図説 騎士の世界 (ふくろうの本/世界の歴史)

著者 :
  • 河出書房新社
3.78
  • (2)
  • (11)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 93
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309761824

作品紹介・あらすじ

ときに君主や神のために勇猛果敢な戦いをくり広げ、ときに風雅な趣味人として宮廷に華を添えた、中世ヨーロッパ社会の立役者-騎士。今もファンタジー世界で脈々と生き続けている彼らだが、その実態はあまり知られていない。騎士たちは何のために剣をとったのか、めざす道はどこにあったのか。騎士の誕生から没落まで、歴史のドラマを追いながら、その真の姿に迫る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中世騎士の地位やイメージの変遷、騎士団、儀礼、武具と馬、騎士物語などなど。騎士のあり方には聖俗の思惑や理想と現実がせめぎあっていたという印象を受けるが、騎士道を称揚するフィクションが現実の騎士の振る舞いにも影響を及ぼしていたというのがおもしろい。

  • ふむ

  • ファンタジーにはお馴染みの騎士について広範な情報が得られる一冊。史実に置ける騎士道と宮廷愛、騎士の衰退過程には特にページを割いている。貨幣経済の浸透、弩の普及により歩兵でも甲冑を貫けるようになったこと、傭兵や国王常備軍の浸透、これらの複合的な要因が騎士を衰退せしめ、騎士を名誉称号たらしめたものといえる。

  • 図説が多くて読みやすかった。騎士の華やかな点だけでなく、悪徳騎士の横行や没落についても掘り下げて欲しかった。

  • 騎士という身分がさまざまな階層に広がり、また逆に成員を絞ろうとする動きが出てくるという変遷が面白い。騎士の軍事的な地位、社会的な地位、道徳としての騎士道の地位の変遷などが図と共にまとめられている。

  • 騎士についてしることができるだけだなく、綺麗な絵がたくさん載っているところもよいです。

  • (目次)

    第一章 騎士の誕生と活躍
    ゲルマンの戦士たち/フェーデ・十字軍・ブーヴィーヌの戦い/家臣としての騎士/騎士と貴族/騎士の時代

    第二章 騎士団
    聖ヨハネ騎士団/テンプル騎士団/スペインの騎士団/ドイツ騎士団

    第三章 儀礼と遊戯の世界
    騎士叙任式/臣従礼/騎馬槍試合/狩り

    第四章 騎士道
    騎士の美徳とは何か/騎士の育成/宮廷風恋愛/王様の騎士道

    第五章 武器と甲胄
    卑怯な弓/剣と槍/甲冑の変遷/百年戦争と火器の登場

    第六章 もう一人の主役ーー「馬」の歴史
    アラビア馬の導入と馬の飼育交配/馬の使い分け/仲間としての馬

    第七章 物語のなかの騎士
    武勲詩/宮廷風ロマン/アーサー王伝説/揶揄される騎士たち/『狂えるオルランド』と『ドン・キホーテ』

    第八章 騎士身分の民主化と閉鎖化
    後期中世の社会と騎士/歩兵と傭兵の擡頭/都市当局による騎士身分の授与/世俗騎士団の叢生/恩賞としての騎士称号

    おわりに

    コラム
    1 バイユー・タペストリー
    2 騎士姿のジャンヌ・ダルク
    3 理想の騎士ーーウィリアム・マーシャル
    4 騎士と城
    5 白鳥の騎士

    参考文献
    池上俊一『儀礼と象徴の中世』(ヨーロッパの中世8)2008年
    須田武郎『騎士団ーーTruth In Fantasy 78』2007年
    橋口倫介『騎士団』1971年
    リチャード・ハーバー『図説 騎士道物語ーー冒険とロマンスの時代』1996年
    J・M・ファン・ウィンター『騎士ーーその理想と現実』1982年
    ヨアヒム・ブムケ『中世の騎士文化』1995年
    トマス・ブルフィンチ『中世騎士物語(改版)』1980年
    シドニー・ペインター『フランス騎士道ーー中世フランスにおける騎士道理念の慣行』2001年
    マシュー・ベネット他『戦闘技術の歴史2:中世編AD500-AD1500』2009年
    アンドレア・ホプキンズ『図説 西洋騎士道大全』2005年
    渡辺節夫「ヨーロッパ中世社会と騎士ーーフランスを中心として」『歴史と地理』631[世界史の研究222]2010年2月、1-15頁
    その他

  • 資料として。

  • 【新刊情報】図説騎士の世界 230.4/イ http://tinyurl.com/84ra5az 中世ヨーロッパ社会の立役者、騎士。だが、その実態はあまり知られていない。騎士たちは何のために剣をとったのか。騎士の誕生から没落まで、歴史のドラマを追いながらその真の姿に迫る。 #安城

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京大学名誉教授

「2022年 『歴史学の作法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上俊一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×