- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314009638
作品紹介・あらすじ
「水面に目を落とすと水がどこまでも透き通っていて、岩がごつごつしているのとか、砂地だったりする海底がゆらゆらと見え、その深さにいつも息をのんだ。」-美しい浜辺と、山々に囲まれた、神様の掌にそっと乗せられたようなその村で、日々を生き生きと過ごす少年たちの、海と夏の小さな物語。
感想・レビュー・書評
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大人になって思い出す子供時代をノスタルジーに描いたお話。舞台となる静岡の漁村の風景、そしてその小さな世界で繰り広げられる物語に郷愁を感じる。
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「バザールでござーる」「ポリンキー」「だんご三兄弟」…数々の名作を生み出したあの佐藤雅彦が、こんなにのびやかな少年期を過ごしていたなんて。
「プレステIQ」や「ピタゴラスイッチ」を作った人で、頭の中は理数系かと思ったら、こんな抒情的な文章を書いている。できる人の頭のなかっていうのは計りしれないわ~。
静岡県沼津市美浜の豊かな自然の中で、日が暮れるまでのびのびと夏休みを過ごす洋次の姿が生き生きと描かれている。
今の都会っ子には無理だろうと思われるような、ワイルドな夏である。 -
静岡沖に小さな島のある男の子が毎夏遊びながら、小学・中学と大人になっていく、かわいい物語を10話。 無邪気にどう遊ぼうかだけ考えて毎日過ごしてたころを思い出してほっこり。
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少年の頃の輝く夏の日常
いつまでも心の核にある宝物のような日々
個人的に「競争」と「滝さん」がいい。
「水兵の墓」は、歴史上の出来事を、
少年の日常という「身近さ」で教えてくれる。 -
浜辺の街に住む少年を主人公にした小説。佐藤氏の実体験も重ねられているのか、海の描写が生き生きとしていました。
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海辺に暮らす少年の日常。特に夏の思い出。
この人の、映像表現のルーツが、感じられる部分もあり、楽しい。
表現者の心の一端が見られるというのは、なんだかうれしい。
なんだろう、この感じ。
本当にうれしい。 -
素敵な海と夏のお話
こんな少年期を過ごしてみたかった…
挿絵もとってもいいです -
海辺で暮らす少年の思い出をつづった物語。
懐古的に書かれているのではなく、その当時の視点で書かれている。
その少年は作者本人のようであり、また別の人のようであり。
綺麗でたんたんとした文章が続く。
私は海なし県で育ったから海の思い出ってないけど
子供の頃の夏休みや日常遊んでいた時の懐かしい思いを
思い出させてくれる優しい作品だった。 -
-砂嘴というその地形のおかげで、内海は波の静かな自然の港になっている-
ただ、淡々と語られ、結論もない。日記のような10の物語。なんてことはないけど、でも、多分、誰もがこんな子供時代の思い出を心の中にもっていたら、世界は本当に平和になるのかもね。元気のないときに、するりと「今」から逃げ出して、美しかった時代へ、心の旅ができる本。