佐々木マキ: アナーキーなナンセンス詩人 (らんぷの本)

著者 :
制作 : 小原 央明 
  • 河出書房新社
3.74
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本棚登録 : 232
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309750033

作品紹介・あらすじ

佐々木マキの素敵なナンセンス・ワールドにようこそ!佐々木マキという作家は、きわめて多彩な表情を持っています。その名前は聞く人によってさまざまに異なったイメージを呼び起こすことでしょう。たとえば、子どものころに読んだ忘れられない絵本の作者。あるいは1960年代末に「ガロ」でセンセーションを起こした前衛マンガ家。はたまた村上春樹の初期小説の装画なども手掛けるイラストレーター……。本書は、多様な分野で活躍する佐々木マキの仕事を一望する、画期的な入門書です。また、未発表のイラストや資料も多数収録した、貴重な作品集でもあります。特別寄稿:林静一/俵万智/夏目房之介/南伸坊

感想・レビュー・書評

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  • 自分の子どもたちが小さい時に、この人の絵本を何冊も読み聞かせしたけれど、最初読んだときはぶっ飛んだものだ。シュールでナンセンスな味わいに驚いたのだが、親も子どもたちも大好きだった。
    あの伝説の「ガロ」で漫画デビューし、本の表紙・挿絵、絵本などで活躍し現在に至っている。それを時代順に追って、漫画、イラスト、絵を散りばめながら解説を加え、最後にインタヴューも載せている。
    この一冊で佐々木マキの世界に浸りきり堪能した。初期のアナーキーな漫画も面白い。でもやっぱり絵本だよなあ。最高に素晴らしい。

  • 漫画家であり、絵本作家であり、村上春樹の小説の表紙の人としても知られる佐々木マキの仕事集。

    私はもっぱら絵本作家としての彼にずいぶんと楽しませてもらったしもらっている。
    「変なお茶会」、「ムッシュ・ムニエル」シリーズ、「ぶたのたね」シリーズなど、どの絵本も大好き。

    (そうそう、「変なお茶会」も「ぼくがとぶ」も、マイベスト作家のひとり、稲垣足穂にインスパイアされた絵本だったと知ってわけもなく狂喜。ヒコーキとココア)

    東京でガロに漫画を描いていた若い頃のナンセンス作品は時についていけなくなるくらいに尖っている。でも絵がやっぱり超いい。

    その後、物語的なものへ向かうとともに、佐々木氏は京都へ移住。
    これも本書のインタビューで初めて知ったのだが、彼が絵本を書き始めたきっかけは、なんとあの、インドを題材にした絵をよく描いた秋野不矩だった! もう一度狂喜。

    (秋野つながりならなんでもと、京都は四条富小路で、息子の等氏が住職を務めるお寺にまで押しかけ、藤森照信氏が設計した茶室「矩庵」を見にお邪魔したのが懐かしい。そこにも秋野不矩作品が飾られていた)

    そんな彼女は京都市立芸術大学の恩師なのだそう。彼女が福音館書店に佐々木マキを紹介した。多謝。

    さらに福音館書店の松井氏が、絵本の書き方の参考にと、モーリス・センダックのIn The Night Kitchenを渡した。こうして絵本作家・佐々木マキの第1作「やっぱりおおかみ」が誕生。多謝。

  • 楽しみ!

    河出書房新社のPR
    「「やっぱりおおかみ」などの絵本作家、漫画家、イラストレーターと多方面で知られる佐々木マキの初の総特集。シュールでポップ、不思議だけどかわいいナンセンス・ワールドにようこそ。」

  • 高校に入学して、
    8EM、そして山®と言う親友が出来たのは
    「こどものとも」を幼い日愛読していた、
    と言う話になったのがきっかけだったのははっきり覚えている!

    その幼い日、「すてきなバスケット」と言う、
    この上なく面白い絵本を、何度も何度も読んだっけ。
    前述の山®とも盛り上がったのが、
    「『すてきなバスケット』に出てくる、おおかみが頼んだ
    トンカツが美味しそうで…!」と言う話だったっけ。
    そして、この本でもそのページが開いて写ってる!
    作った人も、あのシーンが好きなのね。
    ラストが残念で残念で、
    「おおかみときつね、ばっかだなあ!!」とがっかりしたなあ。

    また、ムッシュ・ムニエルと言うヤギの魔術師の絵本も
    弟と熱心に読んだ。
    弟か兄がサーカスの巻でおばあさんがどのページでも編み物している
    と気付いて、最後に…、と本編と違うところでも
    面白いおまけがあって、ひゃひゃひゃとなった思い出が…。

    モダンだったり、可愛らしかったり、不思議だったり、
    色々な画風、
    佐々木マキさんのほとばしる才能をまんべんなく見ることが出来る
    素敵な一冊。

    そして先日実家にて、どこかにしまったはず、でもみつからなかった、
    母上選り抜き絵本が一式
    発掘され、もちろん「すてきなバスケット」が出てきた!

