愛するということ 新訳版

制作 : Erich Fromm  鈴木 晶 
  • 紀伊國屋書店
4.12
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レビュー : 362
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005586

作品紹介・あらすじ

人間砂漠といわれる現代にあり、こそが、われわれに最も貴重なオアシスだとして、その理論と実践の習得をすすめた本書は、フロムの代表作として、世界的ベストセラーの一つである。

感想・レビュー・書評

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  • 某所読書会課題図書.愛について哲学的アプローチを試みている著作だと感じた.ただ読みにくい.系統的に話を進めてほしい.思い付きがぽっと出てくる場面が多すぎる.p131に資本主義が必要としている人間をリストしているが、よく見ている.p154にも示唆的な語句が出てくる."二人の人間が自分たちの存在の中心と中心で意志を通じあうとき、すなわちそれぞれが自分の存在の中心において自分自身を経験するとき、はじめて愛が生まれる." p167 "集中できるということは、一人きりでいられるということであり、一人でいられるようになることは、愛することができるようになるための一つの必須条件である." p196 "愛が、きわめて個人的で抹消的な現象ではなく、社会的な現象になるためには、現在の社会構造を根本から変えなけれはならない." 気になった語句を抜粋したが、凄い本だと思う.再読したい.

  • 作品愛するということ新訳版
    人生において何度も読み返したいと思う本です。

  • 愛の技術。

    愛には兄弟愛、母性愛、異性愛、自己愛、神への愛があるとする。そして神への愛は不可知への信頼。兄弟愛は隣人愛であり、異性愛は誤解されがちだが兄弟愛に近いものであり自己を愛せてこそ成り立つものであり、自己への愛を補完するものではないとする。
    愛には、客観性とナルシシズムからの脱却と知と理性、規律と集中と忍耐が必要であるととく。

    現代は経済原理が社会を支配し、人も他者を、自己さえも商品化してしまっており、それが愛を歪めているとする。

    愛を個人の事象ではなく人間社会や人類全体の事象として考察した本。

  • ご多分に漏れず、読みたいところだけ読んでいます。

    まず書かれ方について。
    非常に変わっていると思います。右脳で直感的に書いていると思わせるような、飛躍ぶりですが、文体はロジカルな風に書いているので、気持ち悪く思う人もいるかもしれません。
    また、宗教や過去の哲学者や心理学者を批判する一方で急にそれらや彼らを根拠として理論を展開します。

    でも、私はこの本が比較的好きです。
    なぜなら、とても直感的で、所々良いと思える言葉があるからです。

    ・東洋では昔から 、人間にとって肉体的にも精神的にも良いことは 、最初は多少の抵抗を克服しなければならないとしても 、快いものでなければならない 、と考えられていた。
    ・人は自分自身にたいして敏感になることができる 。たとえば 、疲れを感じたり 、気分が滅入ったりしたら 、それに屈したり 、つい陥りがちな後ろ向きの考えにとらわれてそうした気分を助長したりしないで 、 「何が起きたんだろう 」と自問するのだ 。

    上記の文体の気持ち悪ささえ許容できれば、一読する価値あり。

  • 「コテコテの機能付き冷房が効いた部屋で、横になりながら一冊の本について考え、使い方によっては孤独を埋めてくれるスマホをイジる」という贅沢な日常の中にいては、時代・言語・生活習慣などが自分と異なる筆者の価値観に、どれだけ寄り添えているのか分からないけれども、「愛」という壮大なテーマに関して、自分の理想像もしくは人々への勧めとして、自身の考え方を世に表明する筆者に、尊敬の念です。
    どうしても愛を求めてしまう自分が嫌で、それを改善しようと努力し思考して導いた理想像を実現するべく、世に本という形で実現を宣言した。一方で、その宣言の中には、世に承認されたいと思う自分がいて、結局「愛されたい」という人間の本質的な部分は変わらないのか、という筆者の自覚もあった。だからこそ題名に、‘art’と付け、できるだけ生来の人間の性質に上書きする形で、愛を求めるよりも相手を愛す努力をすべきだ、というメッセージを示唆したのでは、という気がしました。
    時代が違えど、食べて飲んで寝て笑う同じ人間の気持ちが、はっきり分からないというのは、とても不思議だなと感じます。
    そう考えると、愛するために必要不可欠なのは、「相手を知ること」なのかなと、個人的には解釈しています。

