わたしたちの世界を変える方法 アクティビズム入門 (14歳の世渡り術)
- 河出書房新社 (2024年11月27日発売)
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感想 : 12件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784309617701
作品紹介・あらすじ
「それ、おかしくない?」と思ったら……。
社会を変えるため、声をあげることをもっと当たり前にしたい!
平均年齢19歳(執筆時)の著者たちが伝えたいことを知る。
「環境・平和・民主主義・ジェンダー・グローバル化・人権・校則・若者の貧困と孤独」
さまざまな社会課題に取り組む若手アクティビスト22人による、
同世代や次世代のための、今までにまったくなかった新しい本。
声を上げるのに年齢も性別も国籍も関係ない!
まずは小さな一歩から、社会運動を始めよう!
感想・レビュー・書評
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きちんと自分の頭で考え、行動し、その過程を公開できる若者たちの存在に、救われた気がした。バブル崩壊前後に学生時代を生きた自分は、与えられた娯楽を享受するばかりで、自分で調べ考え動くことをしてこなかった。そんなときに就職氷河期が来て、苦労した同世代を幾人も知っている。たいした変化をあとの世代に残せなかった我々の代わりに、今の若者たちは動いてくれている。そのことがとてもうれしく、できることには手を貸してあげたい、と思う。21世紀の日本は、ものの言いにくい、いちばん嫌なものを温存、強化してきてしまった。「もっとよい未来が待っているだろう」という我々世代の楽観は、少なくともメンタル部分に関しては通用しなかった。次の手を我々も考え、行動するほうがよいだろうな。
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今の若者のアイデンティティを知ることができる内容でした。考え方が古いままはよくないですね。
声を上げること、発言すること、動くことをしている若者がいるということが知れただけで読む価値がありました。ありがとうございます。
国民性なのかまだまだ忍耐・我慢を美的にしやすいですよね。嫌なことはハッキリと言っていくべきで、昔みたいに背中をみてても人は育たないし伝わらないですね。どんどん意見を言ってディスカッション、主張していく中で色々と生まれてくることもあります。
そして、確かに残すべきものは残す必要があるが、要らないものは刷新していけばいいと思いました。理由がよくわからないものとか、校則なんて最たるものですね。なぜそうなのか。理由が述べれないものが多いですね。
最後に動き続けることが出来る世の中になり、意識的に立ち止まる、休むことも重要であるという事に共感を持ちました。色んな物や情報の流れが早くなっているので、特にそれは共感しました。動かなくてもいいし、他人にどう思われようと関係なく自分らしく生きるべきと。
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あとがきより
普段発信ツールはSNSが主流、だけど、「ツイッターの名称が突然Xになったように、SNSの運営は一企業によるものです。その企業が倒産したら、今までの発信はすべて消えてしまうかもしれません。それくらいデジタル空間とははかないものです。一方で、紙媒体として流通する本は、半永久的に記録として残り続けます。千年以上前に書かれた『源氏物語』が今も読み親しまれていることはその最たる例でしょう。また、そもそもSNSは断片的な情報しか得られず、他者や他者の訴えについて深く知ることはできません。そうした意味でも、本を出すことはとても大きな意味があると感じています。一方で、出版は僕らの世代にとってなかなかハードルが高いなとも思います。この本の原案も、もともとはおじさんたちの飲みの場で生まれたように、出版社との繋がりや自分自身の知名度がない若者が本を出すには越えなければいけない壁が多くあります。」
22人の若人たちの世界との向き合い方。
「環境」、「平和」、「ジェンダー」、「グローバル化」(在日外国人)、ときて、「校則・教育改革」、「若者の貧困」。
「若さ」をメディアに利用されがちなこと(そもそもこの本の企画自体も大人たちが考えたことだし(笑)?)、逆に、「若さ」を自分の主張に利用するという人もいました。
一番読み応えがあったのは、「校則・教育改革」。
「校則・教育改革」について書いている人数が最も多く、あとがきを書いた著者の文章も「校則・教育改革」の筆頭にある。
私自身は、(遠い昔ですが)校則等が自分の課題だったことは一切ない、のだけど、一定の若人にとっては一番身近で切実な問題なのかもしれないな、書かれている文章も、書いている人自身にとって目をそらすことができない課題であったことがよく伝わってきて、私にとっては申し訳なくも他人事ではあるけれど、読み応えは感じました。
