太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-4)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (622ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309709444

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  • ラマン…会話文が全くない小説。回想?

  • 『悲しみよ、こんにちは。』
    18歳の少女が書いた、夏と罪の香りがする物語。

    地中海に面した貸別荘を舞台に、主人公セシル、父、父の情人エルザ、そして父の母の古くからの友人アンヌが登場する。
    アンヌを敬い、恐れ、セシルは父とアンヌの中を引き裂くために、密かに動き出すのだった。



    私の視点からの思考内容の語りが多く、彼女がアンヌに対して好意的、憧れ、恐れ、妬み、遠ざけたい、という思いの移り変わりを読者も一緒に追うことになる。 
    アンヌとセシルの食卓を囲む、息を詰まる様子の描写が見事だと感じた。 

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  • 太平洋の防波堤、初読み。面白かった。同じネタ(思い出)を何度も書いているけど読ませるって、すごい。インドシナの湿気を含んだ暑い空気を感じ、植民地社会を知り、登場する人間の個性に魅かれ、主人公の若い女性のたたずまいにシンパシーと憧れを抱き。ラマンも何度も読んだなー。読み返したかったが、時間切れで返却。サガンは・・・学生時代に読んで面白くなかった記憶により、今回はパス。

  • 以前、一度『愛人』を読もうとして手に取ったときは数ページ読んで「あ、無理…」と思いやめてしまったのだが、今回『太平洋の防波堤』を読んでから『愛人』を読んだら内容がすっと入ってきた。なぜこの二作品が一緒に収められたのかがよくわかる。
    「わたし」とシュザンヌ、「下の兄」とジョゼフ、「チョロンの男」とムッシュウ・ジョー、そして母。登場人物はほぼ共通していると言っていい。二つは別個の作品だが、同じ話を読んでいると感じた。
    母の失敗、無駄な抵抗、それをどこか冷静に見つめる子供たち。母親の姿を見ながら、自分はこれからどうするかを考えている。後ろめたさはあったかもしれないがジョゼフが一番利口だったのではないかという気がする。
    親が心臓が動いている亡霊に近い状態になったとして、最期まで一緒にいてあげられるかと考えると、ちょっと辛い。完全に離れることはできなくても距離を置きたくなると思う。だからジョゼフの気持ちはよくわかる。看取ったシュザンヌはえらいと思うが、単純に自分の未来を描く能力がないだけの様にも見える。
    『愛人』という題からは恋愛の話を想像するけど、チョロンの男との愛がどうこうというよりは、こちらもやはり家族の話のような気がした。家族によって満たされない部分を他人に求めようとしたんだな、と。
    『悲しみよこんにちは』は新潮文庫で読んだので割愛。

  • 太平洋の防波堤
    愛人 ラマン
    デュラス

    悲しみよ こんにちは
    サガン

  • デュラスはラマンが有名だけれど、僕は太平洋の防波堤の防波堤のほうが断然好きだ。描かれて問題のスケールの大きさに圧倒されるし、登場人物達の個性が面白い。実体験に基づいているとはいえ、問題と対峙する人間への洞察力に圧倒される。
    サガンは、間違いなく偉大なストーリーテラーだと思う。これまで食わず嫌いで読んでこなかったが、本作のプロットは秀逸だし、人物造形もリアル。凄い想像力だと感じた。

  • 収録順ではなく以前より読みたいと思いつつなかなか読めなかった順に読み進めてみた。
    フランスの女性作家、十代の女の子が主役という共通点はあるものの、サガンの描く女の子は奔放で、デュラスは王子様願望のある内省的な女の子、といったイメージを持った。
    【悲しみよこんにちは 2015/02/28読了】
    サガンの処女作となるこの作品は、青春の鬱屈した気持ちが表現されていた。もう少し若い頃に読んでいれば、セシルの気持ちにより添えたかもしれない。
    だが今はアンヌの言い分もわかり、私は板挟み状態。
    【愛人 ラマン 2015/03/04読了】
    デュラスの自伝的作品。ジャンジャック・アノーにより映画化された作品で、当時かなり話題になったのを覚えている。平たく言ってしまうと、女子高生が援助交際をする話。
    細い糸でつながっている二人の関係が切なかった。
    【太平洋の防波堤 2015/03/12読了】
    被害を防ごうと防波堤を造ったもののあっけなく壊れてしまう。もう一度、防波堤を築こうとする母親を支えようとする息子ジョセフと娘シュザンヌ。
    家族の物語であると同時に、子供たちの成長を描いている。
    この作品を読み終えたのは、奇しくも東日本大震災から4年後の翌日だった。読んでいて、スーパー堤防を思い出してしまった。

  • デュラス作の『愛人ラマン』の映画を見た。

    映画館でやってたころに見たので20年位前に見て以来だ。

    主人公と同じくらいの年齢だったころ見るのと、年を重ねてから見るのとでは受ける印象が全く違う。

    高校生のころは主人公とチョロンの男との恋愛の映画だと思っていたが

    フランス人でありながら植民地のベトナムで貧困と崩壊している家族関係の中にいる少女、そして、大金持ちではあるけれど華僑の社会やしきたりの中で生きてゆくしかない男のやるせなさが描かれた社会派の映画に見えた。少女はチョロンの男の中にある富に魅かれ、男は少女の中にあるフランスに魅かれた。



    原作が読んでみたくなった。


    『太平洋の防波堤』は、デュラスの家族についてよく分かる作品だ。

    映画ではアヘン中毒の長男を溺愛し。

    主人公を虐待し、チョロンの男の前ではご馳走になっておいてレストランで居眠りを始めるようなぶっ壊れた母親だったが、フランスから移住したものの、夫に先立たれ

    全財産をなげうって役人から塩害で農作物も作ることができない土地を買い絶望する母。

    そこにさらに借金をして、防波堤を築き、それもまた無残に流されてしまう。

    不幸の上に不幸が重なりぶっ壊れても仕方なかったのかもしれない。


    『愛人ラマン』

    主人公の帰国によって、チョロンの男と別れることになる。

    帰国の船中で自分はチョロンの男を愛していたことに気づく。


    それから数十年経って男から電話がある。

    「以前と同じように自分はまだあなたを愛している。

    あなたを愛することをやめるなんて決して自分にはできないだろう、死ぬまであなたを愛するだろう。」

    恋愛が終わってから気づくことも多いね。

    気づいていても思うように行動できないこともある。


    でも、一生思い続けられる誰かがいるって素敵なことかもしれない。

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著者プロフィール

1935‐2004。フランス、カジャルク生れ。19歳の夏、デビュー小説『悲しみよこんにちは』が批評家賞を受け、一躍時代の寵児となる。『ブラームスはお好き』『夏に抱かれて』等、話題作を次々に発表した。

「2021年 『打ちのめされた心は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

フランソワーズ・サガンの作品

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