    まぁ、その絵本のぼろかったことといったら嬉しくなるほどであった。
    幼い子らに愛された絵本はとにかくぼろくなる!
    ぼろいは絵本の勲章!

    同じくらいぼろかったのが「ぼくのぱんわたしのぱん」!
    これも美味しそうでね!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ぼろいは絵本の勲章!」
      その通りですねぇ、好きな本は何度でも繰り返して読みますからね!
      私の場合、処分されてしまったのですが、最近捨て...
      「ぼろいは絵本の勲章!」
      その通りですねぇ、好きな本は何度でも繰り返して読みますからね!
      私の場合、処分されてしまったのですが、最近捨てられたと思っていた岩波少年文庫が出てきて嬉しくなってます。
      2014/02/04
    • 日曜日さん
      nayncomaruさん、
      岩波少年文庫と福音館にはお世話になりっぱなしです。私は「小公子」とかも旧訳のほうが好きですが、いかがでしょうか...
      nayncomaruさん、
      岩波少年文庫と福音館にはお世話になりっぱなしです。私は「小公子」とかも旧訳のほうが好きですが、いかがでしょうか…。
      2014/02/17
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「旧訳のほうが好きですが」
      実は私も、慣れ親しんだ所為でしょうか?
      福音館古典童話シリーズは、とっても贅沢な1冊で。読むのが誇らしく感じ...
      「旧訳のほうが好きですが」
      実は私も、慣れ親しんだ所為でしょうか?
      福音館古典童話シリーズは、とっても贅沢な1冊で。読むのが誇らしく感じたのを思い出します。。。
      2014/02/17
  • 私もこうやって絵が描けたら、楽しいだろうな。
    そんなふうに思った。
    不思議でかわいい絵。
    優しさと楽しさを感じる。
    私としては、マンガ以上に、挿絵や絵本のページに心ひかれる。
    この本の表紙も好きだし、P112の絵や版画なんか、とても素敵だ。
    マキさんの絵本を読んでみたくなった。
    「やっぱりおおかみ」の絵は、すごく好きだな。

  • 購入希望。マキさんの全仕事がここにある!
    そう、幼い頃マキさんの絵本で育ちました。人攫い的感覚と理不尽ワールドが、子ども心に怖いもの見たさの心境で目が離せませんでした。
    マキさんが装画を手がけた作品は、文章と融合して素敵な化学反応を起こしますよね。
    好きな作品はそれこそ色々ありますが、やっぱり『やっぱりおおかみ』かな。

  • とてもよくできている本なのだけど、本についての説明が全部最後に載っているインタビューから構成されているので全く同じ内容を二回読む感じで、ちょっとイラッとしてしまった。

    それはともかくとして、佐々木マキの絵は本当に素敵だ。私の初恋はもしかしてムッシュムニエルなのではないか。
    まちにはいろんなかおがいて、のことは載ってないのでちょっと残念。

  • 読み進めながら、読みたいリストがズラズラ増えていく。作者が自分と同い年で、ジェラシー!!!

  • 佐々木マキさんって、ほんと不思議な「アーティスト」だなぁ。

  • 2015.9.19市立図書館
    わがやではおとなもこどももぞっこんの佐々木マキ大特集。
    ガロに投稿した前衛漫画デビューから、いかにして絵本、挿絵の世界へ活躍の場を広げていったか。巻末のロングインタビューが読み応えあり(本体に散りばめられた解説文を全部とばしてもここだけ読めば必要なことがまとまっている)。
    ご自身の中ではマンガも絵本も地続きなのに、マンガをかいているころは友だちがたくさんいたのに、絵本をやるようになってからは同業の友だちはほとんどいないとか聞くと、そうなのか…と思う。
    著作目録を見ていると、ほしい絵本がいろいろ出てきて困る。

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著者プロフィール

1946年兵庫県神戸市生まれ。マンガ家、絵本作家、イラストレーター。1966年「ガロ」「朝日ジャーナル」を中心に自由で実験的なマンガを立て続けに発表。1973年、福音館書店より『やっぱりおおかみ』を刊行。「こどものとも」などで独創的な絵本を多数発表する。マンガ作品集に『佐々木マキ作品集』『ピクルス街異聞』『佐々木マキのナンセンサス世界』『うみべのまち』。絵本に『やっぱりおおかみ』『ねむいねむいねずみ』『ぶたのたね』『ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします』『おばけのばむけ』ほか多数。エッセイ集に『ノー・シューズ』がある。京都市在住。

「2016年 『村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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