悪癖の科学 その隠れた効用をめぐる実験

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  • 紀伊國屋書店 (2016年8月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (284ページ) / ISBN・EAN: 9784314011419

作品紹介・あらすじ

1983年、アメリカ泌尿器科学会の年次総会でのこと。
当時60歳のG. S. ブリンドリー教授の演題は「勃起不全の血管作動性療法」だった。
ペニスに薬剤を注入する新たな治療法を講演する予定だったブリンドリー教授は、
演壇から舞台前方に歩み寄ってパンツを下ろし、自身の研究結果として、
「腫脹の程度をじかに確認できる」機会を提供しようとしたのだ。

ところ変わってイギリスの某大学、とある研究室からは、
「ファック、ファック、ファック……」という声が聞こえてくる。
これは本書の著者リチャード・スティーヴンズの研究室で、
汚い罵り言葉が痛みへの耐性を高めることを実験していたのだった。

人間は未だ謎の宝庫だ。
翌朝が大事な会議でも深酒し、セックスに心をかきみだされる。
刺激を求めてバンジージャンプをする。「クソ野郎!」と叫んで高速道路をかっ飛ばす。
――人間は、なぜ世間が眉をひそめるようなことをついやってしまうのか? 
――わからない……なぜなのか……知りたければ実験だ!

世の中の謎を解こうと、世界中の研究者たちが日夜実験に没頭している。
イカのセックスを観察したり、ラットの勃起回数を計測したり、自らスカイダイビングまでする。
主流科学の陰にひっそりと咲くちょっと変わった科学研究に着目した心理学者が、
一部の悪癖には隠れた効用があることを示す研究成果の数々をユーモラスに紹介する。

みんなの感想まとめ

人間の行動に潜む「悪癖」の科学的な側面を探求した本書は、セックスや飲酒、悪態、スピード運転など、一般的に否定的に捉えられがちな行為の隠れた効用をユーモラスに紹介します。著者は、これらの行為が実は心理的...

感想・レビュー・書評

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  • いけないとわかっていながらやめられない行為「悪癖」についての、そのリスクはもちろん、隠れた効用を科学的に探る本。

    セックス、飲酒、悪態、高速運転、恋愛、強いストレス、サボり、臨死体験等々、これって悪癖‽と思われるものまで網羅し、科学的に分析してある。
    たとえば、道路でスピードを出し過ぎる事には、退屈なドライブによる白昼夢を予防する効果がある等、眉をしかめられるような行為にも有意性があることを検証する。

    こんなこと誰が考えつくの?と思われるような実験のあれこれがおもしろい。

    著者は、「悪態が痛みをやわらげる」研究でイグ・ノーベル賞を、科学研究と社会の橋渡しを支援するウエルカム・トラスト・サイエンス・ライティング賞を受賞していて、軽快な文章は読みやすい。
    各章のはじめの漫画もシュールで楽しい。

  • セックス、酒、恋…心理学的に解析

    クーリッジ効果
    交尾を繰り返して消耗し今までのメスで無反応になったオスも、新しいメスの登場でがせん蘇る
    新しいメスをあてがわれたオスは86%射精、古いメスが相手だと33%しか射精しなかった
    交尾相手がたくさんいたほうが、進化と種の存続の観点からリスク分散できる

  • 「悪癖の科学」とはいうけど、セックスや酒がそんなに悪癖だとは思わないし、適度にたしなむのはかえって健康によさそうな気もするのだが。
    取り上げている「悪癖」は、セックス、酒、悪態(汚い言葉)、車のスピード、恋(不倫を含む)、ストレス、さぼり、臨死体験、といろいろ。
    それぞれ、悪い部分はもちろん、いい部分にも光をあてているので、なかなか興味深い。

  • セックス、悪態、危険運転などの悪癖の隠れた利点を科学的に説明する…とあるけど、中身はこじつけっぽいのも沢山ある。あとがきによるとそれが心理学って分野なもんらしい。そう分かっててやってるならしょうがない。

  • セクハラ、パワハラをまるで既得権のごとく常態化させる権力者たち。下手すると死ぬと分かっていながらXゲームにのめりこむ若者たち。悪癖としては少し解釈を広げ過ぎかもしれないが、「わかっちゃいるけどやめられない」という点では同じ(わかってない人も中にはいるかもしれないが)。その中で効用を見出すというのは、いくら科学の観点からとはいえ、無理がありすぎる。なにせ悪癖は理屈じゃないから。

