10代からの文章レッスン みんなどうやって書いてるの? (14歳の世渡り術)

  • 河出書房新社 (2024年9月26日発売)
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  • 本 ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309617671

作品紹介・あらすじ

自分に合った言葉を見つけるには? 上手に伝えるコツ、正確な記述、あるいは日々の体験を、 感じた瞬間のままに描写するにはどうすればいいか……いま「書く」ことの第一線に立つ15人が、それぞれの考えと方法、喜びや苦しみを綴る。これから筆をとる人も、書きあぐねている人にも、その背を支えるアンソロジー集。
はじめに
STEP 1 頭のなかは、真っ白です --自分は、なにを書きたいのか?
・好きからはじめてみよう--石山蓮華(電線愛好家)
・スーパースター--国崎和也(ランジャタイ/芸人)
・書くのって、そんなに大変なことなのか--武田砂鉄(ライター)
STEP 2 「わたし」はどこにいるのでしょう? --自分の感じかたを知る
・「わたし」のことがいちばん書きにくい--頭木弘樹(文学紹介者)
・まず釣り糸を垂らしてみる--安達茉莉子(作家)
・書くほどに救われていく--僕のマリ(文筆家)
STEP 3 二行目で、つまずきました... --どのように書けばいい?
・なぜ作家は書き続けられるのか--pha(文筆家・書店員)
・根性を出そう、五秒を見つめて、繊細にユニークに書こう--古賀及子(エッセイスト)
・なんとなく書けそうな気になるヒントをいくつか--金原瑞人(翻訳家)
STEP 4 だれに向けて書きましょう? --つたわる文章とは
・一人ぼっちで、それでも伝えるために--乗代雄介(小説家)
・人に伝わる文章を書く--全卓樹(理論物理学者)
STEP 5 書くことが、すこしおもしろくなりました。--ゆたかに書くには?
・自分の言葉で世界をつくる--宮崎智之(文芸評論家・エッセイスト)
・文字表現はどこにあるのか--服部文祥(登山家・作家)
・明日を見つめる目で--荒川洋治(現代詩作家)
踊り場 どうして、書くんだろう?--「書く」の面白さを考える
COLUMN 1 見直しは大切
COLUMN 2 発信してみよう
COLUMN 3 もっと発信してみよう
おわりに

感想・レビュー・書評

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  • 2025年、最初の一冊。読もうと思ってカフェにもってきた本がことごとく分厚く、強者の気配を放っていたので、今日の気分に合わせてこの本を選んだ。古賀及子さんをはじめ、14人の様々な立場の書き手の方の文章術が語られていて、楽しい。多くの人が、「たくさん読んで語彙を増やせ」と言っていて、「基本大事・‥」となった。数年前、noteとジャーナリングをはじめたが、いまも続いているのはジャーナリングの方だ。デジタルよりもアナログの方が自分の性に合っていた、ということか?いい区切りだからnoteを再開してみようか、別のプラットホームで出直すか、と色々考えたが、自分は「書きたい」人だと確認できたのは収穫だ。

  • 去年の日向坂46の東京ドームLive前に、phaさんの本が読みたくて神保町で熟考して買った本。

    文章を書くコツや創作の苦しみ、楽しみというものを網羅的に書き連ねた本を読みたいと思い購入。

    色んな人が色んな観点から文章を書くことの苦しみや楽しさ、コツを伝えてくれます。
    文章を書くというテーマだけで、モノの見方はこれだけたくさんあるのかと驚いたし、書くという作業に取り組む姿勢や考え方は、書くことだけじゃなく仕事にも通ずることが多くあり、勝手に色々と学ばせてもらった本でした。

    定期的に読み返そうと思います。

    頭木弘樹さん、僕のマリさん、phaさんの文章が特に刺さりました。

  • ●なぜ気になったか
    「書く」ことがテーマの15人の書き手による一冊。書き手の一人が、今のところ出版されたら必ず読むと決めている僕のマリさんなので読みたい。加えてphaさんも書かれているので読みたい気持ちさらに上昇

