ビクトル・エリセ (紀伊國屋映画叢書 2)

  • 紀伊國屋書店 (2010年8月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784314010719

感想・レビュー・書評

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  • 10年に一度監督するという伝説だが、寡作に見えるのは表向きで、実は企画はいくつも動いているのだ、とまずは知った。
    またドラマとドキュメンタリーのどちらに振り切れることもなく、いわば間隙を縫ってどちらとも言い切れない絶妙なモノを目指していることが仄見えた。
    意外と、テレビを消す時が一日の終わり、とか、ビデオ作品の重視とか、先端技術や映画という産業の分析とか、決して浮世離れした作家でもないということも知った。

    宮岡秀行という人が広島出身で、エリセが2006年8月に広島に来たときの記事も、結構興味を惹いた。
    自分の娘を「アナのように奔放に動き回り」と親ばか。つい共感。

    この本自体が相当な力作だと思う。



    ビクトル・エリセ略歴
    ビクトル・エリセとの一問一答
    ビクトル・エリセとの対話(二〇一〇年・オリジナル取材)

    関連作品解説 金谷重朗
    (監督作品)
    挑戦(1969) ミツバチのささやき(1973) エル・スール(1983) マルメロの陽光(1992) ライフライン(2002)
    (脚本作品)
    秋になれば(1963) 八月の暗い夢(1967)
    (ビデオ作品)
    スケッチ(1990-2003) ラ・モルト・ルージュ(2006) エリセ=キアロスタミ往復書簡(2005-2007)
    (関連ドキュメンタリー)
    精霊の足跡(1998)

    エリセについてのプロポ――エリセとの撮影の思い出 宮岡秀行
    ビクトル・エリセとの対話(一九八四年)
    スペイン内戦から見た『ミツバチのささやき』と『エル・スール』 若松隆
    アデライダとビクトル――『エル・スール』の家をめぐって 杉浦勉
    沈黙の言語、視線の言語 斉藤綾子
    アントニオ・ロペス・ガルシアと『マルメロの陽光』 木下亮
    ささやきと恍惚――エリセ映画における政治と芸術 ポール・ジュリアン・スミス

    ビクトル・エリセとの対話(一九九二年)
    ビクトル・エリセとの対話(一九九三年)
    ビクトル・エリセとの対話(二〇〇三年)
    エリセと過ごした4日間 宮岡秀行
    風景と歴史――映画『空は回る』をめぐって ビクトル・エリセ

    外国語文献一覧
    日本語文献一覧
    フィルモグラフィ

    ※2010年刊行。
    ※2000年刊行の『e/mブックス8 ビクトル・エリセ』(エスクァイア マガジン ジャパン刊)を大幅に増補改訂したもの。

  • 多分、一番好きな映画監督です。次の作品が公開されるのはいつかなぁ?

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著者プロフィール

(とおやま・すみお)1969年生まれ。映画評論家。編著書に『紀伊國屋映画叢書』(全3巻、紀伊國屋書店)、『チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ』(国書刊行会)など。訳書に『サミュエル・フラー自伝 わたしはいかに書き、闘い、映画をつくってきたか』(boid)、『私のハリウッド交友録 映画スター25人の肖像』(エスクァイア マガジン ジャパン)、『ジョン・カサヴェテスは語る』(幻冬舎、共訳)などがある。

「2021年 『〈アメリカ映画史〉再構築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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