図説 ロシアの歴史 (ふくろうの本)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309761435

作品紹介・あらすじ

広大な大地に多民族が紡いできた壮大な歴史。ロシアの古代から現代までをひもとく永久保存版。なぜ、革命はおきたのか?強権による専制はどうして必要だったのか?近くて遠い国、ロシアの真実。

感想・レビュー・書評

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  • 大変読みやすく網羅的だ。ロシア通史の新書は存在していないが、本書がまさにその役割を担うものといえる。内容についても示唆に富むもの、頷けるものばかり。ロシアについて考えるうえで、頼りになる一冊だ。

  • ロシアはその歴史のはじめから諸民族との接触を運命づけられていた。
    キリスト教はロシアに多くのものをもたらした。
    キエフはキリスト教をベースにヨーロッパのひとつの国となった。
    ピョートル大帝はオランダ、イギリスで造船術などを学んで帰国後、ロシアを西欧化、つまり近代化に着手した。
    1930年代のスターリン体制は安定していたが、大テロルという矛盾した体制だった。
    アンドロポフとチェルネンコは、ペレストロイカのゴルバチョフまでの中継ぎ。
    困難の多くはロシアがヨーロッパの辺境に位置しながら、歴史の歩みを遅れて開始したことにあった。

  • ふむ

  • ロシアの歴史を読みたくなった。統一国家としての歴史が意外と浅い。

    -9世紀にキエフ大公国が成立する
    -10世紀 キリスト教を受容
    -12世紀 複数の公国に分裂(分領制)
    -13世紀 モンゴル人の支配下
    -1448 ロシア正教会成立(1453ビザンツ帝国滅亡)
    -1553 イヴァン雷帝即位、1547 ツァーリとして戴冠
    -1613 ロマノフ朝
    -1689 ピョートル大帝
    -18世紀 女帝がつづく(エカチェリーナ1世、アンナ、エリザヴェータ、エカチェリーナ2世)
    -1812 祖国戦争(ナポレオン戦争)
    -1853 クリミア戦争 →極東で南進へ
    -1917 ロシア革命(ソビエト連邦)
    -1922 スターリン
    -1953 フルシチョフ
    -1964 ブレジネフ
    -1985 ゴルバチョフ
    -1991 ソ連崩壊


    <目次>
    1 ロシアという国
    2 キエフ・ロシア(キエフ大公国) ロシア史の揺籃時代
    3 「タタールのくびき」 モンゴル支配下のロシア
    4 モスクワ大公国 ユーラシア帝国への道
    5 近代ロシア帝国? 貴族と農奴のロシア
    6 近代ロシア帝国? 苦悩するロシア
    7 ソヴィエト・ロシア 社会主義をめざすロシア
    8 ペレストロイカからロシア連邦へ 今日のロシア

    <メモ>
    困難の多くは、ロシアがヨーロッパの辺境に位置しながら、歴史の歩みを遅れて開始したことに起因していた。ロシアがヨーロッパに追いつくことは容易でなく、しばしば無理な、あるいは自然に逆らった方式で課題の遂行を行わざるをえなくされたのである。

    都市、ブルジョアジー、第三身分、市民階級の未成熟、農奴制の長期の存在といった歴史上の諸問題が関係してくる。政治的には強力すぎる国家と、国民・個人あるいは社会の未成熟という問題に集約されるような諸論点。


    2014.03.15 読書開始
    2014.03.16 読了

  • (2016.04.14読了)(2016.04.10借入)
    トルストイの『戦争と平和』を途中まで読んでいるのですが、ロシア革命以前のロシアについて知らないことに気がついたので、ちょっと寄り道で、この本を図書館で借りてきました。
    写真や図版が多いので、すぐ読めるかと思ったのですが、三段組になっているので、結構読むのに時間がかかりました。175頁なのですが、300頁ぐらいの内容が詰まっているようです。

    ロシア史の始まりは、9世紀終わりごろの(ウクライナの)キエフからということです。
    同じころ、ビザンツ帝国からキリスト教を受け入れヨーロッパの文化を受け入れる素地ができた。
    13世紀は、モンゴルの時代です。
    15世紀後半は、イヴァン三世の時代、16世紀半ばは、イヴァン四世(雷帝)の時代です。
    17世紀にロマノフ朝が成立しています。17世紀末にピョートル大帝の時代が来ます。
    18世紀後半は、エカチェリーナ二世の時代です。
    1801年にアレクサンドル一世が即位しています。トルストイの『戦争と平和』は、この時代を舞台とした物語です。
    この後ニコライ一世、アレクサンドル二世、アレクサンドル三世、ニコライ二世と続き、1917年にロシア革命がおこり、ロマノフ朝は終わります。
    その後、レーニン、スターリン、フルシチョフ、ブレジネフ、と指導者が変わってゆきます。
    フルシチョフは、1953年から1964年まで。ブレジネフは、1964年から1982年まで。
    ソ連邦が消滅したのは、1991年12月です。
    プーチンさんの時代は、1999年12月に始まります。2016年4月現在も君臨していますので、ブレジネフさんの次に長いですね。

