プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年

  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011426

作品紹介・あらすじ

重罪犯を収容するカナダのコリンズ・ベイ刑務所で定期的に開かれる読書会。
『怒りの葡萄』『またの名をグレイス』…刑務所内での本をかこんでのやりとりを通して
囚人たちは読書の楽しみを知り、自らの喪失感や怒り、罪の意識について吐露し、
人種や宗教の壁を越え、異なる意見の持ち主の話にも耳を傾けるようになった。
1年間ボランティアとして運営に関わったジャーナリストが見た、囚人たちの変化とは。
胸に迫るノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 刑務所で読書会。読書だけならともかく、「会」が付くことの違和感。
    受刑者が他人の意見に耳を傾けたり共感したり出来るものだろうか。
    著者はカナダ在住の女性ジャーナリスト。
    「刑務所読書会支援の会」で活動する友人のキャロルから、男子刑務所で月イチで開かれている読書会に誘われるのが、本書のオープニングだ。
    8年前にロンドンで強盗に襲われたトラウマから抜け出せない著者は「絶対無理」と思う。
    しかし、恐怖心が好奇心に変わり、ジャーナリストとしての創作意欲もわいてくる。
    何よりも判事だった亡父の言葉が、彼女の行動の原動力になった。
    「人の善を信じれば、相手は必ず答えてくれるものだよ」

    これは、著者が2011年から2012年にかけて2か所の刑務所読書会でボランティアをつとめた経験を書いた、刺激的なノンフィクションだ。
    読書会の場面は実況中継さながらの臨場感があり、まるでその場に居合わせたかのような気持ちになる。課題本にはフィクションもあればノンフィクションも。
    作品のあらすじや位置づけはもとより、登場人物のどんな場面や言葉にどう感じたか、白熱する議論の現場を丁寧に再現している。
    そこが、本書の最大の読みどころだ。
    収監者たちの言葉は驚くほど聡明で切実で、彼ら自身の人生がにじみ出ている。

    もちろん、本を読んだ程度で人間性に急激な変化があるわけではない。
    しかし、「本を一冊読むたびに、自分の中の窓が開く感じなんだな。どの物語にもそれぞれきびしい状況が描かれているから、それを読むと自分の人生が細かいところまではっきり見えてくる。そんな風に、これまで読んだ本全部が今の自分をつくってくれたし、人生の見方も教えてくれたんだ」 
    「刑務所は受刑者同士が孤立している場所だというのに、 この読書会でなら、人種や民族や暴力団の派閥の壁をやすやすと越えられるんだ」
    ・・そう話す彼らは、麻薬よりも読書会に夢中になっていく。

    軽警備のビーバークリーク刑務所に移った受刑者は新たに読書会を立ち上げている。
    仮釈放の身となった後でも、社会復帰施設で読書会を立ち上げてもいるのだ。
    著者も、読書会のたびに深い思索を繰り返し、彼らとの距離にも変化がうまれ、いつしか深い信頼で結ばれていく。
    「あんたのようなきちんとした人が、何で俺たちみたいなワルと一緒にいたいんだ?」
    始めて参加した日にそう言われた著者は、彼らが自身の経験に打ち勝つために、読書会はどこまで助けになれるのかと自らに問い続ける。
    やがてクリスマスの日、彼女は気づく。
    ここに来たのは私たちの人生をつなぐ目に見えない糸に触れるためだと。
    彼女の真摯な姿勢と受刑者たちの切実さに、読みながら何度も熱いものがこみあげる。
    まさに父親の言葉は正しかったのだ。

    まるで消耗品のように次々に本を読むのではなく、本と対話するように向き合いたい。
    常々そう願ってきた私には、胸の扉を強くノックされるような感覚を覚える一冊だった。
    他者の読み方に対して寛容であれば、多彩なコミュニケーションも可能になるということ。
    又、エリック・ホッファーが季節労働者として暮らした意味を本書で再確認できた思いだ。
    その時々を切実に生きるひとびとに、心を寄せたのだろう。
    そこにこそ、真の学びがあるということだから。
    著者もまた、過去に参加した女性だけの読書会よりも、刑務所読書会に参加したいと最後に述べている。「あの場では、彼ら自身の人生やわたしの人生を変えるようなことさえ起こりうるからだ。彼らの言葉の少なくともひとつは、これから先もずっとわたしとともにあるに違いない」
    ひとりでも多くの方に読まれますように。

