写真的思考 (河出ブックス)

  • 河出書房新社 (2009年12月10日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784309624082

感想・レビュー・書評

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  • Stanley Burns の"Sleeping Beauty"、当時魅了された。天使になった子の姿を写し取っておきたいという、残された者の痛ましい希いの結晶。

    今思い返すと、あんな写真集が存在したのか? 私の妄想では? という感じなので、他に知っている人がいて安心した。

  • 写真とはカメラのレンズによって結ばれる外界の光学的な像を感光面に固定するメカニズムで、疑問を差し挟む余地はない。にもかかわらず、写真には我々が見る既知の世界の眺めとは微妙なズレがある。そのズレにこそ写真に惹きつけられる何ものかが潜んでいる。写真家はカメラを手に現実世界に踏み込み、被写体に働きかけ、そこから何か彼らにとって重要な意味を備えたイメージを引き出そうと試みる。その時写真に生命力が輝き出ることがある。その不思議な力は、写真を見る者に伝わっていく。こうして写真的思考は増殖していく。

  • 最近ポートフォリオを作ったのですが。。。この本を読んだ後に作れば良かったと後悔中(>_<)
    己の写真歴や年齢が変化するごとにこの本を読んだ場合、感じ方が各々違うんだろうなと思いました。
    以前は、自分の思うように撮れるようになりたいと思っていましたが、それはなかなか独りよがりな考えかもと感じるようになりました。
    絵画と写真の線引きってその辺なのかな。被写体に促されるのが写真の魅力なのだと思い始めました。

  • 写真も一枚岩ではない。

    日本とヨーロッパでは、言語的、文化的な違いがあるかもしれない。

    例としては、風景とland scapeという言葉の意味を考えている。
    風景には、景色、その場の情景、風姿(人の様子)
    ランドスケープは、景色、地形、展望、領域

    ランドスケープは見渡す感じのようだ。

    写真的思考にも、写真より前の文化の引き擂りがあるかもしれない。

  • 序章と終章が面白かった。

    同時期に他の評論家の著作を読んでしまったからか、
    同じ作家でもこうも評価や印象が違うのだなと比較してしまった。

  • 110313/今年12冊目

  • 写真の見方は人それぞれだなと。

  • たまに著者のオカルト嗜好が顔を出す興味深い写真論。最後の方に行くにつれてエッセイっぽくなってくるが。
    本格的にカメラをいじり出してから被写体について考えを巡らすことが増え、この本を読むことで欲しかった答えの輪郭が見えてきた感じ。

  • 西洋文化の信奉者から見れば、西洋画と和漢の画を区別する最大のポイントこそ、それが写真であるかどうかということなのである。
    写真家たちはなぜ、何者かを演じることにシッチャクし続けてきたのか。それはおそらく近代以降のセルフイメージの変質と深い関わりを持っている。中世までの社会的身分や職業などが比較的安定した社会においては、私が私である、ということに疑いをさしはさむ余地はほとんどなかったはずだ。

  • 全部読んでないですが、なんだかやっぱり評論家の視点だなぁと思います。

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著者プロフィール

(いいざわ・こうたろう)
1954年生まれ。写真評論家、きのこ文学研究家。きのこ関連の著書に、『歩くキノコ』(水声社、2001)、『世界のキノコ切手』(プチグラパブリッシング、2007)、『きのこ文学大全』(平凡社新書、2008)、『マジカル・ミステリアス・マッシュルーム・ツアー』(東京キララ社、2010)、『きのこのチカラ きのこ的生き方のすすめ』(マガジンハウス、2011)、『フングス・マギクス 精選きのこ文学渉猟』(東洋書林、2012)など、編書に、『きのこ文学名作選』(港の人、2010)、『きのこ文学ワンダーランド』(共著、DU BOOKS、2013)、『世界のかわいいきのこデザイン』(共著、DU BOOKS、2016)、『きのこ漫画名作選』(Pヴァイン、2016)など、監修に、玉木えみ『少女系きのこ図鑑』(DU BOOKS、2013)、玉木えみ『増殖・少女系きのこ図鑑』(DU BOOKS、2015)などがある。

「2024年 『泉鏡花きのこ文学集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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