

    「計画するということが
    失敗の始まりという価値観。
    それが厳しい自然環境で生き抜く知恵」

    「自分自身が助けられるに値する、生きるに値する人間てわあるという自己肯定感」
    「他人や社会への最低限の信頼感」
    「積極的に社会のせいにする!」

    「失敗は挑戦から生まれる。
    勇気を出すと、失敗が一緒に生まれてくる。
    〜そもそも勇気を出せたことそのものが成功」

    これ絶対、来年度は購入して
    中学生に読んでもらう❣️


    シリーズ:
    14歳の世渡り術

    全集・シリーズ

    イキノビルタメノシッパイニュウモン

    生きのびるための「失敗」入門
    雨宮 処凛 著

    単行本 46 ● 208ページ
    ISBN:978-4-309-61737-4 ● Cコード:0336
    発売日:2022.01.24

    定価1,562円(本体1,420円)

    ○在庫あり

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    旭屋書店 三省堂書店・岩波ブックセンター 紀伊國屋書店 東京都書店案内 有隣堂
    この本の内容
    目次・収録作品

    はじめに

    第1章 失敗や挫折は一生の仕事のエネルギー
    ――作家 あさのあつこさんに聞く 

    第2章 人生の経験値は、失敗することで上がっていく
    ――元ひきこもり、元醜形恐怖、元アルコール依存症 月乃光司さんに聞く

    第3章 弱さをさらけ出すことで幸せになれる
    ――〈弱いロボット〉の研究者 岡田美智男さんに聞く

    第4章 極寒の北極で失敗しても死なない男 
    ――探検家 角幡唯介さんに聞く

    第5章 「迷惑をかける練習」をしよう
    ――臨床心理士 東畑開人さんに聞く

    第6章 他人の決めた「意味がある」に振り回されない
    ――オタク女性ユニット 劇団雌猫さんに聞く

    第7章 一番幸せなことは、死なない程度に「安心して」失敗できること
    ――NPO法人「抱樸」代表・奥田知志さんと元野宿のおじさんたちによる座談会
     
    おわりに

  • 全編やさしく手を差し伸べてきてくれてるような本だった 今苦しい人が読んで何かしらがヒントになるといいなあ

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著者プロフィール

1975 年北海道生まれ。作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人。フリーターなどを経て2000 年、『生き地獄天国』( 太田出版/ちくま文庫) でデビュー。主な著書に『生きさせろ! 難民化する若者たち』( 太田出版/ちくま文庫)、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』( 太田出版)、『コロナ禍、貧困の記録 2020 年、この国の底が抜けた』( かもがわ出版) など多数。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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