    • 夜型さん
      実は、ユーリー教授とキートンのお父さんのセリフが一致してるんですよね。
      「学問はどこでも出来る。便所の中でもな」
      「人間はどんな所でも学...
      実は、ユーリー教授とキートンのお父さんのセリフが一致してるんですよね。
      「学問はどこでも出来る。便所の中でもな」
      「人間はどんな所でも学ぶことができる。知りたいという心さえあれば」

      まあでも、権威主義が蔓延る中で、ユーリー教授や中村先生のような人は少ないし、異端だと思います。中村先生は権威主義を嫌っていたそうです。東方学院では、学びたいという心さえあれば、どんな人でも受け入れたそうです。

      「志」を持つ友や師がいたら豊かでしょうね。。

      ついぞ根治は出来ませんでした……笑
      本人が自覚して良くしようと努力しませんから。もう、開き直ってふんぞり返っています。
      仏も匙を投げることでしょうね……笑
      2020/07/23
    • nejidonさん
      夜型さん、再訪して下さりありがとうございます!
      ああ、そのセリフもいいですよね。
      太一さんにはどうしても欠けている部分があって、それがお...
      夜型さん、再訪して下さりありがとうございます!
      ああ、そのセリフもいいですよね。
      太一さんにはどうしても欠けている部分があって、それがお父さんにはあるようです。
      東方学院のHPを見てみました。いいですね、ここ。私も入りたい。今そう思っています。

      志が同じかと問われたら違うのだろうと思いますが、私にとって夜型さんは大切な友だちです。
      ブクログでしか知りえない方だし、おこがましいと叱られることでしょう。
      それでも矢張り大切な方であることは確かです。
      欲をかきすぎですかね。すみません。
      都合の良いところだけ取ったらスルーしてくださいね。

      2020/07/23
    • 夜型さん
      太一は俊敏で生真面目なひとなんですが、お父さんのようなあのどっしりと構えてぼんやりとするようなことが出来ないんですよね。正反対ですね。
      ど...
      太一は俊敏で生真面目なひとなんですが、お父さんのようなあのどっしりと構えてぼんやりとするようなことが出来ないんですよね。正反対ですね。
      どちらかといえば、僕は性格的には太一よりかもしれません。手先は起用で頭もよく働くのに、ドジでそそっかしいんですよね笑。

      東方学院でいつか僕も学びたいです。いまはコロナウイルスでお休みですが。
      でも、いつか……!

      じぶんにはもったいない言葉、嬉しく頂戴しましたよ。
      2020/07/23
  • ジャーナリストである著者が、カナダの刑務所で開催された読書会に参加した1年間の記録。

    以前読んだ『刑務所の読書クラブ』という本では、囚人たちは思ったより読書に興味を示さず、塀の外に出てから別の娯楽に向かう人も多かった。そのことが頭にあったので、過度に読書の力を賛美する内容なら信じられないなあ、と少し構えながら読み始めたのだが、いい意味で予想を裏切られた。

    まず、本書に出てくる読書会はマネジメントがしっかりしている。NPO法人を運営するキャロルという女性が読書会の中心人物なのだが、選書やメンバーの選び方、本を読んでこないメンバーのフォロー、仲間の増やし方など、非常によく考えられているし、読書会での話の進め方も上手である。
    また、本書の執筆者であるジャーナリストのアンは、選書と中心メンバーへの個別のインタビューは行うものの、読書会は一歩引いた立場で参加しており、その距離感がよい。アンはかつて住んでいたイギリスで強盗に襲われて危うく命を落としかけたことがあり、囚人たちとの距離の縮め方が決してスムーズではないところも逆にリアルで共感できる。

    そして何より、意見交換の様子を読んでいると、自分も実際に読書会に参加しているような気持になってきて楽しいのである。
    読書会で選ばれる本は、過酷な環境の中でたくましく生きていく主人公や、困難を乗り越えて人のためにつくす主人公の話が多いが、囚人たちがこれまでの人生と重ね合わせながら述べる意見には時々はっとさせられる。
    O・ヘンリ『賢者の贈り物』の回では、もし夫婦のどちらかが贈り物を用意していなかったらどうなっていたのだろう、という意見があって、単にハートウォーミングな話としか読んでこなかった私にはとても新鮮に感じられた。

    読書はすべての人を良い方に変えてくれる万能薬ではないかもしれない。実際、すぐに読書会に参加しなくなった者もいれば、社会復帰した後に読書をやめてしまった者もいる。それでも、ただ本を読み、みんなで本の内容について意見交換をする場があるのはやっぱりいいなあ、と思わせてくれる本だった。


