進化の法則は北極のサメが知っていた (河出新書)

著者 :
  • 河出書房新社
4.29
  • (23)
  • (17)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 172
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309631042

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 近年何かと話題の400歳のサメを中心に、生物の温度について詳しく述べられています。


    知識として得られた情報は大変興味深いものばかりでした。そして、内容は専門的でありながら、素人の私でも十分理解ができるほどわかりやすかったです。



    また、この本は研究内容を淡々と記すだけでなく、筆者が研究を行う際に生じたアクシデントや笑い話もたくさん述べられています。
    そのため、学術書が苦手な人も気楽に読めるかと思います。
    反対に「しっかり生物学を学びたいんだ」という人には合間の笑い話は不要に感じるかと思います。
    今まで出会えなかったこの文書構成を私は気に入りました。

  • 生物学者ジェームズ・ブラウンによって提唱された生物の法則「生物の代謝量は体重と体温の二つの要素によって決定される」の検証ともいうべき著者の4種の動物「ニシオンデンサメ」「ホホジロサメ」「アデリーペンギン」「バイカルアザラシ」の調査にまつわる専門的内容とエピソードをちりばめた必読のエッセイ風著作。

  • 「本書の目的をひとことで言うならば、体温という物理量がどのように生物の姿かたちや生き方を規定しているのか、昆虫にも哺乳類にも当てはまる大スケールの統一理論を構築することである。」
    体温と代謝が生物の時間までも規定する、という壮大な話で、実際の観測やデータ採取の部分は「事実は小説より奇なり」で面白く、理論の部分もわかりやすかった。
    結論としてうまくできすぎてるようにも思えて引っかかるけど、あくまでモデル構築なので、こんなものなのかな……。

    マグロは止まると死ぬ、という言説を解説すると「マグロは泳ぎ続けることによって体温を高く保」っているうえ、「浮き袋が縮小または消失しており、体の密度が海水よりも大きいので、泳ぎ続けなければ沈んでしまう」とか、体積が大きいほど表面積が相対的に小さくなり、熱の慣性が大きくなるので、体の大きな動物は体温がそもそも変動しにくく、恒温動物として生きたほうがエネルギー効率的に有利、というお話とか、目から落とすための鱗の生産が追いつかない。
    めちゃ面白かった!

  • ふむ

  • 新書にラノベみたいなタイトルつけるの流行ってるよねー。構えなくていいよ、気楽に読んでね、という意思表示ととって読み始めると、これが本当に読みやすい!
    かと言って内容が薄い訳でなく、文章も構成もとても上手くて、わかりやすい。
    一生懸命さもカッコよくてウラヤマシイ!
    単に嫉妬してしまった。

  • 渡辺先生の前著,ペンギンが教えてくれた物理の話を読んで,あまりの面白さに感銘を受け,新たな著作は絶対読もうと思っていて本書を手に取った次第です。まあ間違いがない面白さで,時間を忘れ一気に読み込んでしまいました。

    前作も動物が泳いだり,飛んだり,潜ったりする能力について,物理学的な側面やその行動のメカニズムを大局的な視点から考えるという新たな視点を持たせてくれました。もちろん本書も,そうした俯瞰的な視点で,地球に存在する様々な動物たちに共通するメカニズムを明らかにしていこうという意欲的な著作でした。

    本作はそもそも動物にとって体温とは何なのか,そして体温は動物にとってどんな意味を持つものなのかについて,その謎に切り込んでいくというものでした。体の大きさと体温の高さによって,あまねく生物は代謝が決定されます。そして代謝量によって私たちの寿命や生活スタイルや子孫を残そうとするための戦略や,果ては時間の感じ方まで大きく変わってくるのだという衝撃的なお話を教えていただくことができました。非常に面白かったです

  • 野生動物に小型の記録計をつけて
    そこから動物の生態を探る研究をしてる
    フィールドワーク大好きな博士が
    これまでの研究成果をふまえて
    「体温」が重要な意味をもつことを
    教えてくれる一冊です。

    正直、むずかしいことは
    半分も理解できたかどうか怪しいけど
    動物は環境にあわせて生きるため
    体温すらも調整して進化してきたんだね。
    熱量を生むには
    めっちゃ食べるかめっちゃ動き回るかなんや…。
    そして生めないタイプの生物は
    超スローライフをおくるという。

    あと著者の研究生活レポートが
    学術部分にも増しておもしろい!
    機械を取りつけるため船酔いしつつ
    何日も船上で生活したり
    極寒の地で置いてきぼりになったり。
    ワイルドだなぁ〜!

  •  生物学×冒険的な観察・研究。ユーモアな駄弁に陥らずに、非常に知的であることが素晴らしい。

  • 生物学者が北極圏や南極など世界各地のフィールドワークを通じて、「体温という物理量がどのように生物の姿かたちや生き方を規定しているのか」に迫る本。
    旅エッセイとしてもサイエンスとしても非常におもしろかった。
    昔「ゾウの時間ネズミの時間」を読んで、深く考えずに読み流したところ(数式がでてくると脳がスルーする)が、腹おちした。アロメトリーの概念、はじめて理解できたかも。
    ニシオンデンザメがの寿命が400年とか、恐竜の体温はどのくらいかとか興味深い問いが次々とでてきて、完全文系脳でも飽きずに読めた。
    ・ニシオンデンザメのオンデンは隠田
    ・有酸素運動と無酸素運動の両立は無理。しかし小学生で短距離走(無酸素)も長距離走(有酸素)も早い子がいるのはなぜか
    といった本文と少しそれたエピソードのいれかたも上手。文系にこそおすすめしたいノンフィクション。

  • 2016年、北極の深海に生息する謎の巨大ザメ、ニシオンデンザメが400年も生きることがわかり、科学者たちの度肝を抜いた。このサメはなぜ、水温ゼロ度という過酷な環境で生き延びてこられたのか?そして地球上の生物はなぜこんなにも多様に進化したのか?気鋭の生物学者が世界各地でのフィールドワークを通じて、「体温」を手がかりに、生物の壮大なメカニズムに迫る!(裏袖)

    凄い本。
    専門の学者にとっては常識的なことかもしれないが、生物間の統一された指標(体温や代謝)や「時間の差異」など、驚くべき内容がてんこ盛り。
    また、著者が実際に現地に赴いた際の話も大変魅力的で、『本の雑誌』で紹介されていた「高野秀行的」なる言葉も納得できた。
    専門的かつ具体的な数字や公式は結構な割合で読み飛ばしてしまったけれど、補って余りある面白い本だ。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年生。国立極地研究所生物圏研究グループ准教授。極域に生きる大型捕食動物の生態を研究。東京大学総長賞、山崎賞、第68回毎日出版文化賞受賞。著書に『進化の法則は北極のサメが知っていた』。

「2020年 『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺佑基の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
スティーブン・ピ...
カルロ・ロヴェッ...
ジャレド・ダイア...
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印

進化の法則は北極のサメが知っていた (河出新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×