ファッションフード、あります。: はやりの食べ物クロニクル1970-2010

著者 :
  • 紀伊國屋書店
3.71
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本棚登録 : 340
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314010979

作品紹介・あらすじ

「食」はだれもが参加できるポップカルチャーになった。戦後、日本人はいかに食を楽しみ、果ては消費するようになったのか?痛快な文化史。年表付。

感想・レビュー・書評

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  • どうせ、あんなの流行ったよねー、というあるあるネタな本でしょ、と期待せずに読んだら意外なほど面白かった。

    ボードリヤールによれば、機能的価値を超えた価値で消費されるとき、そのモノはガジェットとなる。(うろおぼえ)
    そして高級なモノ(熟練された技術で作られる)が、産業化さ誰でも手に入れられるようになったモノをキッチュとした。(これまたうろおぼえ)
    で、その記号論的文脈から読むと、ファッションフードの歴史は、まさに食品のガジェット化の歴史であり、キッチュ化である。
    ティラミスが「私を天国に連れてって」という意味深な名前と「流行」というだけで消費され、チョコからコロッケにいたるまでティラミスの名前を被せられたキッチュとなっていった。

    ・・・とか、いろんなことを考えてしまう刺激的な本。

    日本の伝統食回帰やスローフードなどに対して、「だれが作る?」と疑問を呈し、「「おふくろの味」が女の手から企業に渡った中食惣菜のほうが、よっぽど社会を変革するだろう。」(P277)とする。
    また、男の料理がブームになったかららといって、総務庁の統計で、夫の家事時間は増えたわけではない、ときっぱり。
    情報として消費されるということは、情報は他者と共有しなけらば意味がなく、さらにブログや、ツイッターで共有される「ネタ」へと成り下がっていく。
    筆者が「食べ物を通して世界が広がるように思えた、あの感動とときめきをもう一度味わってみたいのである。」(P348)と過去のファッションフードを懐かしむのもわかる。

    伝統食回帰や、食育に、そこはかと封建主義の復活の匂いを感じていたのだが、この本でも触れられていた。そのあたり、もっと突っ込んでほしいところ。
    あと、「彼ごはん」のSHIORIの登場と人気について、料理本編集者としての意見を聞きたかった。

    最近読んだ「ナチスのキッチン」(http://booklog.jp/item/1/4891769009)ほど気張ってないが、非常によく似た本。
    「食を義務から趣味や娯楽にしたファッションフードは良妻賢母イデオロギーに対するレジスタンスだ!」
    なんていう勇ましい言葉も出てくるしね。(食に関して語るとき、人は大げさになるのか??)

    一番驚いたのは、パスタ屋の「壁の穴」が初代CIA東京支局長ブルームの執事が退職後、退職金とブルームからの提供された資金で創業されたこと。

    さて、装丁は”やりすぎ”祖父江慎。アイスクリームのコーンを模したエンボス加工に変形特殊折りの紙を被せた表紙、ラデュレのメニューを模した(?)折込の目次、昔の宝島社の本のようなページ下部の荒い写真、読みやすがぎりぎりのところで担保されるアクロバチックな装丁でした。


  • 社会

  • ファッションフード前史
    第1部 加速するファッションフード―1970年代
    第2部 拡大するファッションフード―1980年代
    第3部 自己増殖するファッションフード―1990年代
    第4部 拡散するファッションフード―2000年代

  • 日本の食の流行りを追っかけた本。おー、こんなんあったよな!と懐かしめるのも魅力だが、その時その時になぜその食が流行ったのかの時代背景も含めて解説してくれてるのでとても面白い。また、食トレンドの発信源となったアンノンやらHANAKOやらのコッテコテに装飾された食の紹介文が笑えるのだが、こういう文章の中にコソ一周回って現代でヒットする表現が眠ってたりしないかなーなんて視点でみてみるのも良いかな。とりあえず、久しぶりにティラミス食べよう。

  • アイスクリームのコーンを模した表紙。中のデザインもユニークでめっちゃかわいいなと思って買ってみたら担当は祖父江慎さんだったようです。これからじっくり読みます。

  • 読みごたえたっぷりやったわ。ちょくちょくあらわれる皮肉な書き方がオモロー。

  • 時代時代の流行りの食べ物、その周辺を紹介。
    著者が近い世代のせいか、昔のあるある満載で、かなり面白かった。もう少し値段が安かったらいいんだけど・・。

  • 2015年4月新着

  • 2013年6月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(3階)
    請求記号: 383.81//H42

    【選書理由・おすすめコメント】
    手にとって少し読んでみたらおもしろそうだったので選びました。
    江戸から戦前まで、戦後、など各年代ごとにどのように日本の”食”文化が変わってきたのか、読めばわかると思います!!
    (薬学部 医療栄養学科 3年)

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著者プロフィール

1958年生まれ。編集者・ライター。編集プロダクション「オフィスSNOW」代表。『シェフ・シリーズ』と『暮らしの設計』(ともに中央公論新社)編集長を経て、プロ向けの専門技術書から超初心者向けのレシピブックまで幅広く料理本を手がけるかたわら、近現代の流行食を研究・執筆。著書に『ファッションフード、あります。――はやりの食べ物クロニクル 1970-2010』(紀伊國屋書店)、『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(ベスト新書)、『ミュージアム・レストランガイド』(朝日新聞出版)、「七福神巡り――東京ご利益散歩」(平凡社)、『おやじレシピ』(オフィスSNOW名義、平凡社)、共著に『東京バスの旅』(文春新書)がある。

「2017年 『カリスマフード 肉・乳・米と日本人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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