ラカンはこう読め!

  • 紀伊國屋書店
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本棚登録 : 418
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314010368

作品紹介・あらすじ

ついにジジェクが書いた!!現代思想界の奇才による待望のラカン入門。

感想・レビュー・書評

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  • ラカン入門書というより、ジジェク論という感じ。サバサバと言い切っていくスタイルは痛快だけど、ラカン入門には不適切。

  • ジャック=アラン・ミレールのもとで精神分析を学んだシジェクによるラカン入門書。ラカンについて知ろうと思った際に一番最初にこれを手にとったのだが、その際は基本となる概念がわからずにひとまず読むのをやめた。ブルースフィンクによる「ラカン派精神分析入門」を読んでからこの本に戻ってきたのだが、基本的な概念がわかると本書の例えは理解を深めてくれる。一つのテーマに対し、様々な例え話をしてくれるので全ては理解できなくとも各章一つくらいは腑に落ちる物がある。逆にすべてを理解しようとすると、ヘーゲルやマルクスを知っていないと難しい箇所がある。後半に行くにつれてどんどんおもしろくなってゆくような感覚のある本で、サディズムや、倒錯についての分析を楽しみながら読んだ。話題が跳躍し、それについて行くのにはかなりの知識量が必要ではあるが、語り口が面白く惹きつけられる。わからないところはわからないと割り切って読み進め、あとから気になる部分を調べるというような読み方が良いのではないかと感じた。

  • ラカンは難しいと聞いていたので、とっつきにくいイメージがありました。初学者にはとっつきやすい書籍だと思います。

  • 異様に読みやすくてほんとうにそんなことだったのかと不安になってしまうぐらいだった、見せかけの話とか死んだ子どもが語りかける夢の話とかはいまいちよくわかってなかったので助かった、ちょうど一年前になんとなく積ん読の『夢判断』に手を出して、そこからなんだかんだと精神分析に浸かってきたわけだけれど、一旦これで終わりにしたいとおもう、もちろん今後も折に触れていろいろ読むだろうけど

  • 読了。ラカン、精神分析理論のラカンを、なぜか哲学のほうから捉えなおした書物。

     論に出てくる文化を例にとった説明が、サブカル臭のするヤツだったのが印象深い。半端に古くて、半端にサブカルなんで、知らない読者は現物に当たって検証するってことが難しい。
     学位論文で今どきのサブカルを例に引こうとしたら、
    「シェイクスピアとかにしておきなさい。普遍性がある」
    と言ってくれた批評担当(指導とは別に、査読とも別に、そいうい先生が居た)教官の言葉を思い出す。

     翻訳者が頑張ったのか、原文がちょっと理解しやすかったのかはさておき、内容は理解できた。
    「で?それで?この言葉で、今どき20や40やそこらの大学入りたてな若者に、良く理解させることができるかい?」
    という感想しかない。
    評者にとって、『市井の人にまっすぐ届きにくい言葉は、お遊びに過ぎない』。
    この手の『象牙の塔の中だけで可能なレベルの、サブカル背景知識必須な言葉遊び』で、世の中を動かせたり、動かせる人達に何かを届け、人間理解を深めさせることはできないという理解は、まことに残念ではあるが、イラッとする真実である。

    もちろん『文化という盛大な遊び』は知的生活に必須だ。
    人々よ、他にも良い本はあるから本を読もう。ゲームをしよう。動画を見て短歌を詠もう。

  • ジジェクが書いたラカンの入門書。よくある入門書のように概念の説明をするのではなく、さまざまなテクストをラカン的に読むことで理解をうながす。
    とりあえず雰囲気をつかむには良い本でした。

    自分の制作活動(仕事、趣味、生活)に生かすために読んだ。理論の勉強? そんなことは知らない。

    個人的教訓は2つ

    ①現実ではなく〈現実界〉を突きつけろ

    「現実に耐えられない人のために夢があるのではなく、自分の夢(その中にあらわれる〈現実界〉)に耐えられない人のために現実があるのだ」p101
    〈現実界〉は幻想として現れる。ナレーションや過激な演出で、鑑賞者を現実に引き戻す手法はラカン的にみれば否定されるべきものだ。幻想へ過剰に同一化する(=倒錯的?)シュルレアリスムのような表現こそ参考になる。

    ②意識的に病もう

    ジジェクは精神分析のすすめ的にこんなことを書いている。
    「今日われわれは、ありとあらゆる方向からひっきりなしに、さまざまな形での「楽しめ!」という命令を受けている。(・・・・・・)こうした状況において、精神分析は、楽しまないことを許されるような唯一の言説である。楽しむのを禁じられるのではなく、楽しまなくてはならないという圧力から解放されるのだ」p177

    この本を読むとわかるように、確かに嫌がらせのようなロジックばかりで楽しめない感があるのだが、一方でがんじがらめから解放されるような快楽もある。なぜか。

    無意識には独自の文法がある。精神分析の手にかかれば万人が異常。文法を学ぶことで、意識的に精神病者になれる。会社や学校、家族との関係は嫌なこともあるけれども、健全な世の中から自分の心は別の存在になれる。

  • ラカンはこう読め!

  • 図書館本 146.1-L12 (100070197683)

  • 映像芸術論B[Moving Image Theory B]

  • 理解できないまま読み終わってしまった。大文字の他者

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著者プロフィール

1949年、スロヴァニア生まれ。
リュブリアナ大学社会学研究所上級研究員、ロンドン大学バークベック校国際ディレクター。
ラカン派マルクス主義者として現代政治、哲学、精神分析、文化批評など多彩な活動をつづける。
翻訳された著書に、『終焉の時代を生きる』(国文社)、『ポストモダンの共産主義』(ちくま新書)、
『パララックス・ヴュー』(作品社)、『大義を忘れるな』『暴力』(ともに青土社)、
『ロベスピエール/毛沢東』(河出文庫)など多数。

「2013年 『2011 危うく夢見た一年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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