愛するということ 新訳版

制作 : Erich Fromm  鈴木 晶 
  • 紀伊國屋書店
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本棚登録 : 3619
レビュー : 360
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005586

感想・レビュー・書評

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  • 頭の中を言語化されているようで、読んでる間終始不思議な気分だった。怖いような、ムカつくような。

    愛は美しいものじゃない、ほんとは痛みも苦しみも伴うものだとずっと感じてきてたのに、あっさり言語化されちゃった。

    わかってくれる人に出会ったことないけれど、これがわたしの愛の真実。

  • いつか読もうと思っていた本。

    愛することは与えること。
    一人を通してすべての人を、世界を自分自身を愛すること。
    そのためには技術を磨くこと。
    規律、忍耐、集中、信念。

    それは自分自身を人間的に高めていくこと。

    力強い言葉がたくさん詰まっています。
    帯の谷川俊太郎さんの言うように、年を重ねて読むとまた感じ方が変わるでしょうか。

    その時まで大切に書棚にしまっておきます。

  • 愛という抽象的概念を理論立てて定義する試み。
    困難が伴うであろう作業だが著者は見事これに成功している。

    愛とは与えること。
    そして与えるためには、自らを拠り所にして生産的に生きることが必要。そその前提には「自らの思考・経験に基づいた信念」がある。

    孤立の不安・恐怖から逃れるのが人類の願望であり、それゆえ人は愛を他者に求める。しかし、本当の愛を手に入れるのは自分の存在に信念を宿らせる人間のみである。したがって愛することは修練が必要になる。そしてその修練はいついかなる時でも規律・集中を実践することであると著者は説いている。
    愛は決してメロドラマのように運命的に恋に落ちることを指すのではない。
    自分の全存在を賭して他者の可能性に飛び込む、非常に能動的で勇気の必要な行為であるのだろう。

    最後に愛の実現に影響を及ぼす今日の資本主義社会の問題点を著者は提起していた。これはいまだ現在の我々の課題に通じる。

    資本主義の限界点が愛という視点から見事に指摘されており、感銘を受けた。

  • 愛する事は全方位に対して能動的的になる事。
    あと抜粋で良かった所
    その人を知れば知ろうとすると遠ざかるばかり。知りたいために、サディズムにはしり、洗脳して思うがままに動かすようにする。
    苦しめて秘密を白状させる、人間の秘密を。白状やバラバラに暴力分解するだけではしれないが、愛を通して相手のうちに入り込めば知ることができる。
    人間は、超越への欲求がある。それは自分が創造された、生まれたとの受動的な役割から、創始者と思いたい欲求である。女性は子供を産んで愛し世話をすることがそれだが、男はできないから人工物や思想を作って超越したくなっている。
    それなら女性で人工物や思想を作る人はなに?
    さらに母性愛は巣立つから手離れするまでを望んで後押ししなければならない。

  • 年齢や経験を重ねるほどに、よく理解できる気がする。何度でも読みたい。

  • 愛をとことん言語化・体系化する、という立場はとても西洋的だが、かなり本質をつきつつある。
    つきつつある、と言うのは、著者というより読者側の問題で、愛にはどうしても言語化できない「イデア」があることを、まずはじめに理解しておく必要がある。そのうえで、明瞭にしておけるところは、やはり明瞭にしておいた方がいいだろう。
    「愛がわからない」という人、あるいは「愛をわかっている」という人におすすめの一冊。

  • 友人が大学生の頃指定図書として読んだと聞き、読んでみた。

    「愛」と一言で言っても、色々な形が存在する。
    家族愛、異性愛。隣人への愛、自分への愛。
    それらを独自に考えるのではなく、全てが関連していると捉えること。
    そして自分を受け入れること。
    それが他人を愛する第一歩だと思う。

    他人に愛されることだけを望む人、相手の気持ちを無視して自分の愛を押し付ける人、自分のことが好きになれない/自分のことを認められない人。
    そんな、自分の周りにいる大好きな友人たちに、是非読んでもらいたいと思った。
    でも、この本は心をオープンにしていないと何も響かないと思う。
    文体も小説とは違うし、哲学者たちの知識も時代背景もわからない状態で1回読んだだけでは理解が難しい。

