利己的な遺伝子 増補新装版

  • 紀伊國屋書店 (2006年4月15日発売)
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本 ・本 (578ページ) / ISBN・EAN: 9784314010030

感想・レビュー・書評

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  • ダーウィンの進化論をベースにしているが進化の主体が生物個体ではなく、遺伝子に有ると理論展開をしている。我々生物個体は、彼ら遺伝子にとって単なる生存のための機械でしか無く、遺伝子が生き延びる為に宿主である個体を利用しまた環境に合わせ変化させていると言う視点である。文体が読みづらく、生物学的知識がある程度ないと500ページを超えるこのボリュームは苦痛でしかないと感じるかもしれない。ただ、ゲノム解析が飛躍的に進んだ現代においても本書の内容は決して否定される事はないくらい完成されている。事例も豊富に上げられ読んでいてとても面白く楽しめる。完読できれば豊富な知識が得られる事請け合いだ。私の中で、今のところ今年最高の一冊。

  • 生物は、遺伝子に利用される「乗り物」に過ぎない。
    この本を読むと、その説にまったく反論できなくなる。
    中学生のころにこの本を手にして、ショックを受けるとともに「自分の生とはこの程度のものだ」と気楽になったのを覚えている。
    無駄なことと気楽なことをして、好きなときに死ねばいい。恋愛も結婚も子育ても遺伝子の生存本能により生み出された幻想なのだから、憧れも神聖視もいらない。
    遺伝子に操縦されていることを知らないまま幸せに生きるもよし、知ってなお人間的とされる生涯を送るもよし、斜め上から見下して逆らうもよし、なんでも自由。
    読むことで選択肢は確実に増える。
    あと単純に蜂の生態の話とか面白いよ。注釈が多いので、寄り道しながらの読書が好きな人にもオススメ。

  • 一、全体として何に関する本か
     「利己的遺伝子」はネオダーウィニズムと言われるダーウィンの主の起源を深化さたものである。ダーウィニズムでは、自然淘汰の単位を「種」としているが、利己的遺伝子では自然淘汰の単位を「遺伝子」としている。進化は、種が生き残るためではなく、遺伝子が生き残るために行われるものだという衝撃的な内容で、世界的に注目されている説である。


    二、何がどのように詳しく述べられているか
     我々は、遺伝子を保存するための生存機械である。これが、利己的遺伝子の最も重要な結論である。人はなぜ生きているのか?その答えは「遺伝子を保存するため」である。進化論というと、種が生き残ることだと多くの人は考えているが、著者は遺伝子が生き残るために自然淘汰が起こるという新しい結論を出した。しかも、遺伝子は利己的である。自分の生存しか考えていない。動物が利他的な行動を示すのは、遺伝子の利己性のためである。それは「群淘汰」という原理で説明されている。各個体が集団の幸福のために犠牲を払うようにできている種の方が、自分自身の利己的利益をまず第一に追求している集団より、結果として絶滅の危機が少なくなる。動物が利他性を示すのは、遺伝子を保存するためである。
     例えば、人は家族を守るためなら自分の危険をも犯す。親が子を命がけで守るのは、子が自分の遺伝子の半分のコピーを持つからである。兄弟間でも利他性が現れるのは、兄弟も遺伝子的には自分と同じ遺伝子を半分持っており、それを守ることが遺伝子の保存になるからである。親戚、親戚の親戚…と自分からの血縁が遠のくほど、自分と同じ遺伝子のコピーが少なくなるので、他人よりも近親者に対して自己犠牲が強く働くのだ。動物は利他的行動を取るように見えるが、実は自分と同じ遺伝子の保存という利己的遺伝子の本能が働いているだけである。
     また、遺伝子はなぜ動物というロボット(容器)を造ったかであるが、これは単純にバクテリアのような単純細胞が生存できる場所が一杯になったため、動物という新たな形で生存するようになっただけである。実際、バクテリアの数に比べれば動物の数はごく僅かであり、動物が世界を支配しているのではなく圧倒的にバクテリアの方が支配的である。遺伝子の保存という点では、動物はバクテリアに全く及ばない。


