流れとかたち――万物のデザインを決める新たな物理法則

制作 : J. ペダー・ゼイン 
  • 紀伊國屋書店
3.53
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本棚登録 : 647
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011099

作品紹介・あらすじ

すべては、より良く流れるかたちに進化する――生物、無生物を問わず、自然界に現れるかたちの全てを決定づける「コンストラクタル法則」という新たな物理法則を提唱する衝撃の書。同法則を物理学の第一原理と位置づける著者は、樹木の形、血管の配置、河川の流れから、空港や道路、スポーツ記録の進化、社会制度や文化の広がりなどもこの法則に従うと主張する。

感想・レビュー・書評

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  • ミクロから積分してマクロを導く科学のアプローチではなくて、マクロを原則としてあらゆる物事を論証していくコンストラクタル法則について書かれる本。

  • 本書ではコンストラクタル法則と言う、新たな観点からの物理法則が語られる。
    正直この法則は抽象的な感じで、雪の結晶の形や、樹々の樹上構造などは何らかの法則の下で成り立っているのは明らかだと思うが、交通であったり政治であったりは後付け感が否めないなと感じた。
    その雪の結晶の話だが、確かにあの形は不思議だ。水の表面張力は感覚的にも理解できるが、こちらは確かに何か法則があって成り立っているとの主張は理解出来る。それを熱力学界の巨匠とも言える著者が熱く語るのだから、この先重要な法則として認知されていくのだろう。

  • 端的に言うと、全ては流動であり全ての流動は流れやすく
    なるように変化していくということを書いた本。何よりも
    まず全てを流動と見立てるその視点がおもしろい。それに
    よって様々なことが説明できていくのは痛快とも言える
    内容だった。

    ただ、このコンストラクタル理論自体がまだ研究の端に
    ついたばかりのためか、ことある度に自説を礼賛するのが
    「トンデモ本」を思わせて残念。

    表現としては、「流れを良くするように進化していく」の
    ではなく、「流れを良くするようにしか変化できない」の
    方がしっくり来るな。一応続巻も続いて押さえておきます。

  • 請求記号 401/B 32

  • コンストラクタル理論によってあらゆる現象を流動系として統一的に捉えることができる、という主張がとても面白かった。またこの理論は現象の説明だけでなく、未来の予測や最適なデザインの導出までも可能だという。

    しかし厳密性、論理性に少し問題があるような点もそれなりにあり、もったいないところかな、と思う。広い読者層を想定しているのか数式が少なかったのも原因の1つかもしれない。
    かといって一般人にも読みやすいかというとそうでもなさそうで、他のレビューにもあるように啓蒙書としては専門性が高すぎる印象。実際に広い層に届いているかといえば疑問であり、少し中途半端な感じがある。

    ただ一般書に厳密性を求めるのは酷なので、著者の論文を読んでみることにする。
    全体としてはとても興味深く、また論文を読んでみようと思わされた点では、理論を広めることに成功しているのかもしれない。

    理論としてもとても面白いものだし、筆者の科学に対する哲学も垣間見ることができて良書の部類だと思う。
    おススメ

  • 万物のデザインは「流れをよくするため」に決まる、というコンストラクタル理論の本。

    川の三角州の形と人の肺の樹状構造の類似性などが根拠になっている。

    専門性の高い内容で、今一つ楽しめなかった。

  • 流れを促進する方向に進む。ということなの?なにがなにやら、わからーん。

  • 2019/03/21

  • ・流れを良くするように進化
    ・生きているとはすなわち流れ続けること、形を変え続けること。
    ・存続するのは、流れを促進するものだ。
    ・樹木は水を運ぶためのデザイン。
    ・アイデアの流れを促進するためには、一流の学者を特定の学校に集中させる階層制のデザインのほうが効果的。

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著者プロフィール

【著者】エイドリアン・ベジャン
1948年ルーマニア生まれ。デューク大学 J. A. Jones 特別教授。欧州アカデミー会員。30冊以上の書籍と650以上の論文を発表しており、スタンフォード大学のジョン・イオアニディスが作成した引用インパクトデータベースにおいて、最も引用されインパクトのある世界の科学者の上位0.01%(工学部門では世界トップ10)にランクされたことが2019年の PLoS Biologyで発表されている。1999年にマックス・ヤコブ賞、2006年にルイコフメダルなど、受賞歴多数。11か国の大学から18の名誉博士号を授与されている。熱力学での業績と、科学と社会システムにおける自然のデザインと進化についてのコンストラクタル法則の提唱を認められ、2018年には米国版ノーベル賞とも言われるベンジャミン・フランクリン・メダルを、2019年にフンボルト賞を受賞。邦訳に『流れとかたち』『流れといのち』(いずれも柴田裕之訳、木村繁男解説、紀伊國屋書店)がある。

「2022年 『自由と進化――コンストラクタル法則による自然・社会・科学の階層制』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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