    それでも、読んでよかったと思えた。
    日々学習していければと思った。
    だから、薦めたいと思った。
    この気持ちが届いてくれるといい。。。

  • ふるーい本だけど、良かったです。
    個人的には、私は、最近久しぶりに授乳するようになって、女は結婚すると、せっせとご飯を作り、子どもを産むと、今度は自分がご飯になるんだなーと思っていたところだったので、「与えることが愛」という文脈の中で、母は授乳することで自分を与える、と書かれていたところに激しくうなずいた。
    あと、真実は逆説的なことが多い、というのも、いつか自分で文章に書いてみたいと思っていたけれど、ちっともまとまらないところだったけど、本にも同じことが書かれていて、私の発見はちっとも目新しくないことが分かったり・・・。
    最後の章、愛の修練では、愛するためには、今に集中すること、何もしないで一人でいられるようになること(本当の自立)など書いてあって、なるほどなーと思った。

  • 50年くらい前に書かれた本だが、精神分析学者の著者が愛と言うことについて、書いている。
    あくまで、愛であり恋ではない。また愛も一般に言われる異性愛だけでなく、兄弟愛、親子愛、人類愛にまで話は及ぶ。
    またここでいう愛の特質柄、キリスト教との結び付きが強く、途中かなり宗教チックな話になるのがしんどかった。

    たださすが精神分析学者といったところで、現代の人間性や社会の問題は鋭く分析されている。

    なるほどねーとおもった考え
    私達は愛されるためには必死に考えるが、愛するための技術には無頓着で、勝手になんとかなるだろうと思っているが、それも技術の一つであり学ぶ事ができる(結局その技術の内容は煙がかかってるようによくわからんまま終わりますが)

    孤立するということは人間が根底から恐れる恐怖である


    愛するためには人格が発達していなければならない
    その要素 配慮、責任、尊重、知

    人を愛するとはナルシシズムから抜けること。自分、周りを客観的にみること。被害者ぶらないこと。

    映画とかで描かれる愛は偶像崇拝的なものである。
    相手のなかに自分を探すのではなくて、確固たる自己を持つこと

    技術の修練には規律、集中、忍耐、最高の関心が必要

    自分に対して敏感になる

    昔は傑出した精神的特質を備えた人が評価された。今はみんなから見られる立場にいる人。

    客観的に考える力、それは理性である。理性の基盤は感情面の姿勢の謙虚さである。

    根拠のない(他人本意的な)信念でなく、理にかなった(自ら考え、判断した)信念を持つ。自分自身を信じている者が他人に対しても誠実になれる。

    愛される、そして愛するには勇気が必要だ。あるじぶんが最重要と思う価値に対して、全てをかけて踏み込む事だからだ。

  • 愛は能動的に与えるもの。
    市場原理に基づき、お買い得品と感じた対象に出会った時、恋に落ちたと錯覚するけれど、それは愛ではない。
    愛は技術。
    修練が必要。でも現代では、エネルギーを費やす対象として捉えられてない。

    人間の最も強い欲求は、孤立を克服すること。人間的成熟度によって克服の仕方は異なる。
    祝祭的興奮状態
    同調に基づく合一
    想像的活動
    『人間同士の一体化、すなわち愛』

    逆説的哲学
    神は否定の否定
    思考は無知

    自分をしっかりともち
    他者を尊重できて初めて
    生産的な愛を営むことができる。

著者プロフィール

エーリッヒ・フロム (Erich From)
1900年ドイツ・フランクフルト生まれ。フロイト理論にマルクスやヴェーバーを接合して精神分析に社会的視点をもたらし、いわゆる「新フロイト派」の代表的存在とされた。また、真に人間的な生活を可能にする社会的条件を終生にわたって追求したヒューマニストとしても有名である。しだいに、禅や東洋思想へも関心を深めた。
著書に、『愛するということ』『悪について』『生きるということ』『フロイトを超えて』『希望の革命』『反抗と自由』『人生と愛』『破壊』(以上、紀伊國屋書店)ほか多数。1980年歿。

「2016年 『ワイマールからヒトラーへ〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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