    三、その本は全体として真実か、どんな意義があるのか
     著者は、この本を「サイエンスフィクション」として読んでほしいと冒頭に書いてある。この本では、数学など科学的なことはほとんど出てこず、筆者の考えだけを述べたものであり証拠はない。よって、半信半疑の域を出ることはできないのだが、内容は間違いなく面白い。
     筆者が自ら述べている通り、利己的遺伝子は非常に恐ろしい話で誰もその事実を認めたくはないが、この仮説で全ての「生」が説明できるのである。


    四、一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか
     自然淘汰がなぜ起こるのか。それは偶然なのか、必然なのか。そして、人はなぜ生きるのか。そういった永遠のテーマを新しい視点から考察しており、本書を読み終えると著者の考えに少し共感できるようになるのが不思議である。

  • リチャード・ドーキンスによる「利己的遺伝子論」の解説書。ダーウィニズムの発展から導出されたこの理論は本書をもって世間に普及されることとなった。

    内容はめちゃくちゃ面白い。登場する仮説すべてが興味深く、納得させられる。
    ただそれと同じぐらい読みにくい本でもある。言い回しがいちいち婉曲的な上に、分かりにくいメタファーを多用するためになかなか主旨に辿り着かない。要所をつまみながら一周し、大体の内容を把握した上で二周目に詳細を読んでいくことでやっと理解できた。

    本著は非常に優れた理論であり、以後のエソロジーに多大なインパクトを与えた。しかし同時に、非常に誤解されやすくまたその誤解が大変危険なものになりえる理論でもある。
    この理論を敢えて一言で言うならば、「自然淘汰の単位は種でも個体でもなく、個体の中に存在する遺伝子そのものである。あらゆる個体は利己的遺伝子の支配下にある生存機械にすぎない」となる。
    これだけ聞くと、遺伝子(DNA)が生物を直接的に操っているかのような印象を受ける。実際この誤解が世間に既に浸透してしまっている(ドーキンスはこの状況を危惧しており、故に回りくどい丁寧な表現を繰り返した)。
    しかし利己的遺伝子論の正しい理解は「DNAはあらゆる生物を間接的に、プログラマーのように規定している」ということになる。

    この理論が危険だというのは、前述の誤解を「べき論」として振りかざすことにある。またドーキンスはこの理論をむしろ生物の様々な本能や習性の「説明的」に使っている。

    この本を理解できたことで、行動経済学や心理学の知識が一段階深く腹落ちしたと感じる。
    難解で長い本ではあるが、一読に値する。

  • 学生時代に読んで、衝撃を受けた本。現代生物学は、この本に書に対する反論の取り組みに見えるほど、冷徹で説得力のある理論。オミックスとかは、いい感じの反論に見える。

  • いいやつが生き残るという話になんか救われた。

  • マーク・トウェーンは利他的行動が“功名心”から説明できるとしたが。マルクス主義はフロイト理論を援用して、「ブルジョワジーは自らの階級の利益のために行動する」としたが、(『デューン』のベネ·ゲセリット教団と同じく)“遺伝子の流れ”が本体で、遺伝子の自己保存の論理で本能的“自己犠牲”が説明できる。動物にも欺瞞や裏切りがある。卵子を持つ不利な♀に対し♂の誠実:浮気がどの程度の割合になると均衡に達するかまで数学的に算出する手法にセンスオブワンダーがある。異性に“誠実”は有利な戦略ではあるが、シングルマザーに養育費を払わない男も遺伝子的には有利。連れ子が虐待で殺されたりしなければ。やれやれ。
    生物を「遺伝子の乗り物」として考察するばかりではなく、最終章に至ってミームという“文化的遺伝子”を提唱し(この本が元祖とは知らなかった)人間性の本質に光明を与える(渡り鳥の道が一定なように動物でも伝承文化はあるそうだが)。

  • 「利己的な遺伝子」リチャード・ドーキンス著・日高敏隆訳、紀伊国屋書店、2006.05.05
    558p ¥3,024 C0040 (2019.03.26読了)(2019.03.14借入)(2017.02.01/11刷)
    この本は、「生き物は、遺伝子の意のままに操られている」ということを縷々述べているものというイメージで読み始めたのですが、著者の述べていることがどうもよくわからないまま終わってしまいました。4日ぐらいで読み終わるつもりが8日ほどかかりました。
    生物の習性については、いくつか興味深い事例が述べてありました。

