教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)

著者 : 島田裕巳
  • 河出書房新社 (2009年10月9日発売)
3.29
  • (0)
  • (9)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • 本棚登録 :69
  • レビュー :11
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309624020

作品紹介・あらすじ

現代人にとって、宗教についての知識・教養は不可欠なものになりつつある。そしてその本質に迫るには、宗教のもつスキャンダラスな側面を無視することはできない。仏教伝来、大仏開眼、空海VS最澄、末法思想の広がり、信長の蛮行、お蔭参り、大本事件、天皇の人間宣言、踊る宗教、宗教の「お一人様化」…さまざまな意味で対立を引き起こしたもの、一般の宗教史ではあまり触れられないものを中心に、24の事件を現代と通じるかたちで取り上げながら、日本人と宗教の歴史をダイナミックに描く。

教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • つまみ食いって感じで気軽に読めました。
    大学の講義で宗教についてやってるんだが、それも合わせて読むとなかなかいろいろ批判的に読めて面白いです。
    戒壇がすごく重要なんだとか、廃仏毀釈によって失われた大寺社があるとか、鎌倉新仏教だって新興宗教なんだぜとか、改めてそうなんだよなって思いながら読んだ。

  • 日本宗教事件史で私が知っていること…
    神教と仏教が喧嘩して、相手の一族郎党を滅ぼしたり滅ぼされたりしてた。
    織田信長が天台宗を奇襲してそこにいた人みんな殺した。
    秀吉がクリスチャンを弾圧した。
    オウムが恐ろしい事件を起こした。

    ろくな知識がない。

    信仰はピンとこない。幼稚園は仏教系で、小学校はキリスト系、氏神神社は京都にある。
    それぞれ愛着を感じている。けれど私に信仰という習慣はついぞ身につかなかった。
    仏教とキリスト教の教えはリンクしている部分も多い。読経も聖歌も同じように美しい。神道の伝説はどれもこれもぶっ飛んでて面白い。

    教養としての宗教は心に響く。でも一線を越え信仰になったとたんに、うさんくさくいかがわしく感じる。つきつめると実態がない。現実的な目標も目的もない人間関係たち。何も生みださない。なのに時に大きな影響力を発揮する。うさんくさくてスキャンダラス。離れた所からたまに覗いてみると面白いかも。でも絶対巻き込まれたくない。

    信仰を持つ人をおかしいとはもう思わない。国教はない方がいい。人が幸せになる方法はいくつでもあるのだし、下手に国教なんてできたら選択肢が減ってしまいかねない。
    宗教は私にとって教養以上の意味を持たない。

    先祖崇拝の感覚は何となく分かる。仏壇も墓もきれいにしておきたいもの。でも人間を神格化するのはやり過ぎ。

    なぜ首相は国家元首としての役割を果たせないの?王室を持たず、国民の中から選ばれた代表が国家元首を担っている国はたくさんあるでしょうに。
    個人的な意見を「私たち」の意見だと思うなよって、読みながら思っちゃった。

    『チャタレイ夫人の恋人』
    遠藤周作『沈黙』
    マーティン・スコセッシ『最後の誘惑』
    『夜明け前』島崎藤村
    坂口安吾
    深沢七郎

  • 事件を取り上げたというよりも、宗教の通史っぽく感じた。
    なんやかや宗教雑学が詰め込まれていて勉強になる。
    仏教と神道の違いの一つに、偶像崇拝をするか否かがあるとかね。確かにそうだよなー。

  • 資料集のような。そんな立ち位置になってしまう。一個一個の考察が深くない

  • 人間と宗教とのかかわりを、スキャンダラスな面を一切排除して語っているだけでいいのか、という問題意識で出発しているところが面白い。

  • 神仏分離と廃仏毀釈について知りたくて読んでみました。
    今に至るまでの、さまざまな宗教上での問題が採り上げられています。

    まだまだ日本宗教についてわからないことが多く、かつて読んだことでも記憶しきれずに忘れていったこともあるため、基本的な事項ながら、宗教史を追って理解する上での助けとなりました。
    まずは南都六宗が権威を持っていた平安時代、最澄が天台宗をしてそこから独立します。
    当初は異端であった天台宗が、日本の仏教界の中心となったのは、ひとえに比叡山に戒壇を持ったからだとのこと。
    このあたりの息詰まる攻防が語られます。

    最澄の弟子の円仁(慈覚大師)は、のちの時代への影響を考えると、最澄以上のものがあったそう。
    最澄と空海との対決では空海の方が勝ったものの、のちの後継者では高野山より比叡山優位のまま続いていったことも、この本で知りました。

    本来の仏教は、生きていくうえでの様々な苦からの解放を目指すもの、つまり生きる者のための宗教で、それを死が結びつけたのは浄土宗以降。
    大乗仏教がブッダのことばとは離れているといわれる点の一つです。

