洋梨形の男 (奇想コレクション)

  • 河出書房新社
3.51
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本棚登録 : 192
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309622040

作品紹介・あらすじ

都会に潜む"洋梨形の男"の恐怖を描いた傑作ホラーの表題作をはじめ、身勝手な男が痩身願望の果てに"猿"に取り憑かれる「モンキー療法」、変わり果てた昔の友とのおぞましい再会譚「思い出のメロディー」、ひとりの作家の内面に巣くう暗黒をあぶり出す「子供たちの肖像」、酒場のホラ話ファンタジー「終業時間」、チェスの遺恨を晴らそうと企む男のSF復讐劇「成立しないヴァリエーション」の全6篇を収録。ネビュラ賞・ローカス賞・ブラム・ストーカー賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • マーティンのホラーとSF(味のホラー)の往年の短篇集。
    最初の「モンキー療法」を読んで、ああそういえば、この人は「皮剥ぎ人」の人だったっけ、と思いだした。ジョージ・R・R・マーティンの短編は長編とは全然別に考えなきゃいけないんだったっけと。この人のホラーはグロいんだよね。でもアイディアは面白かった。

  • どれもこれも素晴らしい。モンキー療法も好きですし、一番最後の成立しないヴァリエーションも好きでした。最初から最後まで圧倒されました。

  • 2015年神保町ブックフェスティバル、河出書房新社のブースで購入。
    『氷と炎の歌』で有名なジョージ・R・R・マーティンの短編集(日本独自編集)。『氷と炎の歌』シリーズは読んだことがないので、ファンタジーの方はよく解らないのだが、本作は生理的な嫌悪感をかき立てるタイプのホラーだった。収録作が6編とやや少なめではあるが、読み応えがある。
    生理的嫌悪感をかき立てるという意味では『モンキー療法』が、正統派のホラーに一番近いという意味では『思い出のメロディー』が、それぞれ良かったと思う。基本的に後味の悪いラストを迎える短編ばかりの中、『成立しないヴァリエーション』の、希望が残るラストシーンは印象的だった。更に言うと、『子供たちの肖像』の胸糞悪さは一読の価値あり。

  • ★3.5。面白かった。ストーカー、メンヘラ女、ダイエットなど現代的で身近なテーマがひねりの効いた心理ホラーに仕上がっている。「モンキー療法」の着想はすごい。「終業時間」のオチは笑った。

  • 「洋梨形の男」というタイトルに、太っちょの気のいいオッサンを思い浮かべてしまったら、こんなイヤ小説だったなんて。最後のチェス小説を除けば、どれもこれも後味の悪い話ばっかりで、うっかり手に取ってしまったことを激しく後悔。

  • 大河異世界ファンタジー「氷と炎の歌」シリーズで有名なジョージ・R・R・マーティンの短編集。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyou20401.html

  • ファンタジーのイメージの強いマーティンだったが、どうしてどうして。ホラーもうまい。「終業時間」には思わずクスリと笑ってしまった。ブラムストーカー賞の表題作「洋梨形の男」はプロット自体は新しいものではないが、とにかく気持悪い。カールもチートスも当分見たくないし、引出しにあったBICのボールペンは思わす捨てそうになった。シンボルとして米国の消耗品が沢山出て来るので、実際使ってないとイメージが沸き辛いかもしれない。が、粒よりの佳作ぞろい。とても楽しめた。

  • この頃この作者の本を何作か読んだので短編集も読んでみました。
    面白いんだけれども恐ろしい。恐ろしいけれどもどこか愉快である。そんなお話が多かった気がします。

    モンキー療法は面白かったですが身につまされるモノがありました。そうなのよねえ、痩せたいなら食べなきゃいいんですよね。でもこれを読むとダイエットしたくなくなりますね。後は終業時間と最後のチェスの話は皮肉がきいていて面白かったです。思い出のメロディはぞっとする話しだし、子供たちの肖像はまあこういう人は家庭を持たない方がよい人種だよなあと思いました。それにしても洋梨形の男の不気味さは何か本を読んでいて振り返りたくなる気味の悪さですね。そこに太った生白い男が笑ってたらどうしよう…と背筋が寒くなるような不気味さでした。

  • 都会に潜む“洋梨形の男”の恐怖を描いた傑作ホラーの表題作をはじめ、身勝手な男が痩身願望の果てに“猿”に取り憑かれる「モンキー療法」、変わり果てた昔の友とのおぞましい再会譚「思い出のメロディー」、ひとりの作家の内面に巣くう暗黒をあぶり出す「子供たちの肖像」、酒場のホラ話ファンタジー「終業時間」、チェスの遺恨を晴らそうと企む男のSF復讐劇「成立しないヴァリエーション」の全6篇を収録。ネビュラ賞・ローカス賞・ブラム・ストーカー賞受賞。

  •  20年以上前にSFマガジンで読んだ『モンキィ・トリートメント』(本書では『モンキー療法』)が収められていて懐かしかったが、今読んでも十分面白い。こういう作品は今ではなかなか読めない。
     ジョージ・R・R・マーティンは、SF短編集『サンドキングス』と吸血鬼もの『フィーヴァードリーム』を読んでいまいち評価が定まらなかった作家だが、『モンキィ・トリートメント』だけは印象に残っている。その他のSFホラー短編も、本邦初訳も含めてどれも安心して読める。今どき、こういう作品を出してくれる編訳者がいてくれるのはありがたい。

     編訳者あとがきで、突然変異で生まれたヒーローたちが活躍する、X-MENのような設定の『ワイルド・カード』シリーズが今でも続いていることを知ってびっくりした。日本では3作目以降、翻訳が出ていないが是非これらも翻訳してくれることを望む。

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