    【目次】
    三〇周年記念版への序文
    一九八九年版へのまえがき
    序文(ロバート・L・トリヴァース)
    一九七六年版へのまえがき
    1 人はなぜいるのか
    2 自己複製子
    3 不滅のコイル
    4 遺伝子機械
    5 攻撃―安定性と利己的機械
    6 遺伝子道
    7 家族計画
    8 世代間の争い
    9 雄と雌の争い
    10 ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう
    11 ミーム―新登場の自己複製子
    12 気のいい奴が一番になる
    13 遺伝子の長い腕
    補注
    書評抜粋
     公共の利益のために  ピーター・メダワー卿
     自然が演じる芝居  W・D・ハミルトン
     遺伝子とミーム  ジョン・メイナード=スミス
    訳者あとがき  1980年2月  日高敏隆
    第二版への訳者あとがき  1991年1月  日高敏隆
    第三版への訳者あとがき  2006年3月14日  日高敏隆
    訳者補注
    参考文献
    索引および参考文献への鍵

    ●訳者あとがき(525頁)
    動物にみられる一見「道徳的」な行動―たとえば同種の仲間を殺したり傷つけたりすることを避けるとか、親が労をいとわず子を育てるとか、敵の姿に気づいた個体が自分の身にふりかかるリスクをも顧みず警戒声を発するとか、働きアリや働きバチがひたすら女王の子孫のために働くとか―をどのように解釈するかは、長い間の問題であった。とくに、自己犠牲的な利他行動がいかにして進化しえたかということは、説明が困難だった。
    一つの考え方が群淘汰説である。淘汰は個体にではなく、集団に働くのだと、この説では考える。利他行動によって互いに守り合うような集団は、そうでない集団より、よく生き残ってゆくであろう。
    もう一つの説は、この本でドーキンスが述べている遺伝子淘汰説である。淘汰はやはり個体、いや正しくは遺伝子に働くのだというのである。

    ☆関連図書(既読)
    「種の起原」チャールズ・ダーウィン著・堀伸夫・堀大才訳、朝倉書店、2009.05.10
    「ダーウィン『種の起源』」長谷川眞理子著、NHK出版、2015.08.01
    「攻撃 1」ローレンツ著・日高敏隆訳、みすず書房、1970.01.30
    「攻撃 2」ローレンツ著・日高敏隆訳、みすず書房、1970.05.15
    「男性と女性 下」M.ミード著・田中寿美子訳、東京創元新社、1961.09.
    「ブリンジ・ヌガグ」コリン・ターンブル著、筑摩書房、1974.04.10
    (2019年3月28日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    「なぜ世の中から争いがなくならないのか」「なぜ男は浮気をするのか」―本書は、動物や人間社会でみられる親子の対立と保護、雌雄の争い、攻撃やなわばり行動などが、なぜ進化したかを説き明かす。この謎解きに当り、著者は、視点を個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性から快刀乱麻、明快な解答を与える。初刷30年目を記念し、ドーキンス自身による序文などを追加した版の全訳。

  • 生物一般に対する常識を覆したに留まらず、『攻殻機動隊』や『虐殺器官』にまで影響を及ぼしている現代の進化論入門書にして20世紀の最重要古典。中心となるのは「生物は遺伝子の乗り物である」という巧みな比喩が印象的な、遺伝子を中心に置いたダーウィンの進化論の捉え直しと、遺伝子の様に文化を自己複製物として考える「ミーム」という概念。そう、コンピュータの世界が0と1で作られている様に、所詮僕らもATGCの4つの塩基で作られたDNAの産物。ページを捲る度に世界観が更新されていくかの様な、あまりにも鮮烈な読書体験だった。

