庭、灰/見えない都市 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)

制作 : 米川良夫  山崎 佳代子 
  • 河出書房新社
3.65
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本棚登録 : 156
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309709581

作品紹介・あらすじ

『庭、灰』-少年に多くの謎を残し、アウシュヴィッツで消息を絶った父。甘やかな幼年時代が戦争によってもぎとられ、逃避行を余儀なくされる一家の悲劇を、抒情とアイロニーに満ちた筆致で描く自伝的長篇。初邦訳。『見えない都市』-ヴェネツィア生まれのマルコ・ポーロが皇帝フビライ汗に報告する諸都市の情景。女性の名を有する55の都市を、記憶、欲望、精緻、眼差というテーマで分類し、見えない秩序を探る驚異の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「庭、灰」子供の頃の記憶は真珠に似てる。硬くて尖った小石を腹の中に飲み込んで、痛くても吐き出すことも出来ずに何年もかけて柔らかい膜で舐めて丸めてくるんでくるんで、出来上がった美しい宝石。第二次大戦下の東欧、ユダヤ人の父の不在、厳しい暮らしが核だけれど、なぜかやさしい輝きにつつまれているのです。

    「見えない都市」マルコ・ポーロがフビライ汗に語る都市の物語。それらの都市が実在するかとか、そんなのはどうでも良くて、語ることそのものが全て。架空の都市は私達の世界の寓意。とても面白かった。何度か読み返しそう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「子供の頃の記憶は真珠に似てる。」
      希い満ちている。それが美しく感じたのだろうか?(記憶が曖昧)
      キシュは近々「若き日の哀しみ」が東京創元社...
      「子供の頃の記憶は真珠に似てる。」
      希い満ちている。それが美しく感じたのだろうか?(記憶が曖昧)
      キシュは近々「若き日の哀しみ」が東京創元社から文庫になって復刊されるので、心して読みたいと思う。

      「語ることそのものが全て」
      カルヴィーノは、寓意に満ちた話やホラ話でも判るように、語るコト第一とした書き手ですね。。。
      「見えない都市」は、アイロニカルなタイトル通りで、見ようと言うか思い浮べようとするとイメージに逃げられてしまう。そして何故か東欧やバルカン作家に近い語り口で、それが光の乏しさを生んでいるような気がします。
      2013/08/06
    • yurinippoさん
      nyankomaruさん
      何を美しく感じたのか、私も記憶が薄れてきました(笑)
      ちょっと忘れることでソフトフォーカスがかかって、美しく見える...
      nyankomaruさん
      何を美しく感じたのか、私も記憶が薄れてきました(笑)
      ちょっと忘れることでソフトフォーカスがかかって、美しく見えるってことだったのかもしれません。

      カルヴィーノは何冊か積読があるのでした!早く読まなきゃ!
      2013/08/09
  • 文学

  • キシュの作品和訳久しぶり?
    カルヴィーノは既読だけど次回帰省で必ず買う!

  • じわじわと積み重ねた物語をすこしずつ剥がしていくとぼんやりと浮かび上がる家族の歴史

  • 斜光の小説。

  • 池澤夏樹編纂の世界文学全集。

    美しいけれど、どこか物悲しいキシュの「庭、灰」。
    マルコポーロがハーンに語る、摩訶不思議な都市群、「見えない都市」。

    両話ともどこか幻想的な世界。
    「絵画のよう」とは言いえて妙です。

  • [21][120906]<m市 『見えない都市』は野田秀樹で舞台化したらたのしそう。都市の描写にSF的なトリップ感と魅力がある。

  • 2011年10月28日読み始め 2011年10月24日読了。
    「庭、灰」はキシュの自伝的要素が高い物語。主人公が子供の頃を回想する形になってます。家族のこと、親戚のことは実話に近いらしい。
    母親が持っている食器や料理の思い出、謎多き父のこと、初恋のこと、などがセンシティブに語られています。美しいです。
    そして、キシュの父親は現実はアウシュヴィッツで亡くなったそう。物語の中で父親を生かそうとする子供の気持ちが伝わってきます。

    「見えない都市」は再読。考えるな、感じるんだ!と言い聞かせつつ読みました。シュールレアリズムの絵画を見るような感覚で読む小説だと思います。

  • [ 内容 ]
    『庭、灰』―少年に多くの謎を残し、アウシュヴィッツで消息を絶った父。
    甘やかな幼年時代が戦争によってもぎとられ、逃避行を余儀なくされる一家の悲劇を、抒情とアイロニーに満ちた筆致で描く自伝的長篇。
    初邦訳。
    『見えない都市』―ヴェネツィア生まれのマルコ・ポーロが皇帝フビライ汗に報告する諸都市の情景。
    女性の名を有する55の都市を、記憶、欲望、精緻、眼差というテーマで分類し、見えない秩序を探る驚異の物語。

    [ 目次 ]


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著者プロフィール

1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。

「2018年 『最後に鴉がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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