    ●読了感想
    タイトルに「レッスン」とあったので、具体的な練習っぽいことが書かれているのかなと思ったが、そのような内容は皆無。文章を書く上で大事なこと、複数の方が同じことを書いていて、そこがまがうこと無き核心とわかった

    #10代からの文章レッスン
    #僕のマリ、他
    24/9/26出版
    https://amzn.to/4elJNzk

  • ・自分の意見を言わないということは、自分を大切にしていないのと同じ意味。自分を大切にしていない状態を相手に向けてしまうと、必ずコミュニケーションに違和感が生まれる。(藤井貴彦アナ)

    ・主語と述語を対応させる
    ・修飾語は誤読されないように

    ・感じられる幅と言葉の選択肢を増やす鍛錬
    (自分の身体と心を超えた、嘘の言葉は読み手に伝わる)


  • p77
    人の気持ちというのも、言葉にならないもやもやしたものだ。それを言葉にするとら言葉にしたことだけ残って、他のもやもやは消えてしまいやすい。せっかくの綿飴が芯の割り箸だけになってしまいかねないのだ。
    精神分析などで、自分の気持ちを語るだけで気持ちが楽になることがあるのは、逆にこの効果を使っているわけだ。言葉にしたことしか残らないので、その分、楽になれるわけだ。

    p85
    私のオススメは、とにかく最初はただ書いてみるというものだ。まず、自分が「見たもの」をただ書いてみる。どこどこ行った、誰と会ったという記録や事実を書くのではなく、そこはどんな様子だったか(混んでいた、空いていた、寂れたような感じがした…)どんな匂いがしたか(草木の心地よい匂い、なんだかムッとするような、カビ臭い匂い…)。そのとき自分はどんな感じがしたか(ほっとした、早く帰りたくなった…)会った人はどんな表情をしていたか(疲れていた、何か言いたそうだった、ニコニコしていた…)その人に会った自分はどうだった(いつもより多く喋った、なんか気まずかった…)
    そんなふうに、自分が受け取ったものをただただ詳細に具体的に記述してみる。
    不思議なもので、自分をあえて表現しなくても、そうやってただ記述しているとら自分特有の目線や感じ方が現れてくる。そこに目が留まるんだ、そんなふうに解釈していたんだ、とか。同じ風景を見てスケッチを描いても人それぞれ違う絵になるように同じものを見ても文章は、かわっていく。

  • 文章を書くということに向き合いすぎて疲れかけてしまったときに手に取った本。これ、10代のときに読みたかった! そうしたら書くことがもっと好きになっていたかも。
    文章術というよりは、そもそも何を書けばいいのか、どうやって書けばいいのか、という根本的な部分について、さまざまなジャンルの文筆家の方々が「実はこうしてるよ」と私だけに教えてくれる、みたいな本。その寄り添い方がなんだかうれしかった。
    特に揺さぶられたのはランジャタイの国崎和也さんの文章。ものすごく変だった。文章ってこんなに自由でいいんだ! 私はずいぶん凝り固まっていたなあ。もっと好き放題に書いてみよう、という勇気が湧いてきた。

    【読んだ目的・理由】文章の書き方に行き詰まったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.4
    【一番好きな表現】結局、衝動に突き動かされて無理やり書いた人だけが書けるようになります。(本文から引用)

  • たくさん良い文章を書き続けている人を「元々感性や表現力が豊かなんだろうな。」と、漠然と自分とは違う能力の持ち主のように思っていたが、書く練習や深く思考する努力を続けている人が大半だと言うことに気付かされたし、そういう人の頭の中を覗き見ることができて興味深かった。…と、「興味深かった」というありきたりな言葉に逃げてしまう自分を反省した。
    けどまずは「上手く書かないと」と難しく考えず、もっと気楽に、ありのままに、文章を書いてみたらいいのかも、書いてみたい、と思えた。


