くらもちふさこ デビュー45周年記念 ときめきの最前線 (文藝別冊)

  • 河出書房新社
4.10
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本棚登録 : 51
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309979144

感想・レビュー・書評

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  • く、くらもちふさこ先生の特集だって!? 書店で表紙を見たときの気持ちを何と言ったらいいものか。そうだよねそうだよね、これまであまりにも語られてこなかったよね、もっと前からこういう扱いを受けるべきだったよ!と鼻息を荒くする一方で、いやいや、くらもちマンガだけはひっそりと心の中にしまっておきたいんだから、誰もあれこれ言っちゃダメ!という気持ちがフツフツと湧いてくる。まことに引き裂かれるような思いで購入。で、なめるように熟読。読んでる間も読み終わってからもずーっと、心がざわざわしている。

    だってねえ、くらもち先生がデビューしたのは私が中一の時、自分の勝手な気持ちとしては「中学高校時代をくらもちマンガと共にすごした」と言いたいくらい、特別な存在なのだ。当時の主流は「りぼん」派だったと思うけど、私は「別マ」派(やはり自分に合ったものって敏感にわかるものなのだなあと、今にして思う)。多彩な連載陣のなかでも、くらもちマンガには特に引き込まれた。

    主人公はいつも、どっちかというと地味な女の子。内心の葛藤なんかが「うんうん、そうだよね」とよーくわかる感じで描き込まれていた。それでまた、その子がアイドルに恋したり、ロックバンドの紅一点になったりと、今なら「萌え」と言うのかなあ、なんとも心揺さぶられる設定になってたりして、もう夢中で読んだものだった。

    極めつけは「赤いガラス窓」。これはもう私にとって全マンガ中、裏のオールタイムベストだ。なぜ「裏」かと言うと、えーと、そのう、作中の男の子が当時好きだった同級生と同じ名前で、雰囲気も似ている、という理由でのめり込むように読んだため、いまだに冷静に読めないからなんだけど…。

    まあとにかく、くらもちマンガを思い出すと、中高生の頃のあれやこれや、おおむね情けなかったり恥ずかしくてたまらなかったり、普段はしっかりフタをして漏れ出ないようにしているモロモロのことが、ぶわーっと心に浮かんでくるのだ。うひゃーっと悶絶しつつ、さすがにこの歳になると、痛さも風化気味で、懐かしフレーバーが漂うのだが。

    思えば、萩尾望都先生をはじめ24年組の先生方については、「みんな読んで読んで!ほら、面白いでしょ、すごいでしょ!」と触れ回りたい気持ちできたけれど、くらもちふさこ先生だけは、自分だけのものにしておきたいような気持ちを持ってきた。それはとても個人的な事だろうと思ってきたが、このムックを読んだら、多くの方が同じような思いを述べていて、驚くと共に、ああそうなのかと目が開かれる気がした。

    「このマンガは自分だけのもの」と読者に思わせることこそが、くらもち先生のセンスであり技術であり、つまりは才能なのだろう。デビューから45年、休むことなくずっと少女マンガの最前線で描き続けている、そのすごさをあらためて深く思った。

    このムックには、漫画家の方が何人も寄稿しているが、おおーっと思ったのは江口寿史。くらもち先生とは同学年だそうだ。面識はないが「クラスは違うけど気になってしかたがない同級生みたいだ」と書かれている。「駅から五分」の藤巻よし子のカット付きで、これがもう、くらもちふさこよりもくらもちふさこ。先ちゃん、くらもち先生を見習って、ほんとにまた漫画を描いてよね。

  • 実はハマったことはないのだが、すぐ隣にあった感じ。
    特別な世界観を持っている印象。

  • 学生時代、大大大好きだったくらもちふさこさん。
    こんな本が出ていたなんて!
    即買いでした。

    もうマンガ全部処分してしまったけど、また全部を読みたくなってたな〜

    「海の天辺」「千花ちゃんちはふつう」「天然コケッコー」…どれもこれもぜーんぶ今思い返してもドキドキするくらい面白かったな〜

  • いつもどの年代でも心揺さぶられた作品がある。少女漫画家として現役のくらもち先生に敬意を表して。

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著者プロフィール

くらもち ふさこ(本名:倉持 房子)
1955年、東京都渋谷区生まれ。豊島岡女子学園高等学校在学中、「春のおとずれ」「新聞部異状あり」がそれぞれ別マまんがスクール佳作を受賞。そして「メガネちゃんのひとりごと」が別マまんがスクール金賞を受賞し、『別冊マーガレット』に掲載され学生で商業誌デビューする。武蔵野美術大学に入学し日本画を専攻、漫画研究会に所属していたが中退した。
1996年『天然コケッコー』で第20回講談社漫画賞、2017年『花に染む』で第21回手塚治虫文化賞マンガ大賞をそれぞれ受賞。『いつもポケットにショパン』が2018年NHK連続テレビ小説「半分、青い。」劇中に登場し、話題になった。

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