アリーテ姫の冒険

  • 学陽書房
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本棚登録 : 256
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (71ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313840331

作品紹介・あらすじ

待ってるだけのお姫さまはもう古い。かしこさと勇気-女の子ならそうこなくっちゃ。イギリスのフェミニストたちが、小さな女の子のために心をこめて作った感動のストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • ピアノの先生が貸してくれた本。

    子供の頃に読みたかった。
    自分に女の子が生まれたら読ませたい。

    王子様に夢を抱くのではなくて
    どんな環境でも自分で幸せを見つけられるってすてき

  • 子供の頃、大好きで図書館で何度も借りた本です。もう、絶版になったみたいなので、古本で買いました。この物語に出会った事で、私は冒険は男の物だという先入観を抱かずにいたのだと思います。アリーテ姫はとても賢いお姫さまです。このままでは嫁の貰い手がないと焦った王様は悪い魔法使いに言いくるめられて姫をそいつの妻にしてしまいます。しかし、この姫様、すべての試練を知恵と勇気で乗り越えてしまうのです。この後、いろんな女性作家さんが冒険するヒロインを描いていますが、私のヒロイン像はこの姫が元祖です。

  • かしこいお姫様が主人公の「あたらしい童話」。
    2015/06/01 再読。
    前に読んだときの感想は、「試みは買うけれどお話としていまいち」だった。
    読んだのがずいぶん前でうろおぼえだから、そろそろ感じ方が変わっただろうかと読みなおしてみた。
    やっぱり同じ感想だった。

    主張するヒロインは結構だけど、アサーションできないこの姫はあまり魅力的に感じられない。
    他人のいいなりにならないことと、人の話をきかないことは違う。
    2番目の求婚者への態度なんかただの失礼な人にしかみえない。
    敵味方がくっきりしすぎてるからだろうか。
    味方とはうまくやってるけれど敵認定した相手への態度がひどい。
    主人公の手を汚さずに都合よく悪役を退場させる展開も悪い意味で女子っぽくていやだ。


    私はこの本をフェミニズムの文脈で知った。
    あとがきや翻訳・監修をみてもそこが重視されている。
    だからジェンダー本として読んでしまう。
    すると、啓発が先行した頭でっかちな話のように感じる。
    もっとも、日本ではフェミニズムの目で出版しているけれど、原作がどういうつもりでかかれたものなのかはわからない。

    先入観なしで子供の頃に読めたら違った感想をもてたかもしれない。
    つかまりかたがホッツェンプロッツっぽい。

    すごくひっかかるのが、あとがきに「(従来の)ヒロインは自らの手で問題を解決して幸福を獲得することはほとんどありません。」とあること。
    これは民話をちゃんと読んでない人のいだくイメージだ。
    民話のヒロインはウォルト・ディズニーのプリンセスだけじゃない。
    兄弟や王子を助けにいく賢い娘もいるし、自己主張の激しいワガママ姫もいる。
    だいたいヒロインが助けられるだけなのは男主人公の話で、女主人公の話では王子が「ごほうび」として与えられる。
    恋愛要素すらない話だっていくらでもある。

    創作童話にもさらにたくさんの魅力的なヒロインがいる。
    ピッピもアリスもメアリーもクローディアも王子なしで勝手に冒険してる。
    アンデルセンのヒロインなんかぜんぜん王子に救われない。
    そういうのをみんな無視して「王子に助けられる姫の話しかない世界」を是正しようとするのも、これはこれでゆがんでる。

    89年に偏見や差別を解消するために行動してくれていた人たちには、後の世代の者として感謝と敬意をいだくけれど、児童書の世界を薄っぺらく評価されるのは本好きとして悲しい。

  • 昔に映画を見て、その映画を見てから
    好きになって読んだ作品

    アリーテ姫かっこいいなぁ
    王子様が出ない童話は新鮮で斬新
    指輪を使って魔法使いから逃げようとしなかった
    聡明な彼女に心の底から感服しました

  •  悪い魔法使いに囚われたアリーテ姫は、3つの仕事をしなければ首を切り落とされてしまいます。でも、アリーテ姫はいい魔法使いからどんな願い事でも3つ叶えてくれる指輪をもらっています。
     最後まで読まなくてもどんな展開になるか分かりきっている冒頭。しかし、このお話は普通のお伽話とは違います。

     せっかく魔法が使えるのに、それを退屈しのぎにしか使わないところ、悪い魔法使いから出される無理難題には自分の力で対処してしまうところ、最後には王子様と結婚するハッピーエンドではなく、国のために他国視察の旅にでるところ。すべてが予想外です。
     「美しいから」という男女差別的理由でもなく、「心が素直だったから助けてくれる人がいた」という教訓めいた理由でもなく、アリーテ姫がひとよりものを知っていて勇気があったから、という正当で当たり前の理由で魔法使いに打ち勝つのがすてきです。
     

  • 子どものときに読んでいたらよかったなと思える作品。
    自分をお金で魔法使いに与えた父親を許さないっていうのが個人的にはよかったです。
    お姫様(女の子)は、魔法も、かっこいいだけの王子様も、鎧や武器で武装した騎士がいなくても、やっていけるんです!
    将来、子どもを持ったら、まず読んであげたい一冊。

  • 久しぶりに読んだ。 
    元の本が出版されて40年。
    日本で出版されたのがそれから5年後。我が家に来たのがたぶん20年くらい前。
    このお話がベストかどうかは、今となっては評価が分かれるかもしれないが、それでもいろんな気付きを与えてくれるのではないかと思う。

  • お姫様、女の子が活躍するお話は、小気味いいわ❣️

  • 2012年6月17日
    フェミニスト関連の資料に参考文献で載ってて、興味を持ってたんだけど、やっと読みました。

    白雪姫や眠れる森の美女やシンデレラが、「美しい」という理由で王子様にみそめられて幸せになってしまう、ふつーのおとぎ話とは違って、アリーテ姫は、自分の力で困難を乗り越え、自分のやりたいことをやる。

  • 現代の男の人が読んだらご立腹かもしれないけども、正直めちゃめちゃ面白かったな。
    今となっては、過度なフェミニズム童話といわれてしまうと、それまでなのかもだけど、賢くてひたすらマイペースなアリーテ姫の冒険(多分本人はお散歩感覚)、痛快です。

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著者プロフィール

イギリス在住。教師として働くかたわら『アリーテ姫の冒険』を執筆。

「2018年 『アリーテ姫の冒険(復刊記念版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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