    [覚えておきたいこと]

    ☆ 頭木弘構さん。言語化する事で、言葉にできたところだけが鮮明に記憶に残って、言葉にできなかった要素は記憶から消えてしまったり、不正確になってしまったりする(言語隠蔽)。よくある表現を使ったり、微妙に違うけど妥協して安易な言語化をしてしまうと、本当の自分の気持ちも消えてしまう。

    ☆僕のマリさん。「自分の意見を言わないということは、自分を大切にしていないこととほぼ同じ意味」「自分を大切にしていない状態を相手に向けてしまうと、必ずコミュニケーションには違和感が生まれる」(アナウンサーの藤井貴彦さん)

    ☆phaさん。最初から綺麗な完成形を作ろうとせず、速くて汚いものを作る。文章は削れば削るほど良くなる。締切を設定する。

    ☆古賀及子さん。文章を書く時、必ずしも感想を書く必要はない。見たものだけを書き、感想を書くのを上手に放棄できるようになると、徐々に自分の感想が観察から見えてくるようになる。
    全部を書かなくていいと割り切って、5秒のことをフォーカスし、200字くらいかけてじっくり書いてみる。

    ☆宮崎智之さん。自分が「感じられることができる範囲」以上のことを、カッコいい表現や難しい言葉を使って無理に書いてもウソっぽくなる。自分が身体や心で実感し、自分の知識として獲得している言葉を使わなければならない。
    そのためには「美しい」「美味しい」のような形容詞を安易に使わず、「具体的に、自分が、どう感じたのか」をきちんと言葉にすることが大切。

  • とっくに10代ではないが、とても勉強になった。日記を書く習慣を維持してきて良かった。書きたい。書きたい。仲間と、〆切が必要だ!

    「自分の意見を言わないということは、自分を大切にしていないこととほぼ同じ意味」「自分を大切にしていない状態を相手に向けてしまうと、必ずコミュニケーションに違和感が生まれる」(藤井貴彦さん p.99)

    ・5秒のことを200字かけて書く。5秒間、眼の前をよく見ること、自分のひらめきに気づくこと。おのずと物事がユニークに繊細に表出します。 (pp.138-139)

  • 色んな人が書いてるいい本。
    実験ぽいところもあるのが高評価。文章レッスンの本というよりは、文章に行き詰まったら息抜きに読む感じ。
    phaさんの、「書く人をまわりに増やそう」「速くて汚いものを作る」など、参考になる考え方も多い。

  • エッセイストや文学家、物理学者やお笑い芸人など幅広い分野の方が文章の書き方アドバイスを述べている本。
    とにかく書くのが大事、書いていれば上手くなる。書き出しが思い浮かばないときは、思いついたことをなんでもメモしてそれを組み立てていこう。というのが直接的なアドバイスとして心に残った。
    文章レッスンの本ではなく、モチベーションを出すための本という感じ。10代向けの本なのでとても読みやすいし、作家の人も本音で話している感じが伝わってくる。

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著者プロフィール

荒川洋治
一九四九 (昭和二四) 年、福井県生まれ。現代詩作家。早稲田大学第一文学部文芸科を卒業。七五年の詩集『水駅』でH氏賞を受賞。『渡世』で高見順賞、『空中の茱萸』で読売文学賞、『心理』で萩原朔太郎賞、『北山十八間戸』で鮎川信夫賞、評論集『文芸時評という感想』で小林秀雄賞、『過去をもつ人』で毎日出版文化賞書評賞を受賞。エッセイ集に『文学は実学である』など。二〇〇五年、新潮創刊一〇〇周年記念『名短篇』の編集長をつとめた。一七年より、川端康成文学賞選考委員。一九年、恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。日本芸術院会員。

「2023年 『文庫の読書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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