向田邦子 増補新版: 脚本家と作家の間で (KAWADEムック 文藝別冊)
- 河出書房新社 (2021年7月8日発売)
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感想 : 4件
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- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309980317
感想・レビュー・書評
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向田邦子さんの本を読んで「おもしろい」と思ったとき、初めて自分にまとう空気というか、世界というかが、ちがって見えたのを覚えている。読書のおもしろさの深いところへ踏み込んだ、そんな感じ。それによって、自分がうれしくもさみしくも、子どもではなくなってしまった感じだった。
没後、40年。2月に展覧会に行ってから、今年はずっと向田邦子のことを考えていると言うのはちょっと過言であるが、折にふれ、彼女を想っている。彼女の魅力をこれでもかと詰め込んだこんな本を読むことはもちろん、ふと目にする出来事や想い出など、何かにつけて、すこし強引に結びつけることもありつつ、今、彼女が生きていたら、と考える。逆に、40年前、彼女は誰よりも濃い一生を潔く終えたんだな、と納得もする。
またいろいろ考えさせてくれてありがとう、と思った一冊でした。
「女があれから進歩しないのは、もう向田さんがここに居ないからだ」(桃井かおりのエッセイより)
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