  • 悪口やいたずら書き 運転のスピード超過などあまり良いとされていないことの効果を科学的に検証している

  • 内容が思い出せないのでもっかい読んでみたい本。

  • 「悪癖」という事象そのものについての科学的見解が見られると思ったが、「飲酒」「愚痴」など、個別具体の悪癖を科学的に擁護するという内容で、期待とは違った。内容自体はそれなりに面白かったが、このようなゆるめの科学の本全てにつきまとう、「再現性の怪しさ」はとても感じた。鵜呑みには決してできない。学会で自らの勃起した陰茎をまろびだした教授の話は面白かった。

  • 軽い心理学読み物。悪癖とされることにも良い側面がある(そういうことを報告する論文があるよ)ことを紹介。何でも過ぎたるは及ばざるがごとし,薬と毒のような関係か。著者は2010年に「悪態をつくことにより苦痛を緩和する」研究でイグノーベル賞を受賞している。扱われるトピックは,セックス,酒,悪態をつく(汚い言葉),車のスピード出し過ぎ,恋愛,ストレス,退屈,死にかけること。下世話だけど誰もが体験すること。まぁ,ものの見方だな。いいとされていることも悪い面があるというテーマでも書けるな。

  • 社会通念上、「人の愚かさ」として片づけられがちな行為の機能について探求する本。

    特に心理学的な考察が多く、解釈にはファジーさが残るが、高潔な思い込みで運用されがちな昨今の社会通念に関する疑問を持ち始めるのに本書は役に立つだろう。

  • ふむ

  • 世間一般に、良くないとされていること、恥ずかしいこと、忌むべきこと…などなど、でも実はメリットもあるのだよ、ということを様々な研究論文をソースに軽快に語ってゆく本。
    深く考えて読んではいけない。こじつけの論調が気になって読むのをやめたくなってしまうので。科学者たちが頑張っておもしろいこと考えてるなぁっていう読後感。

  • 様々な研究結果を科学的に分析した本で非常に知識として読んで面白い。
    しかし一部では、片手運転と両手運転とスピードの結果が出ている。確かにスピードはでているが問題は自己を起こすか否かを論点とした方がよく、そもそもこの研究の目的がわからない。

  •  悪癖にもメリットがあるんだよということを、セックス、酒、危険な遊び、悪態、退屈などなど様々な観点で明らかにしていく。
    王道の科学とは違う観点で、一般的に悪いと考えられていることのメリットを明確にしていく良い本。

    やはり、悪態を理解するには、その悪態のメリットも理解することが大事だなと。

  • 98冊目(10-2)

  • 体や心に良くないとされるのとにも意味がある。
    汚い机は創造性を増し、悪態は生産性を上げる。
    いちいち面白く、胡散臭い。
    さらさらと読み飛ばして、好きなところだけ自慢げに披露したい話。

  • サイエンス

  • うーん、胡散臭い感じが拭えない。例えば悪態をつきながら氷水に指をつけると、そうでない場合より痛みに強くなったという実験。スポーツ選手は声を出した方がパフォーマンスが上がるらしいが、それと同じでは?つまり悪態である必要はないのでは。あと全体的に、二群間の比較を論じるなら被験者数とかp値とかも載せてほしい。8つの悪癖の中ではストレスの章が一番面白かった。ユーストレス(良いストレス)は幸福感を増やす、感情を自己抑制する、記憶力を向上させる。

  • 飲酒や危険運転、F*ck のような罵声語、ストレスなど、必ずしも「よくない」とされている行動について、様々な実験を紹介した一冊。「よくないとされているにもかかわらず、人間がそれらの行動をするのは、何らかのメリットがあるからに違いない」というのがそもそもの着想で、実際に実験をしてみると、たとえば「罵声語を発っしていると人間のストレス耐性が高まる」ということが明らかになったりする(著者はこの研究によりイグノーベル賞を受賞している)。逆に、恋のように良いことの負の側面に注目したり、死の価値について示唆したりと話題と観点は多岐におよび面白い。もちろん、心理学のことだから、真逆の結果を示している研究も同じくらいたくさんあるのだろうし、記述を真には受けられないけど、暇潰しには丁度良い一冊。

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著者プロフィール

【著者】リチャード・スティーヴンズ(Richard Stephens)
イギリスのキール大学心理学上級講師。2010年に「悪態をつくことにより苦痛を緩和する」研究でイグ・ ノーベル賞を受賞。その他「二日酔い」「悪態語」についてなど、ユニークな研究を発表している。2014年、ウェルカム・トラスト財団のサイエンス・ライティング賞受賞。

「2016年 『悪癖の科学――その隠れた効用をめぐる実験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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