昭和のキモノ 和服が普段着だったころ (らんぷの本)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309727523

作品紹介・あらすじ

昭和の家族の思い出は、いつもキモノとともにあった。割烹着姿で働くお母さん、丹前でくつろぐお父さん。金魚柄の浴衣、お風呂あがりのちゃんちゃんこ。もんぺ。ねんねこ半纏、黒の絵羽織。昭和のくらしを彩ったキモノの数々を満載。『昭和のくらし博物館』『ちゃぶ台の昭和』に続くシリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 祖母たちの時代には身近な存在であった着物。本書には市井の人々の写真が晴れの日、ケの日に纏っていた着物が気取ることなく載っています。表紙の写真が母に見せてもらった祖母が着物に割烹着姿の家族写真に似ていて、読んでいて大変懐かしい気持ちになりました。アンティーク着物でもない、コスプレ感覚でもない普段着としての着物。コラムもたくさんで読み応えがあります。

  • 戦前、大きく花開いた着物文化が、戦後、一転して日常着としての役割を洋服に譲らざるを得なくなりました。

    そんな着物の歴史とは、普通の人々の日常の積み重ねなのだということを教えてくれた本です。

    続きはこちら⇒http://wanowa.jugem.jp/?eid=791#sequel

  • 日本に生まれたからには着物好きは殆んどだろう。昭和の懐かしい写真を見ているともっと着物人口の増えることを心から望む。

  • <b>■温故知新でキモノを平成にも残すための足がかりになる一冊</b><br>本書は「キモノの最後となった昭和のキモノ」(著者の見解)に絞り、風俗写真から「主婦之友」のまで多様な画像・図録(118ページの「あやめの汗取り-汗のシミは婦人の恥!」の広告には笑えます)を使って「科学的」に「キモノの衣文化」を解明した本。「我が家のキモノものがたり」では著者の数世代に渡っての着物の家庭内の地位の変遷をリアルに紹介した、興味深い内容。昭和の女性の所有キモノの枚数から、戦争中のキモノ、百貨店の(キモノ販売の)役割、柄と流行など多岐渡って調査、研究しています。「着物を着る」と経験する不都合や疑問点。それを解決するには「昔の人はどうしていたのだろう?」と思うことが皆さんにもあるのでは。生き証人が身近にいない昨今、本書は服飾・文化史の観点でキモノとの付き合い方の勇気を与えてくれます。キモノの不自由さが時代の変遷とともの生じようとも、その状況に応じて、着物を着易くする工夫と努力があったことを知るという、温故知新。古(いにしえ-とっても昭和だけれど!)から現代に繋がる、着物を未来に残すためのヒントを探す手がかりになる一冊だと思います。特に、洋装の普及に対抗できず、きもの産業を担えなかった(キツくてすみみません-苦笑)いわゆる呉服業界の男性に、女性、着物ユーザーの視点を意識して、読んでもらいたいと思いました。面白い一冊だと思います。【着物好き・きもの業界関係者向け】(と)

  •  和服が普段着だった時代の昭和のキモノ事情が詳しく書かれています。 ただ著者が事あるごとに、着物がいかに不自由で活動的でないかを書いていることが気になります。

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著者プロフィール

1933年東京生まれ。登録文化財昭和のくらし博物館館長・家具道具室内史学会会長・工学博士。専門は家具道具室内史と生活史。著書に『家具と室内意匠の文化史』(法政大学出版局1979)、『簞笥』(同1982)、『和家具』(小学館1996)、『船簞笥の研究』(思文閣出版2011)、『「日本の住宅」という実験──風土をデザインした藤井厚二』(農文協2008)、『道具が語る生活史』(朝日新聞出版1989)、『昭和のくらし博物館』(河出書房新社2000)、『台所道具いまむかし』(平凡社1994)、『くらしの昭和史──昭和のくらし博物館から』(朝日新聞出版2017)、『昭和の家事──母たちのくらし』(河出書房新社2010)。
訳書に『イギリスの家具』(西村書店1993)、『図説イギリス手作りの生活誌』(東洋書林2002)。
英文図書Traditional Japanese Furniture(講談社インターナショナル1986)、Traditional Japanese Chests(同2010)。
記録映画「昭和の家事」を制作(2010)。

「2020年 『掃除道具』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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