- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309904412
作品紹介・あらすじ
文章力はある。感性もいい。いい素材を持っている。それだけで小説は書ける。あとはそれが「読んでもらえる小説」かどうかだ。実例から躓きの原因をさぐる。待望の中級者向け小説論。
感想・レビュー・書評
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これから書き始める人ではなく、現在書いている人のための本。
まえがき・あとがきにも説明があるように、著者が作品の添削指導をした際に得た気付きを実例を交えながら分かりやすく噛み砕いて説明している。この部分を気に入るか気に入らないかによってこの本の好みが分かれるような気がする。私はとても好き。
題名のつけ方の章は短かったけれど感覚的に実感できるものがあって特に気に入っている。
あとは文体についての話なども。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マンガ論を続けて読んだあとだったので、今度は小説の構成法が知りたくなり、読んでみました。
著者は長年、さまざまな文学賞の選定に携わってきた人。
「書く側」でありながら「読む側」にもなった経験をもとに、選者としてさまざまな人の文章を読み、短所や欠点を指摘してきただけあって、説得力のある文章論になっています。
比喩を多用して説明しているのもわかりやすく、作家ならではの語彙の豊富さを感じます。
ちまたには、「こうすれば書ける!」的ないけいけどんどんの本が多く出ていますが、小説を書く人が陥りがちな落とし穴を指摘して、説明しているこの本は、さらに踏み込んだ内容となっているように思います。
ダメな文章の具体例も紹介されており、明解な内容。
短編と中編の量さえも分かっていなかった私ですが、400字詰め原稿用紙30枚程度が境目だと知りました。
ストイックな小説道場のような趣もあり、この本に提示された幾多の落とし穴を踏まずにいるであろう著者の小説作品にも興味がわきました。 -
つまずきっぱなしのわしにとっては、参考になる一冊でした。