ナツメグの味 (Kawade Mystery)

  • 河出書房新社 (2007年11月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (308ページ) / ISBN・EAN: 9784309801063

みんなの感想まとめ

多様な短編が収録された作品は、特に表題作が印象的でありながら、全体を通して一貫したテーマや結論が感じられないことから、読者に自由な解釈を促す不条理な魅力を持っています。物語の中には、ナツメグをテーマに...

感想・レビュー・書評

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  • タイトル作品が秀逸な怖さだったか
    残念なことにほかの作品はやや退屈で「早く読み終えたいなぁ」と感じた

  • 収録作品

    ナツメグの味
    特別配達
    異説アメリカの悲劇
    魔女の金
    猛禽
    だから、ビールジーなんていないんだ
    宵待草
    夜だ!青春だ! パリだ! 見ろ、月も出てる!
    遅すぎた来訪
    葦毛の馬の美女
    壜詰めパーティ
    頼みの綱
    悪魔に憑かれたアンジェラ
    地獄行き途中下車
    魔王とジョージとロージー
    ひめやかに甲虫は歩む
    船から落ちた男

    どれもブラックな結末のショートショート。読みやすくて1日で読めた。
    一番分かりやすくて面白かったのは『夜だ!青春だ! パリだ! 見ろ、月も出てる!』。勢いが好き。
    女性蔑視の描写が多く、コンプレックスがあったのかなと邪推してしまった。
    ちゃんと読まないと、いきなり場面や語り手が変わるので何度か混乱した。
    結局どんなオチ?というふんわり終わる話もいくつかあったけど、著者は詩人を目指していたらしく納得。
    好みが分かれそうな作風だろうなぁー。
    読んでいてどんよりした気持ちになるので私にはイマイチだった。
    でももう一冊くらいは読みたくなってしまう。結局無意識にこの感じが癖になってしまってるのかも。

  • 面白く読めるが、読み終わると印象に残るのは表題作なのかなあ。全体的にそうだが、「まとめ」がない。勝手に解釈してよ、もう、という苛立ちさえ感じる。ナツメグは大量摂取するとマリファナのような作用があるらしく、ある男が友人宅で眠りこんで、起きたら血の海だったという。無罪で釈放され、後日談として話す中、執拗にナツメグ入りのカクテルを薦める。すごく好きな雰囲気だがなんかパンチが弱い。期待して見たボクシングが、いつの間にか試合が終わってて、判定がよくわからない、そんな気分。

  • ちくま文庫の「怖い部屋」という北村薫さんが編んだアンソロジーで知った作家。全編「怖い部屋」に入っていたような不条理でぞわっとする短編かと思いきや、意外にSFっぽいものもあったり。前半と後半ではまるで違う人間が書いたんじゃないかと思えたり。そこがまたなんか怖い。
    一番は「異説アメリカの悲劇」、次が「魔女の金」。

  • 表題作はじめ17の短編が収録される。表題作「ナツメグの味」はこんな話。新入りの変わり者の同僚と親しくなる。無実ながら以前彼が殺人の容疑を掛けられた前歴があることを知る。しかし動機がないことから無罪となった。ある日彼の家に遊びに行くと彼が故郷ジョージアの名物シェリー・フリップを作ると言い出し…。
    有名な短編なので知ってる人は知ってるでしょうが、感想書きにくいですねえ。
    悪魔が出たり幽霊や死神、人形、そうした者どもがやたらと出てくる。他のアンソロジーでもよく選ばれてる傑作では、超常的な存在を見る子供とそれを頭から信じない親の話「だから、ビールジーなんていないんだ」や、カフェで一見めちゃくちゃなことをいう老人の「ひめやかに甲虫は歩む」、村のハズレで馬に乗った美しい娘に出会う「葦毛の馬の美女」などなど。オカルトでもホラー目的ではなくそれは皮肉や諧謔なので怖い話ではない。
    こういう作家は月に一度の雑誌の連載みたいのが良いですね。短編集で一度に読むとパターン化されるので途中で先が想像できちゃいますからね。

  • 表題作が好きです。

  • 早川書房の「異色作家短篇集」にも収録されている作家。
    ただ、ロアルド・ダールやブラッドベリなどに比べて軽め。星新一に近い読後感。
    若干の古臭ささや既視感を感じるのは、作品のせいというより、以後の作家が影響を受けているからだろう。

    17の短篇の中で面白かったのは、
    隠れた狂気の片鱗を現す男の表題作と
    デパートでひっそりと暮らす人々を描いた「宵待草」。

    「悪魔や死神を騙して逃れる」というのも多いが、これは昔からの民間伝承にあるテーマ。
    ショートストーリーというのは、スノッブな雑誌という媒体を通じて語られた民話だったということ。
    そこが長篇の「文学」とは違うところかも。

  • 17編を集めたもの。
    読み込まないと素通りしてしまいそうな話もあるが、ぐいぐい引き込まれるものもあり、こういう短編集は読み手の好みを映す鏡のようなものかもしれない。

  • 悪魔的な笑いと奇想に満ちた異色短編17作を収めた短編集。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】マネキン人形に恋した青年、幸せな夫婦のもとに不幸を持ち込んだ怪鳥、瓶詰めにされた人間…摩訶不思議、奇妙なテイストの作品が多い。中にはどうしても途中で理解不能に陥ってしまうものもあり(あるいは自分の読解力)、全部が全部手放しで面白いとはいえないが、不思議な魅力、というか魔力を持った本だ。いくつかの作品をピックアップして紹介。「ナツメグの味」主人公の勤める研究所に入ってきた新顔の男。神経質そうに孤独の殻に閉じこもっている彼を昼食に誘ったのをきっかけに親しくなる。感情を抑えた控えめな男がただ一点のこだわりのために豹変するラストが面白い。「異説アメリアの悲劇」冒頭の歯科医院にて全ての歯を抜歯しようとする場面から、一体なぜ?と気をひきつけ、オチまでのむだのない話運びでひとつの悲劇が生まれる快作。「壜詰めパーティー」贅沢を夢見る男がふらりと立ち寄った店には様々なものが入った壜がずらりと並ぶ。万能な魔神の入った壜を買い、早速使ってみると…。強欲さが災難を呼ぶというオチが笑える。

  • 得意ではないのが短編小説。
    だから、ちょっと肩身が狭い棚。

  • 海外の作品は、ちょっと苦手なんですが、なかなか良い感じ。文章自体は怖くないんだけど、その奥に怖いものが眠っています・・・・。ひ〜!PS.本の装丁がすごく好みなんですけど。装丁だけでも見る価値ありです。

  • 癖のある話を書く作家です。
    本書には17編の短編が収録されています。
    悪魔的な笑いと奇想を凝縮したとありますが、ブラックユーモアと奇想が根底にある物語が多いです。
    どう書けば良いのか難しいのですが、どの話も異世界に迷い込んでしまったような雰囲気に浸れる物語ばかりです。
    奇妙な世界を味わいたい方にはお勧めです。

  • ジョン・コリアだあああああ!
    と出版される事にまず興奮した一冊。そして内容もあまりにもコリアなのでさらに興奮そして納得。
    「だからビールジーなんていないんだ」なんて明らかにキングが影響受けてるよねえ。「猛禽」とかも不気味で哀れで素晴らしくいい。「夜だ!青春だ!パリだ!見ろ、月も出てる!」はコリアらしからぬハッピーエンドなイカレたラブロマンスだけどとても印象的。(200801)

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