仏教の誕生 (河出新書 23)

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  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309631257

感想・レビュー・書評

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  • 新型コロナが世界を覆う2020年の終わりに書かれた本。著者の佐々木さんは大学の先生でもあるため、オンライン授業を行うためにYouTube動画を作成されたそうだが、それが書籍化された本らしい。検索してみるとアップされているので、リンク先を貼っておく。
    https://www.youtube.com/watch?v=VLiFmTujoVc

    本書で「なるほど」と思ったのは、佐々木さんの次のことば。
    -世界の三大宗教何て言うバカバカしい言い方がありまして、まるで仏教も
     他の二つの宗教と同じように「世界宗教」を目指しているように捉えられ
     ますが、そんなことはまったくありません。仏教は常に世の片隅にあり、
     メインストリームからどうしても外れてしまう人たちを受け入れ、いつま
     でもその人たちを救い続けるというのが本筋なのです。

    ここに佐々木さんの仏教の捉え方が出ていると思うし、そうなのだろうと思う。当時、バラモン教世界が規定するカーストという身分差別制度を否定する形で仏教が出てきた。絶対的な絶望感の世界から、こういう宗教が生まれてきたのは、確かに救いなのかもしれない。

    一方で、カーストを引き継いだヒンドゥー教は「穢れの理論」で理論武装を行っていく。その「穢れ」は感染するとまでいう。確かに、衛生環境が悪い当時のインドでは、そういう見方もあったのかもしれない。また、結果的にインドでは仏教はすたれてヒンドゥー教が支配的になった。このあたりは、「なぜ?」という疑問がわくが、社会の安定のために選ばれたシステムだったのだろう。

    それにしても、著者の佐々木さんは、京大の工学部を卒業し文学部哲学科に文転して博士号を取得している。「わたしはお釈迦様のファン」と自らも言われているので、仏教が好きだったことが理由なのだと思うが、佐々木さんご自身の体験に与えた仏教感をお聞きしてみたいものだ。

  • 仏教はなぜインドで生まれたのか。
    仏教は何を伝えようとしているのか。
    仏教誕生の地であるインドの基礎知識から始まり、仏教が否定したバラモン世界、お釈迦さまが目指した世界、そして修行方法や出家社会の規律、仏教の定義までを分かりやすく解説しています。
    YouTubeを観て、本書を読むとさらに理解が深まります。

    日本だと「修行というのは厳しい生活であって、本当はやりたくない のだけれども、仕方なくしているものだ」と思っている方もおられるでしょうが、それは違います。修行というのは人生の喜びなのです。普通の生活よりも修行生活の方が自分にとって気持ちが良くて安楽で、そして快適である。これこそが私の生きる道だという喜びに満ちた気持ちがあるので、わざわざ修行生活に入るのです。 ー 131ページ

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著者プロフィール

1956年福井県生まれ。インド仏教学者。京都大学工学部工業化学科、文学部哲学科卒業。博士(文学)。現在、花園大学教授。近著に小原克博氏との共著『宗教は現代人を救えるか』 (平凡社新書)がある。

「2020年 『仏教の誕生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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