KATAN DOLL/カタンドール

著者 :
  • エディシオン・トレヴィル
4.18
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本棚登録 : 131
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309907420

感想・レビュー・書評

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  • 天野可淡さんの人形は、私を複雑な気持ちにさせます。綺麗とも、儚いとも、なんとも言えない。ですが、今回この本を眺めてみて、少しだけ、分かったような気がします。私は、彼女の人形たちから、目を逸らさせる程の強さをひしひしと感じとり、怯えていたのです。

    私は、今現在の状態より前のものを回想すること、具体的には、死から思われる生前の華やかさを眺めることに、深い美を感じます。それは傍目から見れば、サディスティックで支配的なものだと言うことにも気がついています。私がハンス・ベルメールに惹かれ、白雪姫のような硝子の棺の中の少女に手を伸ばしたくなる理由もここにあると思っています。ですから、そんな私が天野可淡さんの人形を見た時、驚き、退いてしまったのでは? と考えるのです。

    天野可淡さんの人形たちは、目が美しく印象的。ハイライトも綺麗で、しっかりとこちらを見ている。穏やかな目、怯えた目、悲しい目、蔑む目……これらが私にものすごい恐ろしさを生ませるのです。それは人間のような、或いは人間を超越したような力。ですから、天野可淡さんの人形には、ヒトが生きる以上のものを感じるんです。それが、私には怖いのです……。

    散々好き勝手書きましたが、最近では、天野さんの人形に対する見方が変わってきているのも事実です。「人形と向かい合う時、人は皆、子供となります」と本書で天野可淡さんは述べていますが、私は子供の頃、人形に畏怖の情を持っていたのかも知れない。私が人形に惹かれた根底には、人形たちの、無機質で幻想的な恐怖が巣食っているのかも知れませんね……。

  • ヤフオクにて KATAN DOLL THE BOXを購入。
    堅固な箱に、二冊入っている。
    本と本の間にカードも。
    紅い布張りの瀟洒な装丁……やはりミルキィ・イソベだった。
    中身のよさはいうまでもない。
    RETROSPECTIVEとかぶってはいるが、ひとつのオブジェとしても、作品集としても素晴らしい本だ。

  • いつの日か、katanドールを手元に置いて
    愛でていたい。
    これは、私のひとつの願い事です。

  • 今でこそいろんな人形作家が活躍されているけれど、昔はこの人と四谷シモンくらいしか知らなかった。幻想的で悪魔的ですらあるけれど、グロテスクではなくあくまで耽美や可愛いは逸脱しない。日本の球体関節人形のスタンダードですね。

  • おどろおどろしい、痛々しい、生々しい。
    不服そうな口と侮蔑するような眼は、人間なんかよりよっぽど生きている。

  • 私の世界観を変えた、幻の一冊の復刻版
    初版の打撃力は圧巻でしたが、
    雑誌編集長に貸したまま、編集長が離婚。
    奥さんが持ってっちゃって連絡とれないすみませんという
    トホホな展開で戻らず悲しい

  • 天野可淡作品集。
    私はどのドール作家のドールより
    彼女のドールに一等惚れている。

    眼が強く、恐ろしいほどの光を宿している。
    実際に眼を合わせたなら失神してしまうだろう、けど
    いつか本物にお目にかかってみたいものです。

  • 天野可淡、なんていう作家も知らないくって
    ほんとにインスピレーションで買っただけの本。
    後々有名な人なんだ!と知りました。


    この本を語るのに言葉なんて要らない

  • 親戚の叔父さんが贈ってくれたのに、
    人形嫌いの母親に棄てられてしまった想い出の1冊。

    いつか再び手元に迎え入れたいです。

  • これは持ってなかったので復刻がうれしい。

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