あったかもしれない日本: 幻の都市建築史

著者 :
  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314009980

作品紹介・あらすじ

皇紀2600年(昭和15年)の万博とオリンピック、関東大震災のモニュメント、琵琶湖大運河、甲子園秘話、阪神国際飛行場、臨海の東京市庁舎、大東亜の「聖地」、国会図書館・最高裁判所のコンペ、大阪万博の初期構想…。実現しなかった夢のプロジェクトに「もうひとつの」国のかたちを読む。

感想・レビュー・書評

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  • 東京オリンピック2020は延期となったが、来年開催可能かどうかさえ疑わしい。
    今年の正月、たった4ヶ月前に、オリンピックが中止になるかもしれないと、思った人がいるだろうか。
    1940年、東京オリンピックが開かれるはずだった。また、同年には、東洋初の万国博覧会も計画されていた。
    これらのイベントのために、会場が設計され、万博では前売り入場券まで発売された。しかし、その会場は完成することが無かった。
    それらの会場が完成されていたら、東京の風景はどうなっていただろうか。勝鬨橋は万博会場整備の一部だったんだそうだ。月島一帯は万博会場として賑わったんだろうか。
    実現しなかった夢は、想像をかき立てる。
    コロナで家にいる今、読むべき本だろう。
    一つ、甲子園球場の名前は、紅洲(ベニス)という案もあったとのこと。紅洲球場になっていたら、目指せベニスとか、熱血ベニスとか言ってたんだろうか。甲子園で良かったね。

  • 現実だけでなく実現しなかった過去にも目を向けることが、「今」と「未来」を見通すレンズになる

  •  廃棄された「構想」は、すべて無駄であったのだろうか。私はそうは思わない。成就しなかった案も含めて、時代の必然であったと見るべきではないか。できなかった建築物や未完のままに放棄された都市をめぐる叙述は、できあがった建築物や完成した都市を列記することから生まれる史観を補完する。より積極的にいえば、双方は表裏の関係にあって、一体であるはずである。(p.238)

  • 残ったものだけからの評価ではなく、先人の発想も含めて多面的に知る、それが真に学術的な姿と言えまいか。

  • 戦前を中心に、結局は実現しなかった都市計画や建造計画を取り上げたもの。1940年に計画していたオリンピックや万博、そのほか忠霊塔や官庁街の計画など。実現性がどの程度だったかにもよるんだけど、荒唐無稽な感じの話もあればかなり具体的な進んでいた話もあって、それぞれ夢があって面白かった。オリンピックの話なんかは、80年近くを経てまた同じようなことで揉めてるじゃないかと思ったりも。歴史は繰り返されるってこと?

  • パラ読みのみ。
    でも図を見ているだけでも楽しい。
    後でじっくり読みたい。

  • 未完成都市計画とかお好きな方に是非。割と面白いのは初期の空港の位置づけだなあ。扱いに困るけど重要って思ってる、みたいな感じがいろんなところに出てるんだよね。

  • 幻の東京オリンピックの話とか始めて知った。
    まだまだ私の知らない日本の姿があったんだなぁと思う。

  • ベックマンに期待wktk

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著者プロフィール

大阪府立大学研究推進機構特別教授・大阪府立大学観光産業戦略研究所長

「2020年 『まちライブ06』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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