    【目次】
    第1章 ロシアという国
    第2章 キエフ・ロシア(キエフ大公国)―ロシア史の揺籃時代
    第3章 「タタールのくびき」―モンゴル支配下のロシア
    第4章 モスクワ大公国―ユーラシア帝国への道
    第5章 近代ロシア帝国①―貴族と農奴のロシア
    第6章 近代ロシア帝国②―苦悩するロシア
    第7章 ソヴィエト・ロシア―社会主義をめざすロシア
    第8章 ペレストロイカからロシア連邦へ―今日のロシア
    ロシア史略年表
    参考文献 あとがき

    ●キリスト教(10頁中段)
    ロシア人のキリスト教は何かを排除するのではない、むしろ包み込む、そういうものであった。
    ●デカブリストの乱(87頁中段)
    デカブリストの乱は一定の政治目的を掲げたロシア最初の革命の試みであったが、蜂起自体の準備が十分でなかっただけでなく、当事者に広く国民に訴え組織化するという志向性もなかったために、簡単に鎮圧されてしまった。広く社会に働きかけ、国民を組織するためには、前提としてまず世論ないし教養ある社会というものが存在しなければならなかったが、その創造こそが、まさにその後の19世紀ロシアが取り組まなければならない課題であった。
    ●国家の発展(97頁)
    国民の自由と権利の拡大をはかることなく、国家を発展させることは、長期的に見ればやはり無理な話であった。
    ●自由と生活保障(164頁下段)
    多くの人々はペレストロイカ期に手にした自由および民主的権利と、ソ連時代のような国家による生活保障の双方を同時に享受したいと望んだのである。

    ☆関連図書(既読)
    「トルストイ『戦争と平和』」川端香男里著、NHK出版、2013.06.01
    「戦争と平和(一)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.01.17
    「戦争と平和(二)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.02.16
    「戦争と平和(三)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.03.16
    「ロシア革命運動の曙」荒畑寒村著、岩波新書、1960.07.18
    「誰も書かなかったソ連」鈴木俊子著、サンケイ新聞社、1970.06.10
    「現代ソ連論」菊地昌典著、筑摩書房、1977.11.30
    「ロシアの心・ロシアの風景」木村浩著、NHKブックス、1984.10.20
    「なぜソ連は信用できないか」宮崎正弘著、アイペック、1988.07.25
    「ソ連の没落」宮崎正弘著、太陽企画出版、1989.05.06
    「ソビエトとロシア」森本良男著、講談社現代新書、1989.12.20
    「紊乱のロシア」野田正彰著、小学館、1993.02.10
    「聖ロシアの惑乱」野田正彰著、小学館、1998.10.20
    「ロシアを読み解く」廣岡正久著、講談社現代新書、1995.06.20
    「悲劇のロシア」亀山郁夫著、NHK知るを楽しむ、2008.02.01
    (2016年4月18日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    広大な大地に多民族が紡いできた壮大な歴史。ロシアの古代から現代までをひもとく永久保存版。なぜ、革命はおきたのか?強権による専制はどうして必要だったのか?近くて遠い国、ロシアの真実。

  • スターリン時代が恐ろしい。

  • 図も多いし、わかりやすい。時折見える筆者の方の考え方も素晴らしい。筆者の、歴史人物や歴史制度に対して、評価を敢えて明確にしない、また評価に対して慎重になるべきだというような歴史哲学が伝わってくる。

  • (要チラ見!) ロシア

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著者プロフィール

1944年岩手県生まれ。北海道大学名誉教授。
著書:『ボリス・ゴドノフと偽のドミトリー──「動乱」時代のロシア』(山川出版社、1997年)、『タタールのくびき──ロシア史におけるモンゴル支配の研究』(東京大学出版会、2007年)、『図説 ロシアの歴史』(河出書房新社、増補新装版、2014年)、『『ロシア原初年代記』を読む──キエフ・ルーシとヨーロッパ、あるいは「ロシアとヨーロッパ」についての覚書』(成文社、2015年)、『イヴァン雷帝の『絵入り年代記集成』──モスクワ国家の公式的大図解年代記研究序説』(成文社、2019年)、『世界の歴史(11)ビザンツとスラヴ』(共著:井上浩一、中央公論社、1998年/中公文庫、2009年)
訳書:A・Ia・グレーヴィチ『歴史学の革新──「アナール」学派との対話』(吉田俊則と共訳、平凡社、1990年)、R・G・スクルィンニコフ『イヴァン雷帝』(成文社、1994年)、モーリーン・ペリー『スターリンとイヴァン雷帝──スターリン時代のロシアにおけるイヴァン雷帝崇拝』(成文社、2009年)

「2022年 『『絵入り年代記集成』が描くアレクサンドル・ネフスキーとその時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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