  • 「どれが好きっていうのではなくて、本を一冊読むたびに、自分のなかの窓が開く感じなんだな。どの物語にも、それぞれきびしい状況が描かれてるから、それを読むと自分の人生が細かいところまではっきり見えてくる。そんなふうに、これまで読んだ本全部がいまの自分を作ってくれたし、人生の見かたも教えてくれたんだ。」



    カナダで雑誌記者をしている著者が刑務所の読書会に一年間、ボランティアとして参加した記録。

    著者のアンは慈善家や宗教家というわけではない。友人に誘われて参加する。アンは以前強盗に首を絞められるという経験をしトラウマを抱えている。また家族の問題もある。(娘の過食症)

    読書会というものに参加したことがないので、感想を話し合うのは興味深いことだとおもった。個人的にグレアムの意見が特に気になった。

    本の感想を語り合うということを通して、他者を理解することとはどういうことだろうかと、考えさせられる。偏見や正論。階級社会の根強さを感じた。
    理解しあうということを、自身のできる限りに誠実に、ということは綺麗事ではない、出所後にまた罪を犯した人もいる。

    それでも人を信じたり、人の回復力を信じたり、そういうおもいに希望を感じたいとおもった。

  • カナダの、刑務所での受刑者たちの読書会でボランティアをつとめた、ジャーナリストの女性が書いたノンフィクション。すごくおもしろかった。
    とくに派手な事件とかできごとが起きるわけじゃなくて、淡々と、読書会を主催して、本を選んで、受刑者たちと話して感想をきき、読書会の舵とりをして、ときには受刑者とどういう犯罪を犯したのかとか、家族のこととか個人的な会話をしたりっていう話なんだけど、受刑者の日々の暮らしがうかがえるのも興味深かったし、彼らの(そういえばみんな男性受刑者だった。女性受刑者の読書会も知りたい)感想や意見もとても深くて鋭かったり楽しかったり。それに対する著者の受け止め方や考え方が書かれているのもよくて。著者は、強盗にあった経験がトラウマになっているのだけれど、恐怖や不安を感じながら受刑者と向き合って友達のようになる人も出てきたり。著者と、彼女を読書会に誘った友人とのやりとりやふだんの暮らしがわかったりするのも楽しい。カナダのアマースト島の自然の描写もよかった。
    なにより、本を読むのはいいことなのだ、と思えるところがすばらしい。「読書愛」が伝わってくる。
    この読書会で扱われたのと同じ本を読みたくなる。
    読書会というものに憧れを抱くようにすらなったかも。

    訳者あとがきの、読書は自分自身の人生に引き寄せて考えなければあまり意味がない、というのに共感。わたしもそう思う。読書会は、作品を語ることが自分たちの人生を語ることにつながるからおもしろい、とつながっていて、ますます読書会にあこがれる。。。
    だれかと本の話をしたくなる。。。

  • まず中身ではなく装丁が好きです。雰囲気があって押しつけがましくなく、イラストもとっても素敵。本棚に並べたいなと思いました。
    カナダの刑務所での読書会の模様を1年に渡ってリポートしています。
    服役しているので、当たり前ですが全員犯罪者です。
    実際にリポートしている筆者も最初腰が引けていますが、読書好きの親近感は大きいので一気に距離が近づきます。
    みんなで同じ本を読んでそれについて語り合う。読書会自体行ったことありませんが憧れがあります。
    しかも、本を切実に必要としている受刑者との語り合いは、とても身が入る切実なもので、本というものの本質というか、何故必要なのかという問いにストレートに答える内容になっていると思います。
    その本の登場人物やシチュエーションに自分を置き換えるイマジネーションを養うのは、本が何よりも最高だし、自分の中に積みあがるものが自信にもなると思います。

  • カナダの刑務所で立ち上げられた読書会に参加した女性ジャーナリストの手記。著者自身も犯罪に巻き込まれてトラウマを抱える中での参加。その心情を交えつつ受刑者のコメントややりとりを丁寧に、プロのジャーナリストらしく冷静にフェアに書き上げている。

    興味深いことに読書会で取り上げられている本はほぼ、ノンフィクションか、事実をベースにしたフィクションだった。何故なのか。最後にチラッと受刑者のコメントが書いてあったが、それだけでは無いように思う。

    受刑者のコメントや様子を読んでいると、自分との差は全く感じられないことに特に驚いた。精神性と犯罪を犯すことに強い相関がないのだとしたら、他の何かが少しでも違ったら私だって、彼ら受刑者のような境遇になっていたのかもしれないと思う。

