完全犯罪

  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314008297

作品紹介・あらすじ

ビデオカメラ、ハイビジョン映像、ワープロ、携帯電話、整形手術、クローン人間…。さまざまなレベルでのテクノロジーの進展はヴァーチャルなものの洪水をまねき、リアルだと思っているわれわれのあらゆる行為とあらゆる出来事は、いとも簡単にデータに変換されてしまう、はかないものでしかなくなった。現実の消滅-動機も犯人も判然とせず、死体さえ発見されない完全犯罪。現代文明のしかけたこの壮大な罠を、人類はすりぬけることができるのか。待望の最新評論集。

感想・レビュー・書評

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  • テクノロジーの進展はヴァーチャルなものの洪水を招き、あらゆる出来事を
    データ変換してしまう。現実の消滅-動機も犯人も判然とせず、死体さえ発見
    されない完全犯罪。現代文明の仕掛けた罠を人類はすりぬけることができる
    か。待望の最新評論集。

  • 亡くなってすでに3年。さらに、ボードリヤールの翻訳者で現代思想研究の碩学・今村仁司も、その後を追うように亡くなって同じく3年という月日が経ってしまいました。

    彼については、ほんの少し書いたものが3年前にあったので、また引っ張り出してきました。

    ①忌日【2010年3月6日記述】
    2007年3月6日に77歳で亡くなったフランスの思想家。

    ②本の感想【2007年11月17日記述】
    これってミステリーっぽい題名でしょう?

    だから我が家の書棚には、ポール・アルテやブリジット・オペールやフレッド・ヴァルガスなんかの本と一緒に並んでいます。
    何も知らない推理小説好きの方が、手にとって面食らうところが見たくて。

    ああ神様、お許し下さい、なんと私は罪深い性悪女なのでしょうか。

    そんなことより、調べ物で今年の3月の新聞を片っ端から読んでいたら、何と3月6日にボードリヤールが身罷ったことを初めて知りました。この本の著者です。享年77歳。

    彼の本は『物の体系・・・記号の消費』や『消費社会の神話と構造』、そして『生産の鏡』や『象徴交換と死』など懸命に読んできましたが、どれもまともには理解不可能な難解なものばかりでした。

    今でも何冊ものノートに自分流に分解された悪戦苦闘した痕跡を見るだけでゾッとします。でも何故か魅かれて忘れられません。

    あっ、彼の『シミュラークルとシミュレーション』をウォシュウスキー監督が気に入って、これを元に映画『マトリックス』を作ったという話はあまりにも有名ですね。

    それにしても、たしかパリ大学で、89歳で大往生した我が敬愛するアンリ・ルフェーブルに薫陶を受けたボードリヤールですが、77歳という年齢での死去は早いのかどうなのか?並み居る思想家の死亡年齢をチェックしてみました。
       アンリ・ルフェーブル・・89歳
       ブルデュー・・・・・・・・81歳
       ラカン・・・・・・・・・・80歳
       ホルクハイマー・・・・・78歳
       バシュラール・・・・・・78歳
       ハーバーマス・・・・・・78歳
       デリダ・・・・・・・・・・74歳
       アルチュセール・・・・・72歳
       ドウルーズ・・・・・・・70歳
       アドルノ・・・・・・・・65歳
       バルト・・・・・・・・・・64歳
       ガタリ・・・・・・・・・・62歳
       フーコー・・・・・・・・・57歳

    他には、カントが79歳、マルクスが64歳、ウィトゲンシュタインが62歳、プラトンが80歳、ソクラテスが70歳・・・・もう、きりがないので、このあたりで、お開きです。

    あれ?何かおかしいな、と思って確認したら、ごめんなさい、ハーバーマスは存命中でした。1929年生まれで今年78歳です。

  • ボードリヤール的ウォーホール論「機械的なスノビズム」は一読の価値アリ。

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著者プロフィール

【著者】ジャン・ボードリヤール :  1929年生まれ。元パリ大学教授(社会学)。マルクスの経済理論の批判的乗り越えを企て、ソシュールの記号論、フロイトの精神分析、モースの文化人類学などを大胆に導入、現代消費社会を読み解く独自の視点を提示して世界的注目を浴びた。その後オリジナルとコピーの対立を逆転させるシミュレーションと現実のデータ化・メディア化によるハイパーリアルの時代の社会文化論を大胆に提案、9・11以降は他者性の側から根源的な社会批判を展開した。写真家としても著名。2007年没。著書に『物の体系』『記号の経済学批判』『シミュラークルとシミュレーション』(以上、法政大学出版局)、『象徴交換と死』(ちくま学芸文庫)、『透きとおった悪』『湾岸戦争は起こらなかった』『不可能な交換』(以上、紀伊國屋書店)、『パワー・インフェルノ』『暴力とグローバリゼーション』『芸術の陰謀』(以上、NTT出版)、ほか多数。

「2015年 『消費社会の神話と構造 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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