  • 生命体の繁栄のために遺伝子を使うのではなく、遺伝子の繁栄のために遺伝子が生命体をつかう。自分のこれまでの生命観とは180度違う内容のため衝撃が大きかったが、すんなり吸収できたのはやはり、まず地球上に発生した自己複製子からすべて始まったからかもしれない。また、個体群の数が増えてくると、交配数を減らし、子を作らずあたかも長期的に繁栄するように、淘汰されない程度に調整する遺伝プログラムがあるようであるというのは、人間においても当てはまるのではないかと思う。90億人時代に突入すると言われている中で、先進国では晩婚化が進むというのは、そういうことではないのだろうか。また、食糧危機の回避のための農業新技術がさらなる人口増につながり、解決にならないというのは、まったくの盲点であり、食糧問題は本当に難しいと感じた。この本は、生物学に無知な人、初学者、専門家向けに書かれている。まず、無知者として生命観はまるで変わった。次は、なぜ人類だけが、先見性という能力と文化を身につけたのか?遺伝子への反抗なのか、それともその先に遺伝子の狙いがあるのか、などなど疑問が次々と生じる。初学者としてもう1度注意深く読み理解を深め、次へ進むべきなのかもしれない。それでなくとも、ゲーム理論の気のいいやつが1番になるということも参考になるし、単純に考える幅、視野が広がった。自らの思考プロセスに衝撃を与えるには十分すぎる内容だった。

  • 素晴らしい作品!詳細は読書メモ欄に記載

  • 自然淘汰は、種や個体群や個体でもなく、遺伝子を基準になされていると主張する、あまりに有名な一冊。
    第2章の生命の起源の話は、主題ではないがわかりやすい。
    また、「ミーム」という用語の初出でもある(第11章)。
    アクセルロッドの囚人のジレンマの議論も出てきたのは面白かった。

    説明はわかりやすいし、翻訳も優れていると思う。
    しかし、読むのにやたら時間をかけてしまった。


    「自然淘汰に成功する単位が持つべき特性……それは長命、多産性、複製の正確さである。そこでわれわれは単に「遺伝子」を、少なくとも潜在的にこれらの特性をもっている最大の単位と定義する。」(50頁)

    「自然淘汰の基本単位と考えるのにもっともふさわしいのは、種ではなく、個体群でもなく、個体ですらなくて、遺伝物質のやや小さな単位(これを遺伝子とよぶと便利だ)である」(56頁)

    「メイナード=スミスが提唱している重要な概念は、進化的に安定な戦略(ESS; Evolutionarily Stable Strategy)とよばれるもので……個体群の大部分のメンバーがそれを採用すると、別の代替戦略によってとってかわられることのない戦略だと定義できる。」(101頁)

    「個体群には二つ以上の代替可能な安定点があり、ときおり一方から他方へ突然の飛躍がおこることがある。進化とは、たえまない上昇ではなくて、むしろ安定した水準から安定した水準への不連続な前進のくりかえしであるらしい。」(126頁)

    「捕食者は、簡単に捕まえられそうな獲物を選ぶ傾向がある。そのため、高くてしかも派手なジャンプを可能にする遺伝子は捕食者に食われにくい。……この理論によれば、ストッティングは、利他主義などとは関係がない。」(261頁)

    「ワーカーたちが示す神風的な行為、およびその他の形態の利他主義や相互協力は、彼らが不妊であることが理解されれば、びっくりする事柄ではなくなる。……彼らは、子どもではなく、近縁者を世話することに全力を注いで、自らの遺伝子を保存しようとしているのである。」(263頁)

    「新登場の自己複製子にも名前が必要だ。文化伝達の単位、あるいは模倣の単位という概念を伝える名詞である。模倣に相当するギリシャ語の語根をとれば<mimeme>ということになるが、……このギリシャ語の語根を<ミーム(meme)>と縮めてしまうことにする。」(296頁)

    「表現型という専門用語は、一つの遺伝子の身体的なあらわれ、つまり、遺伝子が発生を通じてその対立遺伝子との比較において身体に及ぼす効果に対して用いられる。」(366頁)