原稿を書いてから、一年後くらいに最終校正があったようで、一年前の原稿をふりかえって、今は活動をしていない、とか、感じ方が違ってきている、と書いている人がいて、とても正直で、しかも柔軟だな、と思いました。
人は、年月を積み重ねる中で変化していくのも当然、この本に原稿を寄せた方達は、自分がこだわってしまうテーマに徹底的に向き合ってきた人だけど、こだわりが薄れてきたそんな自分を認めるのはそれもまた自然でいい、と思いました。
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なんらかの形で世の中を変えようと行動する「アクティビズム」を実践している25歳未満の22人の「アクティビスト」たちが、自分がなぜアクティビストになったのかなど自分自身について記録したものを集成。環境問題、平和と民主主義、ジェンダー問題、グローバル化と人権、校則・教育改革、若者の貧困というテーマ別になっている。
本書で記されている、自分より一回り以上若い人たちの、社会や自分たちに関係する制約を変えようと実践している生き方や活動は、それぞれ非常に興味深いものだった。
一方、校則の見直しといった身近なテーマへの取組は別にして、国や世界レベルのテーマに対するハンガーストライキやSNSでの発信などの「アクティビズム」が実際どこまで社会を動かし得るのかといったアクティビズムの意義への疑念は完全には拭えなかった。
その中で、対話的な校則見直しに取り組まれた塩川遥香さんの「程よい熱量、問題意識、敷居の低さのキープこそ、マジョリティを動かす近道」という指摘は腑に落ちるところがあった。
いずれにせよ、自分は社会的課題に対していろいろ思いを持っているほうだが、どうしても他人の目が気になってしまったりして、他人を巻き込むような活動をするのは躊躇してしまいがちなので、ここに登場するような一歩踏み出した方たちには敬意を持ちたいと思った。 -
私たちの地球って大丈夫?―環境問題:
石炭火力発電所建設支援反対
化石燃料融資会社への抗議
気候危機の構造的問題
ヴィーガン給食導入
神宮外苑再開発見直し
安心して暮らせる国にするには?―平和と民主主義:
核兵器廃絶
選挙ボランティア
性の不平等をなくすには?―ジェンダー問題:
性的同意の周知
フェミニズム
日本で暮らす多様な人々と共に歩む未来って?―グローバル化と人権:
入管問題・難民支援
多様なルーツを持つ人たちへの差別問題
私たちの学校を変えるためには?―校則・教育改革:
学校の自由を守る
頭髪指導
対話的な校則見直し
誰もが安心して生活できる社会って?―若者の貧困:
高等教育無償化
子ども食堂
1. アクティビズムの意義
- 声を上げることの重要性: 社会を変えるためには、自分の意見や立場を表明することが必要。
- 世代を超えた連帯: 同世代や次世代に向けたメッセージとして、アクティビズムは重要な役割を果たす。
2. 現代の社会問題
- 性的同意と性被害: 性被害に遭った経験を通じて、周囲の理解と支援の重要性を認識。
- 核兵器と反核運動: 核兵器の危険性とそれに対する反対運動の意義を強調。
- 気候危機: 環境問題に対する抗議活動や、化石燃料産業への反対を通じて、持続可能な未来を模索。
3. ジェンダーと平等
- 性の不平等の克服: ジェンダー問題に対する意識を高め、女性やセクシャルマイノリティの権利向上を目指す。
- 多様性の受容: 性的マイノリティのメンタルヘルス問題についての理解を深め、社会全体での解決を目指す。
4. 教育と対話
- 教育制度と校則: 学校での民主主義や対話の重要性を強調し、校則問題を人権と民主主義の観点から考える。
- 若者の貧困: 誰もが安心して生活できる社会を目指し、子ども食堂などの取り組みを紹介。
5. デモや政治活動
- 選挙や政治参加: 若者が選挙に参加することの重要性や、民主主義を守るための活動の必要性を訴える。
- 社会運動の歴史: 日本における歴史的な社会運動(百姓一揆、大正デモクラシー運動など)を振り返り、声を上げることの意義を再確認。
6. コミュニティの形成とサポート
- 仲間との連帯: アクティビズムを通じて、仲間と共に社会を変えていくことの重要性を訴える。
- サポートの枠組み: 性的被害や差別の経験を持つ人々が安心して支援を受けられる環境の必要性。
7. 社会の未来への展望
- 持続可能な未来の模索: 環境問題や社会的な不平等の解決を目指し、アクティビズムを通じてより良い社会の実現を目指す。
- 個々の力の結集: それぞれが持つ力を活かして、社会の変革に寄与することの重要性を強調。 -
309/ナ
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選書番号:703
