拒食症・過食症を対人関係療法で治す

著者 :
  • 紀伊國屋書店
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本棚登録 : 178
感想 : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314010337

作品紹介・あらすじ

過食嘔吐はがまんしなくていい、「すぐに」「完璧に」治そうとするから治らない。治療をつうじて人間関係を楽にする-専門医が教える摂食障害の「新しい常識」。

感想・レビュー・書評

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  • 2020年に読んだ本で一番良かったです。

    過食は、現在の対人関係のストレス度合いを表しているものであるので、過食自体を止めようもしても根本の解決にはならない、ということがわかりました。

    また、対人関係のストレスを減らすには、自分のコミュニケーションの未熟な部分と向き合い、より適切なものへと変化させる必要があることがわかりました。

    否定的な感情は、そう感じている自分も含めて認めるところから始めることが必須だとわかりました。その後は、それを言葉で過不足なく表現する、人に聞いてもらう、ということが回復の過程で必要だとわかりました。

    現在の重要な他者との関係を変化させることが大切なので、こちらのコミュニケーションの態度を改めてもなお相手に変化が起こらないような場合は、別離も選択肢の1つであることを頭の片隅に置いておこうと思いました。

  • 症例が多く、分かりやすい。イメージしやすい。

    ・治療すべきは、「痩せたい気持ち」ではない。なぜ、日常生活をぎせいにしてまで痩せたいのかということ(程度の問題)。

    ・クロニンジャーの七因子。摂食障害の人は、自尊心が低く、協調性が高い。

    ・過食症の人;ダイエットの反動としての過食と、ストレス解消としての過食。前者解決のためには、ちゃんと栄養をとる必要あり。

    ・基本的には、過食は止めない。生活は自由にしてもらう。

    ・過食の性格:冒険性=ダイエットに挑戦、心配性=ダイエットの失敗を受け入れられない、ネガティブ思考の悪循環。

    ・症状が強まるときは、アクセルよりもブレーキ強い。いろいろやりたいが、心配でできない。欲求不満を過食で満たす。

    ・拒食:達成感と安心感、自分でコントロールしている感覚。+太ることへの恐怖症。

    ・自分の努力だけではどうしようもなく、他人の手を借りなければならないときも言えない。我慢してしまう。

    ・痩せたい気持ち=美しくなりたい変化の願望(過食の人)、太ることへの恐怖や心配性(拒食の)

    ☆役割期待のずれ

  • ・過食症(恐らく他の依存症も)の原因は、「身近な重要な他者との対人コミニュケーションの問題」である

    ・なので、重要な他者との対人コミニュケーションを改善し対人ストレスを改善する事で、依存症は改善できる

    ・つまりは愛着障害や複雑性PTSDから併発される症状である。
    なので、対人関係療法をする事で、複雑性PTSDの諸症状のいくつかは、依存症以外のも多少和らぐと予想される。

    ・方法としては、重要な他者に
    ・症状を秘密にせず、打ち明け、説明して、治療の協力を頼む
    ・良くないコミニュケーション方法に気付き、それをやめる
    (明確で直接的な言葉で表現しない。無視、不機嫌、依存行為など間接的な方法でストレスを受けてる事を伝えたり、対処する。伝わってると思い込む。)
    ・自分の思っている事、伝えたい事に気付き、それをなるべく直接的でそのまま伝わる言い方で、相手に伝える。難しい場合は、LINEや手紙などで。





    ・逆に、症状だけ見てたり、症状だけを抑えようとしても原因はそのままなので当然治らない。
    無理して抑えても、再発するか、他の依存症になるだけ。

    ・なので、依存行為はストレスへのコーピングであり、必要なものである事を認識し、それをする事を自分に許可する。
    行為をする事や自分を恥ずかしい、駄目だ、などと思わない事が大事。

    ・継続的で習慣的な対人ストレス(を感じる生き方、伝え方、関係、言えない状態)がなくなれば、当然症状は良くなっていく。

    ・依存行為は一度身についた対処法なので、たまに再発しても気にしない。それが起きたり、連続してる原因となるストレスはどこにあるのか?を考えて、そこに対処する。

    ・依存症になりやすい遺伝的な性格特性は、「冒険好き」(アクセル)で、「心配性」(ブレーキ)の人である。

    ・依存症は、アクセルを踏みたいのに、心配な事やストレスのせいでブレーキが強くかかっていることによって、刺激的な行為でそれを補うために行っていると考えられる。

    ・なので、ブレーキよりもややアクセル優位な状態にしてあげる事で治療できる。

    ・それには、必要なとことは、
    対人での心配事(言えない事、抑えてる事)のストレスを解消する。
    思っている事を言ったり、したりできるようにする。
    不安でできない事に対しては認知行動療法などで事前に予測と対処を練ってから試す事で、慣れていく。
    上手くいけば対人関係の挑戦自体が、良い刺激になって冒険心が満たされる。
    それ以外のやってみたい事などにも心配性である事を理解してサポートしつつもとにかくやって、そこで健康で楽しい刺激を得る。

