愛するということ 新訳版

制作 : Erich Fromm  鈴木 晶 
  • 紀伊國屋書店
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本棚登録 : 3616
レビュー : 360
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005586

感想・レビュー・書評

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  • 「愛は技術である」という挑戦的なテーゼを築城したと言われる一冊で、技術といっても安易なハウツー本ではなく、「どうあるべきか=how to be」を説く内容。

    ただ正直疑問符を感じる点も多い。端的に言えば、これは「キリスト教世界を前提に書かれた本」であり、それは聖書からの引用を多用した不安定な論展開に見られるような顕在的な部分だけでなく、母性と父性を明確に切り分ける描写や、同性愛を認めていないことであったり、著者自身古典的な宗教観やそれに紐づくジェンダー観に引っ張られすぎではと思わずにいられなかった。。

    また、社会と個人的愛の関係について論じた後半部分は正直たるかった…「いや、そうだよね。で?」って内容に終始しており、その中でどう生きるべきかを指し示すような内容もなし。

    結局言ってることは、愛されることを待つんじゃなくて、「愛されるよりも〜愛したいまじで〜」っていう気持ちが愛だよねっていう、Kinki Kids的恋愛論で、それ以上でも以下でもない本だなと思いました。

  • 「愛」と一語で言うのは簡単だが、そこには様々な意味合いがあり、「母性愛」「自己愛」「異性愛」などがあることに改めて気付かされた。心理学・哲学・宗教学など様々な学問に関わってくる文章であり、一読しただけでは理解しきれない部分も多かった。「愛は技術である」という印象的なフレーズを心に留めて、今後も「愛」というものの奥深さを追究していきたいと思う。

  • とっても軽かった。フロムってめっちゃ最近の人なんですね。無知ですみません。

    兄弟愛、母性愛、異性愛、自己愛、神への愛のうち、兄弟愛を「あらゆるタイプの愛の根底にあるもっとも基本的な愛」として軽く流してるけどこれが一番難しいのに。「もし愛する能力がじゅうぶん発達していたら、兄弟たちを愛さずにはいられない。人は兄弟愛において、全ての人間との合一感、人類の連帯意識、人類全体が一つになったような感覚を味わう」なんて簡単に言ってくれるよー。当然だけど本読んですぐ道徳的ニヒリズムから抜け出せるわけじゃない。気長にいきます。

  • 純粋な愛の力は生産力の表現であり、そこには配慮、尊敬、責任、理解(知)が含まれている。愛は誰かに影響されて生まれるものではなく、自分自身の愛する能力にもとづいて、愛する人の成長と幸福を積極的に求めることである

    愛は能動。
    愛される、ではなく愛する。

    異性愛。
    孤独な同士ほど最初に性的に盛り上がる。

    愛する技術、修練。
    規律。集中。忍耐の3つ。
    最高の関心を持つこと

    重要な話をすること(くだらない話をしない)
    相手の話を聞くこと

    全身で今を生きること
    愛し合っている二人は様々な方法でお互いから逃げようとする。
    そうではなく、しっかりとそばにいることを学ばなければならない。

    自問すること。
    気分に助長することなく、自問すること。
    安易に合理化しない。
    内なる声に耳をかたむけること。
    なぜ不安なのか、その理由。

    理性=客観的に考える能力
    謙虚さ

  • 教育とは、子どもがその可能性を実現していくのを助けるこよである。

  • ありがたーい、示唆に富んだ文章だけで構成されているため、
    正直、どこか辟易してしまう。うざい。
    そんなに美しく生きられないから、人間は愛しいのだろうが、と言いたい。

    とはいえ、いくつか、興味深い箇所はあった。

    そもそもこの本で扱われている「愛」とは、
    孤立の経験と、合一体験によってその孤立の不安を克服したい
    という欲求から来るという、前提に立つ。

    その上で、兄弟愛、母性愛、異性愛、神への愛などが論じられていくのだが、
    この神への愛の論考が興味深い。

    人類の発達の特徴を、自然→母親→血縁→土地からの脱却の歴史であると定義し、
    それと相対して神も発達段階を経ている、と説く。

    私自身は信教を持たないが、神なんてものはもとから神なのであると何気なく思っていたので、
    神自体が発達してきたとするこの発見は驚きだった。

    このほかにも
    ・西洋の思想的宗教と東洋の行為的宗教の成り立ちと違い
    ・集中とは、何もしないで居ること。現代におけるこの困難さ
    などの箇所はなかなか興味深い。

    が、全体として、理想論的すぎて疲れる。

著者プロフィール

エーリッヒ・フロム (Erich From)
1900年ドイツ・フランクフルト生まれ。フロイト理論にマルクスやヴェーバーを接合して精神分析に社会的視点をもたらし、いわゆる「新フロイト派」の代表的存在とされた。また、真に人間的な生活を可能にする社会的条件を終生にわたって追求したヒューマニストとしても有名である。しだいに、禅や東洋思想へも関心を深めた。
著書に、『愛するということ』『悪について』『生きるということ』『フロイトを超えて』『希望の革命』『反抗と自由』『人生と愛』『破壊』(以上、紀伊國屋書店)ほか多数。1980年歿。

「2016年 『ワイマールからヒトラーへ〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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