図説 中世ヨーロッパの暮らし (ふくろうの本)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 236
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309762272

感想・レビュー・書評

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  • 中世ヨーロッパの庶民の暮らしはどのようなものであったのか。
    特に農村と都市に焦点を当てて、豊富な図版と共に紹介。
    序章 中世ヨーロッパの世界ー農村と都市
    第1部 農村の暮らし
       第1章 中世農村の誕生  第2章 農民と領主
       第3章 村の姿      第4章 農民の仕事
    第2部 都市の暮らし
       第5章 中世都市の誕生  第6章 都市の労働 
    第3部 中世人の日常
       第7章 中世の人々の一年と一生  第8章 衣食住
    コラム有り。図版はカラーとモノクロ。参考文献有り。
    ヨーロッパ中世期の主に、農村と都市に焦点を当てて解説。
    127ページと、ページ数は少ないけれど各事項の概要は、
    領主や教会との関係、農業の発達、市場や広場の役割、
    都市化のプロセスには非農業的集落、商人の定住、手工業や金融、
    大陸であったことで物資が流通し、国際商人の活躍が広がった
    ことなど、凝縮された文章で分かり易い内容になっています。
    産まれ~死ぬまでの庶民の一生、施療院、災厄の影響、衣食住にも
    ふれられています。
    そして豊富な図版が、仕事の様子や栽培された野菜や果物、
    建物や服装等を視覚で捉えることが出来ます。
    参考文献には日本語のものが多く紹介されているので、
    更に詳しく知りたいときの指標として、便利です。

  • 農業革命からの人口増、村落共同体の発展と余剰取引のための商業活動の活性化を経て、人々の生活の比重が次第に農村から都市へと移っていく、と理解する。農村と都市、それぞれの解説がわかりやすく、「図説~」シリーズだけあって視覚的なイメージを広げるのに役立った。意外だったのは農村の人々の暮らしの中に森が組み込まれているという点で、昔話の中で森が人間の世界と異なる世界の象徴として扱われていることを思うと少し不思議な感覚だった。

  • この本は図版が多いので眺めてて楽しいですが、この時期の絵画は表情やポーズに何とも言えない哀愁というか滑稽みが(現代の視点で見ると)あって、ついニヤニヤしてしまいます。絵の他に写真も多く、ジャンヌダルクの生家が立派な建物なのは初めて知りました。
    なお、一番印象的だったのは13世紀パリの徴税台帳に載っていた「剛腕のギョーム」さんです。他は氏名、名のみ、出身地と名といった形式で記載されているのに、ギョームさんのみ二つ名。よっぽどの力持ちだったのか、腕相撲でも強かったのか、他に特徴がなかったのか。当時はそんな適当でも徴税できていたのも驚きの色々気になる人物です。

  • 当時に描かれた図画や現在の写真をカラーで豊富に掲載してあるので、ほかの書籍では文章から想像するしかなかった部分も補足することができたし、この書籍の説明も理解しやすかった。特に、当時の農家の建物については理解が深まったと思う。ただ、「中世」という長い時代を割と薄い書籍にまとめてあるために「中世」の中での変遷や地域差などは分かりづらく、この書籍を導入部としてさらに興味ある分野について深めていくと良いと思う。

  • ふむ

  • 5/9はヨーロッパ・デー
    中世ヨーロッパの庶民の暮らしや生涯を豊富な図版で追体験するための一冊を。

  •  図書館より

     中世ヨーロッパの農民たち、都市部の住民の生活の様子が書かれています。

     中世ヨーロッパといえば、様々なファンタジー作品のモチーフで使われている時代です。なので、こうした本を読んでいると、あのファンタジーの世界の住人達も普段は、こんな生活を送っているのかな、と想像が捗ります。

     ありがたいのは各ページで使われる様々な写真や絵の数々。一ページ一枚どころか、数枚の写真や絵が使われていて、これらの図をパラパラと見ているだけでも、面白かったりします。

  • 農業の発達が人々の暮らしや社会生活に大きな影響を与えていることが分かった。法律の勉強の前に、歴史の勉強が重要と思う。

  • 中世ヨーロッパの庶民の日々の過ごし方や生涯とは? 生活環境、衣食住、暦、労働、職業、宗教、教育……農村と都市、それぞれの生活を豊富な図版で追体験。

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著者プロフィール

1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋史専攻博士課程中退。現在、首都大学東京教授。専門は中世ネーデルラントを中心とする都市史、社会史。著書に『ヨーロッパの中世2 都市の創造力』など。

「2015年 『図説 中世ヨーロッパの暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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