利己的な遺伝子 (科学選書)

制作 : 日高 敏隆  岸 由二  羽田 節子  垂水 雄二 
  • 紀伊國屋書店
3.79
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本棚登録 : 770
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (548ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005562

作品紹介・あらすじ

本書は、動物や人間社会でみられる親子の対立と保護、兄弟の闘い、雄と雌の闘い、攻撃やなわばり行動などの社会行動がなぜ進化したかを説き明かしたものである。著者は、この謎解きに当り、視点を個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性から、説明を試みる。大胆かつ繊細な筆運びで、ここに利己的遺伝子の理論は完成した。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの『利己的な遺伝子』から、DNAの二重らせんやATGCの塩基配列、あるいは遺伝子組み換え作物などを思い起こす人はきっといるでしょう。
    この本は、いわゆる分子生物学を扱った本ではありません。
    子育て中の動物の行動や、個体と個体の戦いに見られる動物の行動などを「遺伝子が生き残るために、動物にさせていること」として説明しています。また、説明にとどまらず、「人はなぜいるのか?(第1章)」など、哲学的な要素を含んだ本でもあります。

    読む本を選ぶ際に、誰に対して書かれた本なのか?というのは重要な点ですが、リチャード・ドーキンスは、この本を執筆する際に、3人の読者を想定して書いたそうです。
    1人は動物学を知らない門外漢。
    1人は批判的な意見を持ち出す専門家。
    1人は門外漢から専門家へ移行中の学生。

    つまり、人文学類や比較文化学類所属の一般的に文系と呼ばれる方も、生物学類に入学したばかりの方も、そして、生物学類・生物資源学類の先生方も、興味深い本だと思います。
    (2012ラーニング・アドバイザー/生命 TSUBOYAMA)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1132265&lang=ja&charset=utf8

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    未読なんだけれど、解説本や誰かの受け売りで、あたかも読んできたかのような顔をしている。遺伝子を使って生命体はコピーを繰り返しているのではなく、生物は遺伝子の運び手(器)に過ぎない。遺伝子は、「遺伝子にとって」利己的に振る舞う。その結果、一見「生命体にとって」利他的に見える行動は、実はより多くの遺伝子のコピーを残そうとする目的に適うというわけ。

     もっとも身近な生命体=わたしの遺伝子は、わたしのコピーを作るためものではなく、実はわたし自身が遺伝子のコピーを作るためのものに過ぎない、という発想にガツンとやられたことを記憶している。

     ――とはいうものの、聞きかじり/受け売りはやはりマズい。amazonレビューを見る限り、力いっぱい勘違いしている御仁もいらっしゃる。あるいは、わたしが完璧に間違っている可能性もある。いちどキッチリ読むべきだな。

  • どうしてくれるのドーキンス博士。
    読後、しばらく世の中全ての出来事が遺伝子の意思であるような感覚になり、変なやつになってしまった。
    しかし、面白すぎる。中学の時に出会っていたら人生変わっていた。

  • 「それを言っちゃあ、ミもフタもねぇぇ!」
    と叫びたくなるような、面白い本です。

    【内容】
    みんなが知ってる「進化論」、
    でも何の単位で「最適者」は生き残るのだろう?
    生物の種類?群?個体?答えは本の中。

    【良いところ】
    根拠や反証をおろそかにせずにいちいち述べるので、
    「いいよ、そこはなぁなぁで!」ってこともちゃんと書いてある。
    読むのはしんどいが、根拠もなしに持論を述べただけの
    ニセ科学本にうんざりな人には、合う姿勢だと思う。

    【困ったところ】
    読書力が今よりイマイチの時に買って、1章でギブアップ。
    ちょっと訓練しなおして再挑戦したら、面白く読めた。
    専門用語を控えているとはいえ専門書、しかも訳本。
    ある程度の読書力が必要かと思う。

  • 2854円購入2004-00-00

  • 原題:The selfish gene(1976)
    著者:Richard Dawkins
    訳者:垂水雄二、岸 由二、日高敏隆、羽田節子


    【目次】
    本書に寄せられた書評 [001-003]
    一九七六年版へのまえがき(リチャード・ドーキンス) [004-008]
    一九八九年版へのまえがき(リチャード・ドーキンス) [009-014]
    目次 [/]

    1 人はなぜいるのか 015
    2 自己複製子 031
    3 不滅のコイル 043
    4 遺伝子機械 079
    5 攻撃――安定性と利己的機械 109
    6 遺伝子道 141
    7 家族計画 171
    8 世代間の争い 194
    9 雄と雌の争い 224
    10 ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう 264
    11 ミーム――新登場の自己複製子 391
    12 気のいい奴が一番になる 322
    13 遺伝子の長い腕 374

    補注 [427-523]
    訳者あとがき(一九八〇年二月 日高敏隆) [524-527]
    第二版への訳者あとがき(一九九一年一月 訳者を代表して 日高敏隆)  [528-529]
    訳者補注 [530-533]
    参考文献 [534-545]
    人名索引 [546-548]

  • 進化に関して、ダーウィンの自然選択説に立脚しつつ、「淘汰がはたらく基本単位は遺伝子である」と説く。
    これは、進化の基本単位を個体や種であるとする立場と対立するものだ。
    私には、ドーキンスのこの考えは大変自然で、その考え方に基づけば様々な生物現象を理解できるだけでなく、新たな観点から捉えなおすことができるのではないかと思った。