    法然も親鸞も日蓮も中国には渡らず、日蓮宗においては中国に存在しないのだそう。
    江戸の庶民は日蓮宗、法華宗を信仰し、京都では比叡山と対立し、戦闘まで起こったそうです。
    比叡山に敗れた法華宗は、一時京都の町中から追放されたということも知りました。

    日本のキリスト教徒は人口の1%に過ぎず、イベントとしての文化は受け継がれても、国に根づいた宗教とはいえないとのこと。
    世界でもこれだけキリスト教の割合が少ない国は珍しく、日本のほかに2,3国のみだそうです。
    先進国では日本のみで、隣の韓国では30%にも登るそう。

    これは、キリスト教伝来時には、すでに仏教の信仰が民衆にまで浸透していたからだと言えます。
    近代、中国は仏教が衰退し、日本への影響はなくなっていきましたが、日本はすでに独自の仏教理論を体系づけており、それは日常生活にも影響をおよぼすほどでした。

    気になる神仏分離の項目では、興福寺と春日大社の例が詳しく紹介されていました。
    神仏習合の信仰を実践する代表的な存在だったために、廃仏毀釈の大きな影響を受けて、寺領は没収され、子院はすべて廃止となったそうです。
    五重塔が二円で売りに出されたということ、それは現在の貨幣価値に換算すれば、五万円程度だったということに驚きました。

    靖国神社は、戦前は内務省管轄、政は陸軍と海軍が総括していた国営の神社だということも知りませんでした。

    また、仏教徒を弾圧した織田信長がルターと同じ宗教改革者だという指摘を、斬新に思いました。
    どの章にも、これまで知らなかった宗教の側面が紹介されており、最後まで興味深く読めました。

  • 雑多な内容で、深い掘り下げもなく、薄っぺらな内容。つまらなかった。

  • 宗教はスキャンダラスなものである、

    教えの真偽を確かめることが本質的に困難
    人間の苦しみや悩みを扱っている、

    神道の神と仏教の仏は同列にできない、性格が違うものだからこそ神仏習合の信仰が成立した。

    奈良の大仏、同・水銀公害と基金・疫病・遷都の関連、

    創価学会の国立戒壇建立の野望

    キリスト教徒は1パーセント
    韓国、フィリピンのキリスト教との違い、宗教的空白。

  • [ 内容 ]
    現代人にとって、宗教についての知識・教養は不可欠なものになりつつある。
    そしてその本質に迫るには、宗教のもつスキャンダラスな側面を無視することはできない。
    仏教伝来、大仏開眼、空海VS最澄、末法思想の広がり、信長の蛮行、お蔭参り、大本事件、天皇の人間宣言、踊る宗教、宗教の「お一人様化」…さまざまな意味で対立を引き起こしたもの、一般の宗教史ではあまり触れられないものを中心に、24の事件を現代と通じるかたちで取り上げながら、日本人と宗教の歴史をダイナミックに描く。

    [ 目次 ]
    新しくやって来た仏教とそれを迎え撃つ神道との対決
    大仏開眼という国際的イベントと環境破壊
    命をかけて海を渡ってきた鑑真は本望をとげたのか
    空海と最澄との戦いはけっきょくどちらが勝利したのか
    往生への異様な情熱が時代を席捲する
    日蓮の真の敵は空海だった
    蓮如がいなかったら親鸞は生き残ったか
    茶道はドラッグとして輸入された
    禅寺で中国語が使われていた深いわけ
    日本を一挙に近代化した織田信長の蛮行
    キリシタンは日本をキリスト教化する可能性を持っていたのか
    人を神として祀ることは冒涜ではないのか
    出開帳という新しいビジネス・モデルの登場
    宗教バブルとしてのお蔭参り
    廃仏毀釈に飲み込まれた大寺院
    宗教的原理主義の先駆けとしての明治政府
    天理教は天皇制に対抗したのか
    熱病のように広がった聖霊降臨
    徹底して弾圧された大本の真の野望は
    宗教国家としての満州国と日蓮主義
    天皇の人間宣言は何を意味したのか
    踊る宗教と戦う宗教が戦後日本を変える
    地球温暖化と戦う明治神宮
    お一人様宗教の時代

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 仏教と神道の成り立ちから現代の新興宗教までが、簡潔に分かりやすく解説されている。靖国問題や天皇家の問題など、宗教の周辺に存在する社会的・歴史的なことも取り上げられており、日本の歴史を振り返るためにもいいテキストになっている。

全11件中 1 - 10件を表示

教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)のその他の作品

島田裕巳の作品

教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)はこんな本です

教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)を本棚に登録しているひと

ツイートする