図説ロンドン都市物語: パブとコーヒーハウス

著者 :
  • 河出書房新社
3.18
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本棚登録 : 51
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309725833

作品紹介・あらすじ

ローマ時代のイン、中世の食卓、シェイクスピア時代の劇場、ペストとロンドン大火、18世紀のコヴェント・ガーデン、ヴィクトリア朝と水晶宮、世紀末のミュージック・ホール…鮮やかによみがえる都市の記憶。目で見るロンドン都市物語。

感想・レビュー・書評

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  • ☆酒場とコーヒーハウスと大火

  •  小林章夫の著書は「チャップ・ブック」「コーヒーハウス」「イギリス貴族」等々、いずれも愉しく読んだ。カズオ・イシグロの名も、氏に教わった。英文学の水先案内人のように思っている。

     時系列的にシャーロック・ホームズ最後の冒険は HIS LAST BOW。取り押さえた犯人に対し「抵抗するなら、この辺りのパブに新しい看板が増えてしまうぞ」と、そのような台詞がある。初読時はちんぷんかんぷん。今はホームズのユーモアが理解できる。
     本書は看板の写真多数収録。

  • 参考文献
    歴史

  • 歴史とそれにまつわるパブ等の変遷です。
    社会構造が変わることによって、形態が変わることが図解とともに書いてあります。

  • パブの看板や建物の写真が 素敵… 日本の居酒屋とは歴史も違うんだな…

  • ロンドンのいたるところにあるパブ。今のパブの形態になるまでには、大火災とか伝染病とか貧困とか華やかなロンドンのイメージの裏が見えた。資料の絵や写真が興味深かった。

  • パブとコーヒーハウスで辿るロンドン近代史

    読了日:2008.05.23
    分 類:一般書
    ページ:112P
    価 格:1800円
    発行日:1998年8月発行
    出版社:河合出書房新社
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    テーマ : ロンドン近代史
    語り口 : 教科書調
    ジャンル : 一般書
    対 象 : 一般向け
    雰囲気 : 図版豊富
    ---------------------------

    ---【100字紹介】-------------------
    イギリスでビールといえばパブ。
    130年ほど前から文献に登場するパブだが、
    それに当たるものはもっと以前からあった。
    中世ヨーロッパから現代まで、酒場と社交場から、
    ロンドンの市民生活を豊富な図版とともに辿る
    --------------------------------------

    「物語」とタイトルにつきますが、分類は歴史。都市としてのロンドン史で、視点が市民。切り口は副題の通り、パブとコーヒーハウス。なかなか斬新かも。

    イギリス人と深い関係のあるアルコールと言えばビール、らしいですね。そしてビールと言えばパブがなければ話にならない…らしい。パブは「パブリック・ハウス」の略語で、公共の家、ということ。一種の社交場なのです。人が集まるところに、歴史が見える、と。パブ自体が文献に登場するのは130年くらい前(ただしこの本自体が10年前に出ているので、本日から見れば(140年くらい前、というのが正しいところか)。ただし、その前身ともいえる「パブリック・ハウス」に当たるものはもっと以前からあって、それが「タヴァン」「エールハウス」「イン」である…と続きます。そしてその3つの説明から、歴史の中に飛び込んでいきます。

    スタート地点が上記の3つで、中世から。その後はそれらの変遷を辿りつつ、新しい方へ順に進んでいきます。その話題は様々で、個性的なパブの看板たちをカラー写真で紹介したり、旅の話、娯楽の話、公衆衛生の話…、いかにパブというものが、市民生活に密接に関わっていたかが分かります。それと、その周辺を語ることで、その時代の市民と、そして時代がともに語られてくることで。なかなか面白い切り口、ということですね。


    基本的には教科書調の事実としての解説的文章ですが、そこまで重くはないかな。でも軽くもないですけれども。そこそこ学術的な雰囲気もあり。一番見るべきところは「図説」というタイトルを冠しているだけあって、図版が豊富であるところでしょうか。実に様々な写真や絵が、入っています。図版が1つもないページなんてないくらい、図版に埋もれているといいますか。古い絵であったり、今の姿の写真であったり。ロンドンの今と昔を総合的に旅した気持ちになれるかも?

    日本で言うところの「江戸」であるロンドン。この前、その江戸の市民生活の本を読んだところでありますので、その違いというのもなかなか面白いと思います。国が違えばこんなにも違うのかというか。そういう読み比べも、結構楽しいかも?


    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    学 術 性 :★★★
    簡 潔 性 :★★★
    独 自 性 :★★★+
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------

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著者プロフィール

小林章夫(こばやし・あきお)
1949年東京生まれ。
上智大学文学部英文学科教授・博士(文学)。
同志社女子大学教授などを経て現職。
18世紀のイギリス文学を足がかりに、
近代イギリス文化を多彩な視点からとらえる。
主な論文・著書
「憂鬱な詩人 アレグザンダー・ポープと
政治諷刺」
『チャップ・ブックの世界』(講談社学術文庫)
『イギリス紳士のユーモア』(講談社学術文庫)
『コーヒー・ハウス』(講談社学術文庫)
『田園とイギリス人—神が創りし天地で』
(NHKブックス)
『東は東、西は西—イギリスの田舎町からみたグローバリズム』(NHKブックス)
『おどる民 だます国—英国南海泡沫事件
顛末記』(千倉書房)
主な訳書
ヒュー・ジョンソン『ワイン物語』(平凡社
ライブラリー)
テリー・イーグルトン『アフター・セオリー
—ポスト・モダニズムを超えて』(筑摩書房)
ドミニク・チータム『「くまのプーさん」を
英語で読み直す』(NHKブックス)など。

「2009年 『アメリカ〈帝国〉の苦境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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