- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784313160989
感想・レビュー・書評
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公権力行使に関する言及が多かった気がするが、結論が分かりにくく感じた。
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「行政こそ市民のアウトソーシングである」p.19
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現在の地方行政組織のアウトソーシングについて
公共財論、公権力の行使論、効率化論、コスト論ではない
社会分権型アウトソーシングを提唱しています。
その目するところは、都市社会の発達による行政権力の肥大化に対し
市民社会への分権と市民自治による管理によって
安全な社会の構築を目指すものです。
その手段としては、現在の行政作用を公権力の行使を縮減し、再定義をするとともに、その他の作用を「社会化」し市民社会や地域ネットワークに委ねるものであります。具体的には「役所法人」の設立が提唱されています。
行政作用は可能な限り非権力的であるべきとされる昨今、権力的作用分野は極めて少なくなりつつあります。みなさんも、これって「行政処分」と言えるのかといった感想を持つ場合が少なくないと思います(例えば、市の体育館の使用申請に対する使用許可。私人間の利用契約と捉えたほうが住民の意識に合致していると思われる)。そのような中、行政権力を抑止し、市民の感覚に合致させるためには、公権力の行使概念を絞り込み、縮減することは実際に大変大きな意義があると思います。実務においても、多くの職員は権力的に行うのではなく、なるべくその範囲を狭くし、非権力的に行いたいのではないかと思われるのです。