  • ”愛とは「世界全体にたいして人がどう関わるかを決定する態度、性格の方向性のこと」という定義(p.76)に強く共感。ただ、これはある程度いままでの自分のなかにもあった考えで、新たな行動にはつながらない。

    「合一感」「生産的に生きる」「息づいているものを与える」あたりに強く興味をひかれた。いまの自分に足りないもの、いまの自分が欲しているものかな。

    <抜き書き>
    ・成熟した愛は、自分の全体性と個性を保ったままでの結合である。愛は、人間のなかにある能動的な力である。人をほかの人びとから隔てている壁をぶち破る力であり、人と人とを結びつける力である。p.41
     ※やわらかい優しいものではなく、もっと力強い、猛々しいものなのだ。岡本太郎みたいだね (^^)
    ・与えるという行為のもっとも重要な部分は、物質の世界にではなく、ひときわ人間的な領域にある。(略)自分自身を、自分のいちばん大切なものを、自分の命を、与えるのだ。(略)自分のなかに息づいてるものを与えるということである。自分の喜び、興味、理解、知識、ユーモア、悲しみなど、自分のなかに息づいているあらゆる表現を与えるのだ。p.45?46
     ※SNSやブログなどはこのために使いたいな。
    ・愛とは、特定の人間にたいする関係ではない。愛の一つの「対象」にたいしてではなく、世界全体にたいして人がどう関わるかを決定する態度、性格の方向性のことである。p.76
     ※世界全体!方向性!! → でも、これはある意味で誰もが納得するフレーズだな。
    ・異性愛には、もしそれが愛と呼べるものなら、一つの前提がある。すなわち、自分という存在の本質から愛し、相手の本質と関わりあうということである。p.90
    ・理にかなった信念の根底にあるのは生産性である。信念にしたがって生きるということは、生産的に生きることなのだ。p.186
     ※「生産性」という意外な言葉!!
    ・信念をもつには勇気がいる。勇気とは、あえて危険をおかす能力であり、苦痛や失望をも受け入れる覚悟である。
     ※勇気はあるか? 覚悟はどうだ?
    ・能動とはたんに「何かをする」ことではなく、内的能動、つまり、自分の力を生産的に用いることである。愛は能動である。p.190

    <きっかけ>
     人間塾 2015年12月の課題図書。
     墓参りの帰り道に読了。これも何かのご縁!”

  • 約10年の時を経てようやくリベンジ読破。
    大学生の時はパラパラ眺めるだけで内容までしっかり入ってこなかったけど、今になって少し内容を咀嚼できるようになった。
    原著が出版されたのが1956年で邦訳されたのが1959年って書いてあったんだけど、60年前に書かれたことが現代にも当てはまるってそれだけ普遍的なんだなって思った。
    習練に必要な要素は①規律②集中③忍耐④関心で、更にそれは“能動的”であること。
    ↑この内容が特に印象に残った。

    “能動的”に読むことができたから初めて読んだ時よりも内容を咀嚼できたんだなと痛感。

  • 恋と愛の違いは助詞にあるのではないか。フロムによってその考え増強された感じがして嬉しい。

    人「に」恋する。それはあくまでも対象が外部に存在し、自分が相手に何かを与えるわけではない。〜に勝つ、〜に負ける…等の言葉に現れるように、「に」という助詞はその目的語が相対する存在になる。

    人「を」愛する。それは自分の内面・自分が持つ感情を自発的に提供することを意味する。〜を与える、〜を求める。フロムはこうした「愛」の見方を端的にまとめている。

    『愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。その中に「落ちる」ものではなく「みずから踏み込む」ものである』

    つまり落ちるのが恋なのであり、みずから踏み込んでいくのが愛なのである。

  • 私にとって人生のバイブルです。

  • メンヘラちゃんに読ませたら溶けそうだと思った。
    愛するってとってもハード

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著者プロフィール

エーリッヒ・フロム (Erich From)
1900年ドイツ・フランクフルト生まれ。フロイト理論にマルクスやヴェーバーを接合して精神分析に社会的視点をもたらし、いわゆる「新フロイト派」の代表的存在とされた。また、真に人間的な生活を可能にする社会的条件を終生にわたって追求したヒューマニストとしても有名である。しだいに、禅や東洋思想へも関心を深めた。
著書に、『愛するということ』『悪について』『生きるということ』『フロイトを超えて』『希望の革命』『反抗と自由』『人生と愛』『破壊』(以上、紀伊國屋書店)ほか多数。1980年歿。

「2016年 『ワイマールからヒトラーへ〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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