「モード性格」論―心理学のかしこい使い方

  • 紀伊國屋書店
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本棚登録 : 72
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314009973

作品紹介・あらすじ

「性格は変わらない」という思い込みこそが、あなたの性格が変わらない一番の理由です。時と場合によって、自分をプロデュースするという新発想-。血液型判断や性格テストはもう古い!心理学にだまされないための心理学。

感想・レビュー・書評

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  • ・経時的安定性 時間が経っても性格はあまり変わらない
    ・通時的安定性 状況が変わっても性格はあまり変わらない
    ・性格テストは通時的安定性と経時的安定性の仮説に依存しているが、この仮設は信頼性が低い
    ・子供の時と大人になった時の性格テストに一貫性があるとしれているが、これは性格に一貫性があるのでなく本人の自己イメージに一貫性があるだけ。
    ・一貫性のある部分は30%で、70%は状況依存
    ・ウォルター・ミッシェルと「性格一貫性論争」
    ・現代の性格心理学は本来の性格と状況の両方を考慮する「相互作用論」が主流
    ・社交的遺伝子を持っていても無人島に住んでいれば
     社交的になりようがない。遺伝と環境は相互作用。
    ・遺伝の影響は30-50%。父親が遺伝子Aを持っていて母親が持っていないとすると遺伝率50%でも遺伝子Aの影響は25%で残り75%が母親と環境の影響
    ・知能は家庭環境が大きく影響する
    ・性格は家庭環境があまり影響しない
    (子供の家庭外での友人付き合いに影響されやすい)
    ・同じ過程に育った兄弟で顔貌が似ているのに性格に大きな違いが出るのは、おそらく家庭外の環境が違うから
    ・子供の性格が変わりやすく、大人の性格が変わりにくく見えるのは、子供の家庭外の環境は変わりやすく(クラス替え、進学で環境が大きく変わる)、大人の生活環境は変わりにくいから。
    ・大人の性格変化には、性格変容と多面性格がある
    ・性格変容:死、結婚、病気、入信など大きなライフイベントで不可逆的な性格の変化が生まれる
    ・多面性格:状況ごとに性格を使い分けている 
    ・性格は変わるので自分で望ましい性格を決めて、行動計画を作り、その計画にしてがって行動すると、周りもそういう背角の人として扱ってくれて、性格が固定化しやすい。
    ・俳優は、演じている役と日常の振る舞いが近づく場合がある

  • 性格論について心理学的に書かれている本。
    「性格は見方の問題」という考え方が面白いと思った。

  • 昔読んでなんか納得いかなかったのだが、本棚から発見してまた読みなおしてもなんか納得いかん。書いてあることが納得いかないのではなく、なにか書き落されていることがあるんだろうと思う。もちろん「性格」と呼ばれているものが状況によって変わる、ってこと自体に文句はない。渡邊先生の本も読みなおすか。

  • 性格っていうのは区分けができるものではないと。
    性格は、人の見方によって、様々で、状況によっても変わるらしい。

  • 者は、「性格は見方の問題」と主張する。性格の「時間を経ても性格は変わらない」「状況が変わっても性格は変わらない」は、測定にバイアスが懸かっているのであり、これまでの心理学における測定方法に、そもそもバイアスがかかっているのだという。例えば、心理テストも、被試験者が、試験を受ける環境の影響を受ける場合もあるし、試験をする側についてもバイアスが懸かる。そもそも「性格という固定的なものがある」という認識があるため、試験者と被試験者にバイアスがかかるのだという。
     確かに、人間は家庭や会社、友人等との関係において、多少なりとも表出される対応の仕方が違うのは確かだ。これは二重人格とは違う。二重人格は、アイデンティティが喪失している状況。状況に応じて対応の仕方が変わるのは多面性格。殆どの人間に表れる減少だ。
     人の性格は、遺伝や環境が相互に作用して形成されるのものであり、非常に複雑だ。だから親を恨んではならないし、環境を恨むこともできない。そうした影響を受け、自分が主体的に考えていくことが重要だと説く。例えば、どんなに自分がつらい立場にあろうとも、それをどう感じるかは自分次第。状況に応じて性格を柔軟にしていこうということだ。
     血液型も関係ない。血液型と性格の関係性はない。そういうレッテル貼りにより、固定観念ができあがっているだけだ。
     著者は「モード性格」を主張する。状況に合わせて対応の仕方を変えていけということだ。その方が楽だし、そもそもステレオタイプ的な性格判断では、自分がつぶれてしまう可能性だってある。
     自分の性格を見直そうだとか、いまから変えるのは恥ずかしいとか考えるが、人は状況によって性格を変えるものだし、それは当たり前のこと、と思えばよい。人生にはどんな方法でも週末点(死)に至る。いろんな道があってもいい。
     とても気が楽になる本だった。

  • まがい物かな?

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著者プロフィール

立命館大学総合心理学部総合心理学科教授

「2019年 『質的研究法マッピング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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