    ・自分の性格特性を理解して、長所と弱点を理解して、上手く活用したりサポートしていく事が大事。

  • 2階書架 : WM175/MIZ : 3410162626

  • 表紙が可愛い

  • いやいや、この本はとある作家さんのおすすめにあり手に取ったのだけれども、タイトルの通り、「拒食症・過食症」という病気の範囲までいった患者さんを持つ家族向けの本。
    間違っても患者さんが読むものではないなあと。

  • 拒食症、過食症の原因を対人関係とみる立場からの療法を勧める。確かにストレスが原因と言えよう。なかなか治癒できない苦労されてる方に大いに参考になろう。2017.5.9

  • あなたのその考えは、男のモノサシですか、
    それとも女のモノサシですか?

    以下、本文の主旨とずれますが、
    ここがこの本の特徴であったと感じたので、それについて書きます。

    「いい男を早くみつけなさい」
    「早くお嫁にいきなさい」
    母が平気でこんなことを言ったりします。
    女性差別をしてきたのは男性だけではありません。

    直線的であったり、わかりやすい数値で評価する。
    どれだけ得られるかが大事で、与えれば減るという考え。
    お人好しはバカをみる社会。
    女性は選ばれる側。
    こういうものは、すべて男のモノサシです。

    しかし、
    これまでお金にならない領域で
    お互いに支えあって生きてきた女性たちは本来、
    それとは別の価値を知っています。
    人と人との気持ちのふれあいや、
    無償の愛、さまざまな命を育み尊重することなど。
    これは、女のモノサシです。
    お金にならないことでも、
    自分の愛情を与えてお互いに豊かになれる機会にする。
    与えると、その分増えたりする。
    お人好しは幸せになる。

    男性なみの女性をつくるのではなく、
    男性も女性も生き方を見直して人間らしく生きる時代。

    外見に気をとられるのも、
    結局はすべて男のモノサシなのです。

  • 以下引用。ためになりました。

    過食症やむちゃ食い障害に比較的多く見られる「対人関係の欠如」は、引き込もりタイプではなく、「はたから見れば友達が多く自信があるように見えるけれども、本人は自信がなく、本当に親しい関係を持ったり維持したりすることができない」というタイプです。

    こういうタイプの人にとっては、「親しさ」は「孤独」と同じくらいストレスになります。相手が自分の中に踏み込んでくることに不愉快さを感じても「ノー」と言えないので、親しくなるのが怖いのです。あるいは、自分の内面をきちんと伝えることができないので、常にいい顔をしてつきあうことしかできず、親しい関係は大変な負担になります。親しさが主にになってくるとどこかで関係を断絶してしまう、というパターンが、まわりから見れば「華やかな男性遍歴」などというふうに見えるのでしょう。実際のところは、安定した親しい人間関係を続ける能力の欠如であり、まさに対人関係療法の対象となります。

  • ■過食嘔吐をがまんさせようとしない



    過食嘔吐という症状は
    患者さんが伝えられないストレスを代弁するものです。

    過食嘔吐があるから、何とかバランスを保っていられる。
    だから、むりやり取り上げるのは新たなストレス、というか、不器用な患者さんは
    結果的に過食嘔吐が悪化するだけ。



    ■過食を抑えつけない


    過食嘔吐をやめれば病気が治るーーそんなふうに思っている人は多いものです。
    たしかに、過食嘔吐という症状は辛いものなので、何とかしたいと思う気持ちは
    わかります。しかし、この病気はそんなに簡単なものではないのです。

    そもそも過食はストレスの高さを示すものであると同時に
    現在何とかバランスをとるための自己防御反応です。
    治療においては過食と言う不健康な方法でバランスをとる必要がなくなるように
    ストレスの解決を目指していきます。

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著者プロフィール

1968年生まれ。精神科医。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)。アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表。2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正をはじめ、数々の法案の修正に力を尽くし実現させた。代表的な著書に、ベストセラー『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『自己肯定感、持っていますか?』『怒りがスーッと消える本』(大和出版)など多数。

「2021年 『私たちはなぜ「女」を面倒に思うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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