    ----------

    生物の持つある特性を考えるとき、「それはその生物個体の生存にとって有利だからだ」と説明されることがある。 例えば「キリンの首が長いのは、そうであることによって高いところの餌を食べることができ、個体の生存に有利だからだ」など。こういった特性の進化は、「有利な形質を持った個体が生存し、子孫を残す」という自然選択説で容易に説明することができる。
    しかし、「利他的な」行動、例えば鳥の親が子を守るために天敵の前に自ら身をさらす行動などは、個体そのものの生存には明らかに不利であるため、その進化のメカニズムを考えることは難しい。こういった行動は、血縁関係にある個体を守る行動、あるいはより拡張して、種というものを守る行動として説明されることがあり、それゆえ進化の単位は種であるという考え方が生じた。

    しかしドーキンスは、自然淘汰の働く単位は個体でも種でもなく遺伝子であるという。そのうえで、遺伝子が自然淘汰に耐え繁栄するために必要なのは、個体や種に対する有利性などではなく、“利己的であること”だという。
    だから、もし生物個体にとって致死となるような極めて“不利な”遺伝子があったとして、それが仮に遺伝子自身の増殖を有利に進めることができるような仕組みを持っていたとしたら、その遺伝子は個体にとって不利であるにもかかわらず自然淘汰に耐えて遺伝子プール内で増殖することになる。
    一見すると理解しがたいが、著者は、この理論を、様々なモデルケースで、簡単な数理モデルを用いて説明しており、納得することができる。
    この考え方は一見ダーウィン進化論に矛盾するものと思われるかもしれないが、実際には逆に、ダーウィン進化論の本質を改めて示すものだ。


    さて、著者のドーキンスは徹底的な遺伝子主義者だ。
    ただしこれは、一昔前に良く言われたような「生物の特性は遺伝子がすべて決めているのです!(=環境には依存しないのです!)」といった意味ではなくて、生物の進化を考える際に、最も重要なのは個体ではなく遺伝子である、ということ。
    彼は遺伝子の本質を自己複製性とし、遺伝子を自己複製子と言い換えたうえで次のように言う。
    「物理学の法則は、到達し得る全宇宙に妥当するとみなされている。生物学には、これに相当する普遍妥当性を持ちそうな原理があるのだろうか。(中略)たとえ炭素の代わりに珪素を、あるいは水の代わりにアンモニアを利用する化学的仕組みを持つ生物が存在したとしても、またたとえマイナス百度でゆだって死んでしまう生物が発見されても、さらに、たとえ化学反応に一切頼らず、電子反響回路を基礎とした生物が見つかっても、なおこれらすべての生物に妥当する一般原理は無いものだろうか。(中略)すべての生物は、自己複製を行う実態の生存率の差に基づいて進化する、というのがその原理である。」
    そしてさらに、生命現象において中心的なのはあくまで遺伝子であって、生物個体はその遺伝子の乗り物(ヴィークル)に過ぎないとまで言う。

    以上のような考え方は過激で信じられないことのように思われるかもしれないが、ダーウィン進化論の基本さえ分かっていれば、本書を読むことによってすんなりと理解できるものと思う。
    遺伝子の利己性という考え方は、言われてみれば当たり前なのだけれど、ドーキンスによって明示的に語られるまでは意識されてこなかった概念であろうし、このことを意識することによって、現存する生物の種々の特性に対する見方も変わると思う。
    (ブクレコから移植)

  • 1991年刊行。

     人間の文化的要素の変容過程まで、著者の言うような遺伝子的な説明しようというのは筆が走りすぎの観はある。とはいえ、「利己的」という挑発的な表題を含め、インパクトのある書である。
     遺伝進化学における画期となったというのもうなずける。生物学、進化学、遺伝学を検討したいならば、賛否の如何を問わず、一読は不可欠の書だろう。

  • 借りて延長したが読了できず またの機会に


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著者プロフィール

【著者】 リチャード・ドーキンス (Richard Dawkins)
1941年ナイロビ生まれ。オックスフォード大学時代は、ノーベル賞を受賞した動物行動学者ニコ・ティンバーゲンに師事。その後、カリフォルニア大学バークレー校を経て、オックスフォード大学で講師を務めた。

1976年刊行の処女作『利己的な遺伝子』は世界的ベストセラーとなり、世界にその名を轟かせた。この本は、それ以前の30年間に進行していた、いわば「集団遺伝学と動物行動学の結婚」による学問成果を、数式を使わずにドーキンス流に提示したもので、それまでの生命観を180度転換した。

その後の社会生物学論争や進化論争においては、常に中心的な位置から刺激的かつ先導的な発言をしており、欧米で最も人気の高い生物学者の一人となる。

積極的な無神論者としても知られており、2006年に刊行した『神は妄想である』も全世界に衝撃を与え、大ベストセラーとなった。

王立協会は2017年に、一般投票による「英国史上最も影響力のある科学書」の第1位として『利己的な遺伝子』が選ばれたことを発表した。

「2018年 『利己的な遺伝子 40周年記念版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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