    私もぜひ読書会に参加してみたいと思いました。

  • 読書会というものに 参加したことがないので 
    どういうものか わからないけど
    数名で同じ本を読む事によって
    自分の見方だけではなく 他の人の意見も聞く事で
    その本をより深く理解できるようです。
    さらに 指定された本を 読むので
    苦手なジャンルでも読む事になり 
    新しい発見があるようです。

    その読書を 刑務所で行ったという
    内容の本でした。
    お勧めの本とかが 自分の全く読んだ事のない本ばかりだったので
    入り込むことができませんでしたが
    受刑者であっても これだけ 感受性の鋭い人もいるのかと
    びっくりしました。

    この本の中で 本を身近にしていなかった
    受刑者達が 本を読む事によって 
    自分の心と向き合ったりして行く事が
    描かれていました。

    戦争の時に本があって良かったという 本を先日読んだばかりですが この本も 人にとって 本が 読書がどれだけ 必要なものかということが 再認識できた 本でした。

    本だけでなく 刑務所で犬猫を飼ってる所もあるそうです。
    生き物を育てる事も 良い刺激になっているそうです。

    日本でも 同じ様な プログラムがあると 良いなぁと思いました。

  • タイトルにひかれて読みました。
    一人で読む本の向こうに
    人とのつながりが生まれていく「読書会」
    それぞれが抱えている問題も、
    ひと時忘れて本について語り合う時間の豊かさに、
    その場に立ち会えた作者をうらやましく思いました。
    紹介されていた本のどれもが興味深く
    是非読んでみたいです。

  • すばらしい内容なのにというか、だからかずいぶん時間がかかってしまった。

  • 図書館で。
    基本的にはすごいなぁと思うんですが時折入ってくる作者の上から目線な意見が少し気に障りました。「受刑者はこう思うだろう」とか「受刑者にも良い影響を与えるだろう」とか「受刑者の鋭い考えに驚かされた」とか。そうは書いてはありませんが低学歴な囚人にこんなことを考えられるなんて驚き!みたいな感じが透けて見えるというか…。後、ことさら強調される過去に強盗に襲われた事件も、そんな怖いならやらなきゃいいのに、と途中で思ってしまいました。それを押して善を為す自分がえらい、と主張したいのだろうか?偽善だろうがなんだろうが善を成しているだけ素直にすごいなぁ、えらいなと思うのだからそれだけで良いような気がするんですけどね。

    読書会を経験した事が無いので言うのもナンですが読書って結構個人的なものだと思うのでその本からどんな事を受け取るかは人によって違う、でいいと思うんですよね。主催者側があまり啓蒙的な意見を押してつけるのもどうなのか~と思うし、大きな声を上げる人が居るとそれにつられてしまいそう。でも読書会に参加しなければ絶対に手に取らなかっただろう本を読んだってのはなんだか良い出会いだな、と思いました。

    それにしても選書がえらい小難しい本ばかりでよく皆読んでるな~と思いました。良いじゃないですか、楽しいだけの本だって(笑)毎度毎度、教訓じみた話や説教されたら鼻につかないのかな~なんて思いました。自分だったらひねくれてるからケッとか言いそう。良い本は確かに人に薦めたくなりますが合う・合わないはあるし、読みたい時と読みたくない時があるものなぁ~ 
    個人的にSFでも古典はあるんだから星を継ぐものとか推薦してもいいのに、とか思いました。なんか…いわゆる文学的名著ばかりでうう~ン、という感じ。為になる本とか役に立つ本ばかりじゃ無くてもいいと思うんですよね。いいじゃん、火星の人を読んでアハハと笑って諦めないってのはすごいよね、で終わっても(笑)
    選書する方の年齢的な頭の堅さなのかなぁ。

    死にそうな拒食症を患った娘が居るなら彼女をサポートする活動に専念したっていいのに…とか、そう言う子供(まあ成人してるけど)が居るのにバカンスはダンナと二人で出かけるんだ…とかやっぱり外国は親子関係と言えどもベッタリじゃないんだなぁ…とも思いました。

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著者プロフィール

【著者】アン・ウォームズリー (Ann Walmsley)
「グローブ&メール」「マクレアンズ」などに執筆するジャーナリスト。
全米雑誌賞を四度受賞したほか、カナダ・ビジネス・ジャーナリズム賞、および
インターナショナル・リージョナル・マガジン賞を二度受賞している。
初めて読書会を作ったのは九歳のとき。現在は家族とともにトロント在住。

「2016年 『プリズン・ブック・クラブ――コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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