    「結局のところ信仰とは何なのだろうか。それは、証拠が全くない状況の下で、人々に何か……を信じさせてしまう心の状態だ。十分な証拠がある場合は、信仰は余分である。いずれにせよ証拠がわれわれに信じることを強いるだろうからだ。だからこそ、しばしばオウムのようにくりかえされる「進化それ自身が信仰の問題」という主張はばかげているのである。人々が進化を信じるのは、彼らが恣意的に信じたいと思うからではなく、公に入手可能な膨大な証拠があるからである。」(505頁)

  • とても面白かったけど、生物の知識のない私にはとても難しく、同じ個所を2度3度と読み返していたために、おそろしく読むのに時間がかかった…。でも読んでよかったと思う。その後も生物系の本を読むとこの本の知識が役立っている。
    遺伝子とは違う形態で後世の思想に長期にわたって影響を及ぼすことのできる「ミーム」という考え方については新鮮でたいへん興味深かった。昨今のAI、特にチャットGPTなどの目覚ましい進化をみていると、AIによる「ミーム」の操作に一刻も早く対処しなくてはならないと思う。

  • 今では自然淘汰による進化論は広く浸透していて、古い本書から新たな知見を得られるものもそんなに無いかと思ったが、11章の「ミーム・新しい自己複製子」が非常に面白かったので、全体としての書評も上がる形になった。数学を用いること無くアナロジーや平易な文章でここまでまとめることができるのは、長年のベストセラーであることを納得させられる。アナロジーを理解せず、本質を見極められない人に対する反論や、自身の反省を含めた補注も増補新装版だからこその醍醐味だった。序盤から生命の起源にまで大胆に迫る内容だが、あとから細胞壁ができるより、最初に疎水性のリン気質で壁ができて内部の環境が安定したと考える方が無理がないのでは、と思った

  • かなり骨太な本だった。補註を除いても416ページあり、さっと理解できる内容ではないので読み終わるのに時間がかかってしまった。
    全体を通して、著者のダーウィニズムに基づく動物行動学からの言及が多かったように思う。
    とは言っても30年以上前の本とは思えぬほどさに満ちている。
    13の章に分かれているので若干の読みやすさはあるものの、遺伝や生物学に耐性がないとちょっと読み進めるのはきついかもしれない。

  • とにかく読むのに大難儀。
    何度か断念しそうになったけど最後まで読み続けた。
    明らかに自分には合わない一冊という訳で、この手の本は無理して読むことないのかな。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18451

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA76802207

  • 本書は進化論そのものの話というよりは、進化に対して一種の(ある意味人間らしい)解釈を与える本だと個人的には思っている。 生存競争は個体という単位ではなく、遺伝子(これは複数個体に"乗る"ことができる)で行われているという、現代人からしてみても相当非直感的な解釈を、単に理屈をこねるのではなく、多数の実例をそれで説明する形で論が展開されるため、読んでいくうちに自然とその解釈が腹落ちする。

  • 昔買った本だが、あまり読んでなかったので、改めて読み直してみた。内容は分かりやすく書かれているが、難解な文章もまあまあある。日本語の訳し方の問題の気もするが。2006年のやつなので、2018年版だとその辺も直ってるのかもしれない。改めてkindle版で2018年版も読むかな

  • Podcastでアクセルロッドが出てきて、ゲーム理論の話をしていていて、この本に載っているということだったので改めて該当箇所だけ読んでみた。結構難しい。。。

    やられたらやり返す作戦がゲーム理論のトーナメントで勝利しやすいということだけ聞いていたがそれが深く考察されていて面白かった。結局は相手次第ではもちろん負けること、一方で環境に適用したときに安定化どうかなど、進化を考えるうえでおもしろい材料であることなど。

    わかった気になって、やられたらやり返すを一般的に有効な法則だと考えようとしていた自分を反省。当然、局所局所ではより有効な戦略が存在する。あくまでも進化的に考えたときに、後世に遺伝子を残しやすいという観点で有効だということであって、それ以上でもそれ以下でもない。空想することは楽しいが、その違いを区別しないといけない。

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著者プロフィール

英国の進化生物学者。世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』で知られる。ほかの著書に『盲目の時計職人』『神は妄想である』『遺伝子の川』『進化とは何か』など多数。

「2022年 『これが見納め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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